

掲載日:2009年08月20日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
特徴的なのはそのデザイン、スタイリングに尽きるだろう。ホンダが謳うデザイン・コンセプト『Compact & Dominate』のとおり、視覚的にも実際の走行からも、その印象はとても独創的であり、コンパクトだ。しかしスペック数値で車体寸法をフォルツァと比較しても、じつはたいして差はないことがわかる。しかもシート高はフェイズの方が44mmも高い。でも実際に体感出来るこのコンパクトさは一体…? 大きな要因としては車両重量にある。フォルツァ比16kg減というのは、取り回しはもちろんのこと走行時にも大きく影響する。加速、減速、旋回、いずれにしてもエンジンが捻出するエネルギーや、車体に働く慣性力に対して、車体そのものが軽いことは良いに越したことはなく、それを『軽さ』として体感出来るのだ。結果として機動力が上がり、ライダーに『億劫さ』を感じさせないので、まるで原付スクーターを扱うように気負わず走り出すことが出来る。シート高が上がったと言っても、地面に足を降ろす過程では、シェイプアップされたスリムなボディとシート形状によって外側へ大きく開くことなく、素直に接地するので苦にはならない。
実際の走行で気付いたことだが、このスクーターはアップライトなポジションがいちばんしっくりくる。だいたいどの大排気量スクーターも、足をステップボード前方へ投げ出し、上体はやや後傾というのが一般的だ。しかしそのような乗り方をしてもイマイチ面白くない。逆に上体を直立よりも若干前傾させ、足はしっかりとステップボードの上へ載せる。アクセルの開度に対してあまり遅れることなくスス?っと前へ進むので、そのポジションの方が走らせ易い。つまりそれは機動性に優れ、スピーディに行動するということなので、フェイズは『結果としてスポーティな走り』になる。何か機能を加えてスポーツ性能や快適性能を上げようとせず、贅肉を削ぎ落とし、動力のブラッシュアップによって得られるフェイズの走りは、スクーターとしての機能性を追求したひとつの答えだと思う。
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