掲載日:2025年06月24日 プロが造るカスタム
取材協力/PIT IN AUTO
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターのカスタムの方向性は多岐に渡るが、基本は、ハンドルカバーの取り外し、スクリーンのカット。そして、ローダウンとマフラー変更というライトカスタムが始まりである。その後、エアロというカスタムパーツが生まれたことで、その方向性は一気に進化していった。その最初のきっかけを、ユーザーに対してリーズナブルに提供する。プロショップの優しさが詰まったアイデアが、ブーム最盛期に各店から販売されていたコンプリートカスタムだ。
使われることなく外されてしまういくつかのノーマルパーツたち。それならば、最初からカスタムパーツを装着することで、ムダな費用を払わずに済む。新車時ですでにライトカスタムが施されている車両は、あの時代のビッグスクータービギナーにとっては、とてもありがたい内容だった。
このホンダ・フォルツァ(MF10)は、ピットインオートが当時手掛けていたコンプリート車だ。フロントフェイス、マフラー、ハンドル回り、シートが変更されており、ステップボードとホイールはメッキ化。エアクリーナーとインナーカウルもペイントされているが、カスタムの手数としては明らかに少ない。しかし、フォルツァのラグジュアリー感を底上げし、充分な存在感が演出されている。
数々の車両を手掛けてきた同店のセンスと、財布を握りしめながら、憧れのカスタムに思いを馳せるユーザー目線。ポイントを抑えることで、カスタム車として充分魅力的なスタイルを獲得し、かつ手が届きやすい値段設定で乗り手を満足させる。これを高いレベルで成立させていたのが、ピットインオートだったのだ。
スーパーカーのエアスクープを連想させるダクトデザインが特徴的。チョップフェイスが流行する前の、スクリーンレスデザインが新鮮だ。
フロントフォークのアウターやホイールは、煌びやかなフルメッキ加工が施されている。この質感の高さも、同店のコンプリートカスタムの特徴のひとつだった。
プーリーやエアクリーナーカバーは、スムージング塗装が施されている。定番のメッキ化ではなく、ブラックアウトすることで車両全体の雰囲気にメリハリをつけている。
ピットインオートのコンプリートと言えば、このMAC MRD製EVR-003マフラーが定番だった。性能とルックスを両立させてくれる信頼あるブランド選びが、妥協を許さない同店のこだわり
ハンドル、ポスト、ミラーはメッキパーツで統一。オールメッキではなくポイントを絞ることで、必要以上のコストを使うことなく、ラグジュアリー感の演出に成功した一例だ
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