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自立するホンダのバイク技術、大反響にホンダ自身が驚く。

2017年01月18日 13:39 グー!(17)|コメント(0)

2輪なのに立ってる、どうして!?

3点で平面を決定する、というのは世の中の常識。2輪車はこいでないとバランスを崩して倒れちゃうから足をついて3点にするわけですが、なんと2輪のまま静止できる二輪車がCESでホンダから登場しました。実はジャイロを使えば倒れず静止することは可能です。代表的なジャイロを使ったものといえば地球ゴマですね。ところが、地球ゴマを見てわかるようにジャイロはそれなりの質量をもったものが高速回転して初めて成り立つため、二輪車に適用するのはちょっと無理。しかもこのバイク、どっからどうみても普通のバイクっぽい。じゃあどうやっているの?その魔法はフロント部にありました。


復元力をどう作るか

二輪車の前輪は通常寝ており(キャンバー角)、キャンバーの先の仮想接地点から実際のタイヤの接地点が後ろ側になる、トレールがポジティブの状態です。これは直進安定性を高めるための仕組みで、駆動力をかけると前輪はまっすぐになり車体は安定します。またステアリングを切り込むと車体も倒れ、傾けてコーナリングをするバイクの自然なハンドリングを楽しめます。ショッピングカートの車輪をイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。今回Hondaが着目したのはこのトレールを逆にネガティブにすること。この状態にするとハンドルを動かすと逆に車体を起こす力「復元力」が生まれたのです。そうなったらもうこっちのもの。HondaにはASIMOやUNI-CUB(ユニカブ)で培った姿勢安定制御技術があるので、復元力さえ生み出せればあとは同様の装置で姿勢を安定させるだけです。


ネガティブトレールをどう作るか

とはいえ、バイクとして楽しく走るにはトレールはポジティブでなければならないわけです。しかもハンドルをモーターで勝手に制御したらバイクの持つ素直なハンドリングを楽しめなくなってしまいます。ということで切り替え方式を発案。通常走行時は普通のバイクと同じくステアリングはハンドルと直結、ダイレクトでナチュラルなハンドリングを楽しめますが、極低速時はフロントフォークがハンドルから切り離されると同時にホイールベースを伸ばし、トレールをネガティブにしました。ハンドルから物理的に分離されたステアリングはステアバイワイヤとして、車体に内蔵されたサーボモーターでコンピュータ制御、自立するというわけです。もちろんこの時もライダーのハンドル操作に反応し、操作することは可能。


どこで使えるのか

想定しているシチュエーションは3km/h程度の極低速時の取り回し、車庫入れや停止直前時など。初心者や筋力に自信がないライダー、背の低い女性など弱者救済のためのシステムです。つまりストレスをなくし、バイクのもつ操る感覚、楽しみを際立たせようというのが狙い。ステアバイワイヤだ、自立だ、というとシステムがすべての領域で介入してハンドリングをスポイルしそうに思いますが、ご安心ください。極低速時以外はいたって普通のバイクです。だから無理な運転すれば当然コケますし、自立しているときも無茶すれば倒れます。あくまでも補助的な機能、だから「Riding Assist」という名前なのですね。


市販化はいつ、どうなの
あまりもの周りの反響にもっとも驚いているのがHonda。

「面白い技術だからちょっと見てみて、どうどう?」

みたいな軽い気持ちでCESに展示したそうで、実際にいつ、どんな車種に対応するかはまったくの未定。今回ベースとなったバイクはNC750Sですが、これは「たまたま」なだけで特にリリース予定は現時点ではありません。


またデモンストレーションでは自動でステージに移動していったり、ライダーの後をついてきたりしましたがこれはわかりやすくするためのショーであり、市販の際にこの機能がつくかどうかもわからないとのこと。


このシステムのいいところは後ろ半分、バイクの本体は生産モデルをそのまま流用できる点。フロントフォーク、ステム部分だけ付け替えればできちゃうところ。だからヨーロピアン、アメリカン、レーサーなどタイプを問いません。デモで自走するときはフロントハブに内蔵したモーターで駆動しているということで、エンジンは使っていませんでした。実際にはエンジンを使うことになるとすると、エンストしない程度の速度で走行することになるんでしょうね。まあエンストしてもすぐに立ちゴケしないのは安心感があります。


とにかく市販化されるかどうかすべては我々の反応にかかっているということで、まわりが盛り上げていって市販化にこぎつけたいですね。だってこれがあれば、足が届かない大きめのバイク、重いバイクだって乗れるんですよ。選択肢が広がるじゃないですか。もちろん初心者が苦手な一本橋のような状況だって、プレッシャーになりません。そういう意味でまさに二輪車の革命的技術。Honda Riding Assistの市販化に大期待です。

http://www.msn.com/ja-jp/autos/news/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%81%AE%E5%80%92%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%8C%E8%BC%AA%E8%BB%8A%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%AB%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%80%82%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%A9%B3%E7%B4%B0%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AB%E8%BF%AB%E3%82%8B/ar-AAlU5I0?li=BBdCoP0&ocid=spartanntp

ネガティブトレールの状態でステアリングを動かすと復元力が生じるという原理を使って後はアシモなどのロボット開発で培った制御技術を使ってバイクを安定させるんだそうだ。何となく分かったような分からないような、・・。記事には写真があるのでそちらを見てほしい。そう言えば動画ではバイクがぐっと沈み込む場面があったが、あれでフロントフォークをステアリングから切り離してネガティブトレールの状態を作っているんだろう。この機能は低速でのみ作動するので通常走行では普通のバイクだそうだ。この自立機能はフロント部のみで作動させることができるのでどんなバイクにも取り付け可能とのこと、またライダーの後をついていく機能は自立機能をアピールするためのショウであり、自立機能と合わせて実際にこうした機能を実用化するかどうかは全くの未定とのことだが、バイクが自立するだけでもびっくりなのにさらには自分でライダーを探しながら後を追いかけていくなんて極めて感動的ではある。ホンダ自身、反響の大きさに驚いているそうだが、あれを見せられれば普通は感動するだろう。何かの記事にバイクと一緒に散策できるなんて言うのがあったが、それってバイクの領域を逸脱していないか。それにしても楽しい技術ではある。

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