

掲載日:2010年12月16日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
がらっと印象を変えたベストセラーモデル
その背景となるファクトリーの狙いとは
愛好家が多いスポーツスターの中でも、その足つき性の良さから高い人気を誇っていたベストセラーモデル XL883L(以下883 ロー)。88万3,000円という価格設定(2010年まで)もあって、初ハーレーというオーナーや女性ライダーから支持を得ていたモデルだが、2011年、グレードアップ版モデル「XL883L Super Low」(以下スーパーロー)として登場することとなった。現在の883ローのオーナーならひと目見ただけで「かなり変わったな」と分かるほどの変化を要した背景には、一体どんな思惑があるのか。ファクトリーの狙いを探る意味も含めて、試乗インプレッションを行った。
タンク容量アップに足まわりの強化と
大胆にグレードアップしたスーパーロー
改めて人気モデルであった883 ローの魅力をおさらいしてみよう。このモデルが世に登場したのは2005年で、それまでもっとも低い最低地上高のスポーツスターと言われていた XLH883 Hugger(119ミリ)よりもさらに8ミリも低く設定されていることで注目を集めた。その低さは小柄な人にも一定の足つき性を提供できる仕様となり、日本人、とりわけ女性ライダーから高い支持を誇る一台としてハーレーのラインナップ中でも確固たる地位を築いた。以降、XL1200L、XL1200N ナイトスター、XL883N アイアン とローダウンモデルの系譜は代々受け継がれ、その人気は不動のものとなっている。今回登場したスーパーローはそういった派生モデルではなく、ベース車両である883ローがブラッシュアップされたもの。一見しただけでもかなりの変更点があるのが伺えるが、まずはそのポイントをひとつずつ拾い出して、インプレッションを通じてその意味とファクトリーの狙いを探っていきたい。
まず真っ先に目を引くのがフューエルタンクだろう。1200ccモデルに採用されている新グラフィックが施された17リッターのタンクを標準装備とし、これまでになかった883モデルでの長距離航続を可能にしている。さらに足まわりに目を向けると、フロント18インチ/リア17インチというタイヤサイズとし、前後とも新設計となる5スポークキャストホイールを装着。タイヤ選びも抜かりなし、専用設計というミシュランのラジアルタイヤ「スコーチャー11」を装着。これまでの XL883L と違って足まわりがかなり強化されている。残念ながらスコーチャー11のフロントタイヤは120ミリとかなり太いことから(883ローだと100ミリ)フロントフォーク間の幅も広がり、専用のトリプルツリーで組まれる設計に。結果としてヘッドライトまわりが広がってしまい、バイクの顔とも言える部分が少々膨らんでしまっているのは残念なところ。このほか肩の高さほどで腕が水平になるアップライトハンドルバーを装備、高さこそアップしたものの、横から見ると腕が手前に来るようになり、肘にゆとりができてライディングに余裕を持たせられる。新設計という点で言えば、リアサスペンションとオリジナルのソロシートに注目したい。リアサスは883ローよりも0.6インチ(15.2ミリ)長くなり、シート高も643ミリと、ダウンどころか2ミリもアップしている。これらの内容をまとめると、スーパーローと聞いて「すごく低くなった883ロー」というわけではないことが伺える。では、改めてその「スーパーロー」の由来はどこにあるのだろう。これは乗って体感しながら探ってみるほかない。…この記事の続きをバージン・ハーレーで読む
価格(消費税込み) =
[モノトーンカラー] 94万8,000円
[ツートーンカラー] 97万9,000円
ローダウンモデルとして高い人気を誇ってきた883ローが走行性能をさらにグレードアップさせて再登場。
■サイズ = 全長2,215×全幅845×全高1,115mm
■ホイールベース = 1,500mm
■最低地上高 = 90mm
■加重時シート高 = 643mm
■ボア×ストローク = 76.2mm × 96.8mm
■最大トルク = 67Nm / 3,500rpm
■タンク容量 = 17.0L
■燃費 = 25.5km/L(ハイウェイ)/ 19.1km/L(市街地)
■エンジン = Evolution (インジェクション)
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