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ポツダム免許ってなんだ、・・??

2016年08月12日 16:36 グー!(7)|コメント(0)

米国では太平洋戦争前からモータリゼーションが進み、誰もが車を運転することができ、車が当たり前のように使われていた。当時の日本では自動車の運転免許所持者などと言うのはごく少数で大部分は車を見たこともなければ触れたこともないと言った状態だったそうだ。


だから戦争が始まってパイロットの大量養成が必要になっても米国では誰もが車くらい運転するので飛行機にもすぐに馴染んで取り組めるのにまともな機械など何一つない日本の農村出身の若者にはまず何よりも機械に慣れさせることから始めなければならなかったそうだ。


大陸国家では移動距離が長いので移動には何よりも機械力が必要になるが、日本ではほんの百年ちょっと前までは移動の主な手段は人間の足だった。日本のモータリゼーションなどはせいぜいこの50年ほどでまだまだ始まったばかりなのだが、もうすでに飽和し始めた感がある。


日本の運転免許は規制と緩和の繰り返しでまともなしっかりした土壌が育たない。特に自動二輪車の免許などは1960年までは自動二輪車の免許は250cc以上の二輪車を言い、軽免許の上位免許として360cc以下の軽三輪車と軽四輪車を運転できたそうだ。


1965年、(昭和40年)9月1日に軽免許(二輪車は250cc以下、三輪車と四輪車は360cc以下)が廃止されて二輪免許の区分が50cc超に変更されたことに伴い、この時点で小型特殊免許と原動機付自転車免許以外の運転免許(軽免許を含む)を保有していた者に付帯免許として与えられた。それを「ポツダム免許」と言ったらしい。そのため、現在68歳以上の人の中にはオートバイの乗車経験が無くても大型自動二輪免許を持っている方がいる。


その後、バイク事故が増加したり、暴走族が社会問題化したりして、1975年(昭和50年)より、運転免許試験場での技能試験または自動二輪免許(中型限定)からの限定解除審査合格者のみに交付された(いわゆる「一発試験」)。しかし、その合格者数は概ね全受験者の1%であったため「司法試験より難しい」と揶揄されるほどの難関だったようだ。まあ、落とすための試験だけど誰も合格しないのでは制度上まずいのでほんのごく一部のみを合格させていたようだ。


その後、ハーレーなど外国メーカーからの外圧を受けて規制が緩和され、1996年(平成8年)から教習所で大型二輪免許が取得できるようになり、大型二輪免許取得者が飛躍的に増加した。何度も書いたが、原付の制限速度30キロは「ばたばた(正式には「モペット」と言うらしい)」という自転車に小型の原動機を付けた乗り物の最高速度として1950年代に設定されたものだし、大型二輪のAT限定は2005年(平成17年)6月より二輪免許にもオートマチック限定免許が設定され、400ccを超えるAT自動二輪車は大型二輪免許のAT限定を取得すれば乗ることができるようになった。


しかし、1977年(昭和52年)4月21日に発売されたホンダEARA(エアラ)を例外とすると新設当時には650ccを超えるオートマチック車両が日本国内で販売されていなかったことから、大型二輪免許のAT限定には650cc以下に排気量が限定されて2016年現在まで至っている。現在販売されている650ccを超えるAT車のオートバイを運転するためには、AT限定を解除する限定解除審査に合格する必要がある。


こんなものも場当たり的な改正でとっとと650ccを解除すればいいのだが、「原付の最高速度もATの排気量も緩和して事故が増えたりしたらどうするんだ」と言うことになって(?)手つかずのままになっている。二輪はすべて実技教習を義務付けたうえで小型(250まで)、中型(750まで)、大型(制限なし)とすればいいと思うが、そうすると原付で食っているメーカーから泣きが入るだろうか。


お上の本音は、「事故が起こるから車やバイクなど乗ってくれるな」なんだろうけど、そういうわけにもいかないのでああだこうだとやっているのだろう。最近の大型、中型、準中型、普通など四輪の免許区分などまことにバカげている。運輸業界からの要望なのかどうかは知らんが、若い子が大きいトラックを運転できないと言うならそれは企業努力で対応すればいいことだ。


でもお上にしても、「免許を細分化してそれなりの教習を行えば事故が減るかも、・・。」ということで同床異夢とは言え、目的が合致したのかもしれない。まあ、こんな具合で運転免許制度もあっちへふらふら、こっちへふらふらだからインフラなんか発達するわけもない。それでもお上の頭の中には、「交通事故死者年間3000人以下」が金字塔のようにそびえているのかもしれない。

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