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大型二輪の教習を受けている女性が、「転倒ばかりしている」と言う。理由を聞くと、「８の字走行中に『止まれ』と言われるので止まろうとすると転倒する」と言う。ステアリングを中立に戻してバイクを垂直に立てないのかと聞くと、「止まれと言われるのでその場で止まろうとすると転倒する」と嘆いている。そりゃ、バイクを斜めに傾けたままで止まろうとすれば転倒するだろう。


ＣＢ７５０は２５０キロもある鉄の塊なんだから、・・。止まれと言われたらバイクを立てて止まれる態勢にしないと転倒するだろうと言うと、「そうなんですか」と怪訝な顔をする。


バイクと言うやつはどうして転倒するんだろう。そう言えば教習中は転倒しなかったが、一人で乗るようになってからはずい分とこけた。走行中の転倒はないが、いわゆる立ちごけは何度もある。


一番ひどかったのは昨年敦賀で寺の石畳の上でこけた時でディーラーに見積もらせたら１５万と言われたので１か月かけて自力で何とかした。よく見れば分かるが、何となく目立たないようにはなっている。


バイクは速度を落とすと倒れる。速度を出し過ぎても激突して倒れる。最近は小回りする時は速度を落とさないで気合を入れてバイクを倒し込んでアクセルを回すので倒れなくなった。でも何だか訳も分からずに倒れることがある。バイクが拗ねているんだろうか。


そんなこんなでバイクを起こすのはうまくなった。燃料満タンだと３００キロ近いスーパーボルドールでも、「よっこらしょっと、・・。」で簡単に起こせる。キズも何種類かのやすりで形を整えながら削って耐水ペーパーで整えて上から似たような色のタッチペイントでごまかす。場合によってはパテを盛って乾いてから成型する。遠目にはそれとは分からなくなる程度の修復術も会得した。


３００キロの鉄の塊なんぞちょっと傾いたら人間の足くらいではどうにもならない。あの倒れる時の何とも言えない嫌な感じ、「お、おい、ちょっと待て。なんで倒れるんだ。待ってくれえ、・・」でガチャン、・・。全身から力が抜けて出るのはため息ばかり、・・。しばらく路上に寝転がったバイクを呆然と眺めながら、何とか気を取り直して、よっこらしょっと起こしてキズを確認する。あの深い脱力感、・・。


倒れないバイクってないのかと思いつつも倒れないバイクがあったらそれはバイクとは言わないだろう。そう言えば一定以下に速度が落ちると補助輪が出てくるバイクもあるとか、・・。


今日もコースで何台もこけていた。うちの指導員もこけることがある。言う言わないは別にしても皆さん結構こけているんだろうなあ。バイクはねえ、遅くても速くても倒れるものです。そして何の理由もなく倒れることも、・・。宿命ですからねえ、二輪車の、・・。めげずに頑張りましょう。