掲載日:2025年04月28日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
セローやDT200とは違う、これまでになかった“アドベンチャートレール”として登場。XT200系のエンジンにスリムなボディにフロント130/80-18、リア180/80-14という超ファットタイヤを履いていることが特徴だった。
メーターバイザー、アップマフラー、ブロックタイヤなど、オフロードを走るために生まれてきたバイクで、冒険家風間深志さんが史上初バイクで北極点到達へ挑んだバイクとしても知られている(大幅に改造されているが…)。
一方、一般ユーザーは「この極太タイヤで、どこを走ればいいの?」という感じだったらしく、思うように販売台数は延びなかった。このまま静かにラインナップから消えて行くのかな…と思っていたら、数年後にまさかのことが起きた。“渋カジ”など、ストリートカルチャー全盛の90年代。カスタムビルダーたちがTWが持つ手軽なサイズと価格、シンプルな構造、個性的な極太タイヤなどに注目、ストリート系バイクのカスタムベース車両として目を付けるようになったのだ。
TWのサイドカバーやバッテリーを外してスカスカにする『スカチューン』、リアのスイングアームをグーンと伸ばす『ロンスイ』などが流行、ビルダーによってTWはアドベンチャーとは真逆のオシャレバイクへ大変身。カスタムTWは大流行、ストリートファッションの一部となっていった。さらにテレビドラマの主人公の愛車になったことで注目度UP。TWはストリートカルチャーを象徴する存在となった。
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