掲載日:2017年01月15日 特集記事&最新情報
取材協力/ワイズギア、ヤマハ発動機 文・写真/モトメンテナンス編集部
オイル&フィルター交換に際しては、エンジンオイルの他に、2ヶ所のオイルドレンワッシャーとオイルフィルターの蓋に使われる2つのOリング、そしてオイルフィルターが必要だ。いずれも純正部品を用意した。
1978年のデビュー以降、幾多の規制に対応してモデルを継続してきたヤマハのベストセラーSR400。今なお多くのファンを魅了し続けるのは、そのスタイリングだけでなく、ビッグシングルエンジンのフィーリングや、キックによるエンジン始動など、当時と変わらぬメカニズムを護りぬいてきた結果だろう。
そんなSR400は、オイルの潤滑方式に今では珍しくなったドライサンプを採用するため、交換方法も独特だ。具体的には、フレームのダウンチューブをオイルタンクとして使用するため、フィラーキャップはステムの後ろ側、燃料タンクとの隙間のフレームに位置する。また、ドレンボルトはフレームのオイルタンクとギアボックスの2箇所に存在する。確かに今のウェットサンプエンジンより交換の手間はかかるかもしれないが、慣れれば難しい作業では無いはずだ。
空冷ビッグシングルはエンジンオイルの果たす役割が少なくない。決して高回転型では無いが、70年代の設計だけにピストンリングとシリンダーの密封作用、空冷エンジンに必要な高温下のせん断安定性や油膜保持性など、必要とされる性能は多岐にわたる。現在はSR登場時とは比較にならないほど高性能なオイルが存在する。適切な交換で末永くエンジンの好調を保つことができるはずだ。
オイル&フィルター交換に際しては、エンジンオイルの他に、2ヶ所のオイルドレンワッシャーとオイルフィルターの蓋に使われる2つのOリング、そしてオイルフィルターが必要だ。いずれも純正部品を用意した。
メーカー希望小売価格 55万800円(税込)
最大トルクを5,500回転で発生するSR。トルクフルなエンジンの性質上、常用回転数はもっと低いので、超高性能の低粘度化学合成油よりは一般的な10W-40か15W-50程度のオイルが適している。オイル量はフィルターと同時交換で2.1L。オイルのみなら2.0L。交換は3,000kmごとが指定だ。
まずは、センタースタンドの根元近くに位置するギアボックスのドレンボルトを抜き取る。奥まっていてレンチの振り角が取れないので、短めのメガネレンチが便利だ。
オイルはセンタースタンドの二本の足の間から落ちるので、受けをセットして地面にこぼさないようにキャッチする。こちらのドレンからはそれほど多く出てこない。
ドレンボルトはネジ山を綺麗にして、ワッシャーを新品に交換する。新旧を比べると、完全につぶれている。締め付け時は、このワッシャーがつぶれる感覚がある。
フレームダウンチューブのドレンを緩める際は、アンダーガードを外すことで流れ出たオイルが隙間に入り込むのを防げる。ボルト3本で簡単に外すことができる。
さらにドレン下側にガムテープなどでベロを作っておくと良い。オイルが勢い良く排出されるので、フロントタイヤのトレッド面にダンボールなどを立てかけておこう。
養生しないと水鉄砲よろしくオイルが飛び出て、フロントタイヤにオイルがかかってしまう。掃除が大変だし、オイルで滑って転倒に繋がるので注意したい。
やがて排出されるオイルの勢いが無くなり、フレームを伝うことになる。すると、先のガムテープが効果を発揮。作業前のひと手間で面倒な掃除を免れることができる。
オイルフィルターを交換する。エンジン右側カバーに3本のボルトで留められている蓋の中にフィルターがある。汚れないようにエキパイを養生しておいた。
オイルフィルターの蓋をパーツクリーナーで綺麗に洗浄した後、組み込まれる2つのOリングを新品に交換。Oリングにはグリスかエンジンオイルを塗布しよう。
フィルターケース内には汚れが溜まっているので、内部をウエスで綺麗に拭ってから新しいフィルターを組み込む。フィルターには向きがあるので、誤組みに注意。
フィラーキャップはステムの後ろ側に位置している。オイル注入時は500ccのペットボトルを半分に切ったじょうごが便利。こぼすとフレームを伝うので、掃除が面倒だ。
規定量を入れたらエンジン始動し、その後オイル量を再確認する。オイルタンクからエンジンに回って、オイル量が低下するはずだ。減った分を補充して作業は完了。
年式によって多少の差異はあるが、前側のドレンを緩めるのに10mmのメガネレンチ、後ろ側のドレンは17mmが必要だ。アンダーガードは10mmソケットレンチを使う。オイルフィルターの蓋は5mmのヘックス頭のボルトが使われる。
街乗りからツーリングまで、シーンを選ばず、長期間安定して油膜を保持し、せん断性能を発揮。エンジン内部部品の摩耗を抑制し、良好なシフトタッチを保つ。MotoGPからフィードバックされたテクノロジーが投入されている。
◎1,998円(税込)/1L ◎7,128円(税込)/4L
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