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二輪教習も結構繁盛しているようだ。営業ではないので正確な数は知らないし、教習所が儲かろうが儲かるまいが知ったことではないのだが、二輪の勧誘だけはしてやっている。もっともそれは教習所のためと言うよりはライダーのためと言った方が良いかもしれない。


バイクが好きでバイクを志したのなら一度は大型のバイクに乗ってみるべきだと思う。第一、普通二輪とは世界が違う。高齢の方も結構多い。65歳でハーレーに乗りたいと入校してきた方やそそのかしたらその気になって大型二輪を取得した60代の方、その方は一本橋を6秒で通過して検定員が、「大型二輪で6秒はまずいです」と言ったものの合格点に達していたので合格してしまったが、いろいろな方がいる。


20歳前後の若い人も、「大型もそのうちに取ろうと思っていますけど、・・」とそんなもの若いんだから何時でも取れるし、いくらでも乗れるみたいに余裕をかましているので、「お前な、これから先いくらでもバイクなんか乗れると思っているだろう。でもな、それは大きな間違いだ。お前がな、実業家で年収が何千万もあればそりゃあいいかもしれない。でもな、普通の勤め人で結婚して何の役にも立たないただ金を食うだけの大型バイクなんか乗っていたら、奥さんに『離婚するぞ』と脅かされるぞ。


まして子供でもできた日にはバイクを降りなければある日突然奥さんも子供も消えているぞ。そして次にバイクに乗れるのは子供が手を離れた50代の後半、生活にも余裕ができてバイクでも乗ってみるかと、・・。それでも60歳を過ぎてバイクなんかに乗っていると子供に、『お父さん、何時までバイクなんか乗っているのよ。危ないでしょう。事故でも起こしたらどうするの』と言われてキーを取り上げられてバイクライフは終わるんだ。実際にそういう人がたくさんいるんだぞ」と言ってやる。


そうすると困ったような不安そうな顔になる。頭の中で自分の人生が展開するのだろう。そして、「今、学生でお金がないんで、できるだけ早くお金を貯めて大型二輪を取ります。」あるいは「仕事の合間に時間を見つけて大型二輪を取ります。どうすればいいんですか」と言う。


そこで「まず普通二輪免許を取れ。そうすれば申し込みはできる。そしてできるだけ早く免許を書き換えてくれば教習ができる。頑張れば1ヶ月くらいで免許が取れるから大型二輪免許を取ってからバイクを買った方が良い。そうすればどんなバイクでも好きなのを選べる。小さいバイクなんかいくら乗ってもでかいバイクに乗れるようになるわけじゃない。あの大きさと重さとパワーに慣れないと大きいバイクには乗れない。」と言う。そうすると「分かりました。頑張ります」と言って大型二輪の教習を受ける。


これでもう30人くらい大型二輪の世界に引きずり込んでやった。まあ引きずり込んでも教習所が金をくれるわけじゃないけど、でも、どんなバイクもそれなりによさはあるけど、やっぱり大型二輪はいいよなあ。世界が違う。