ホンダ フェイズ ABS
ホンダ フェイズ ABS

ホンダ フェイズ ABS – 快適な走行性能を追求するビッグスクーター

掲載日:2009年08月20日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

快適な走行性能を追求する
ホンダのビッグ・スクーター

ビッグ(中型以上)・スクーターは単なる原付スクーターの延長にある「大きな下駄」ではなく、積載性はもちろん、スポーツ性能やラグジュアリー性能をも備えた便利な乗り物、いわゆる高性能なコミューター、もしくはオートマの大柄なクルーザーという扱いに対して、個人的には違和感を覚えている。なぜなら「スクーターはスクーターらしくあって欲しい」からだ。

2009年7月10日に発売された『フェイズ』は、そんな天邪鬼な感覚にバッチリ応えてくれる250ccスクーターだ。フォルツァの水冷シングル・エンジンを搭載し、スタイリングはこれまでにない独創的なフォルム。奇をてらうものかと思いきや、よく見ればそのつくりには無駄を排除したベーシックなデザインが盛り込まれており、まるで既存のビッグ&ヨコ長スクーターを横目に鼻で笑う印象を受ける。「ついにビッグ・スクーターブームに新風を巻き起こす存在が登場したか!」と考えるのは自分だけだろうか…。

ホンダ フェイズ ABSの試乗インプレッション

ホンダ フェイズ ABSの画像

欲しかったのはこのサイズと走り
スクーターの正常進化モデルだ

フェイズを見たほとんどの人が「このデザインは…」、「このサスペンションは…」と、声を落とす。対して自分は「こ、このデザイン! このサスペンション! イイじゃん!」と、テンション上がりまくり。デザインは見た人の好みによるものなのであまり強く主張するつもりはないが、無駄に長く伸びた鼻っ面や、無駄に贅肉がついたボトムが主流の大排気量スクーターにウンザリしていた身としては、フェイズのスタイリングはとても魅力的だ。重量物がリアセクションに集中しているので、ほぼ垂直に設置されたツインサスペンションは理に適っていると思うし、ナイフで削ぎ落とされたかのようなフロントマスクは、スクーターの速度領域や機敏性を考慮すればロケットのように尖っている必要性も無い。購入の際の評価基準となるボディフォルムは、ライダーが跨ったときにスッポリと車体に納まる最低限のカウリングでカバーされる。またそのカウリングは外装・内装の境目が無く「目に見える全ての面がデザインされている」のだ。

ホンダ フェイズ ABSの画像

フェイズに搭載される排気量248ccの水冷シングル・エンジンは、若モノから年輩ライダーまで、高い人気を誇るフォルツァをベースとしたもの。発電系から排気系まで、フリクションや抵抗の見直しによって最高出力はフォルツァ比1kW(1.3PS前後)アップしている。250ccクラスの車両でこの差は結構大きいと思う。都内の渋滞路から高速道路を走ってみても、もっさりとした印象は薄く、カメラマンとのタンデム走行でもストレスなくスムーズに走る。「これ250ccだよね? ずいぶんよく走るねぇ」とはリアシートに鎮座していた磯部カメラマンの言葉。コンパクトで軽量な設計の車体にこのエンジンの組み合わせが効いているのだろう。フォルツァの力強く滑らかな出力特性のエンジンをブラッシュアップし、フレームを含む各パーツの簡素化によって軽量化を実現。結果、ABS装備でも非装備のフォルツァよりコストもスリム化されている。軽快なのは走りのみならず、取り回しもラク。このクラスにおいてはコストも割安だし、これぞ原付スクーターの先にある、正しいスクーターの姿だと思う。

ホンダ フェイズ ABSの特徴は次ページにて

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