掲載日:2026年05月15日 プロが造るカスタム
取材協力/WHITE HOUSE 取材・写真・文/ガスグラフィックス

流行というムーブメントは、有名無名を問わず、全国の2輪と4輪のショップやメーカーがビッグスクーターというジャンルのカスタマイズに挑む大きなきっかけとなったことは間違いない。そんな時代に誕生した数多ある有名車両の中でも、後世に語り継ぎたいフュージョンをご紹介しよう。
製作ショップは、埼玉県和光市で営業を続けるホワイトハウスだ。同店は現在でも様々なカスタムを手掛けているが、今から20年ほど前となるビッグスクーターが流行したあの時代に、“moda(モーダ)”というビッグスクーター専用エアロブランドを展開していたのだ。様々なスタイルが生まれるビッグスクーターの世界で、近未来をイメージしたデザインは唯一無二。「所有感を満たすプレミアムスクーター」というブランドテーマのもと、エアロを装着することでユーザーが好むロー&ロング&ワイド感と、未来派コミュータースタイルを両立させた異色のデザインが特徴だった。

ホンダ・フュージョンは1986年4月に最初期モデルが登場し1997年に生産を終了。しかし、ビッグスクーターブームの影響で中古市場の人気が再燃したことで、2003年に再び生産が開始された。その後2007年に2回目の生産終了を迎えるという、珍しい歴史を持つ。この“moda”が展開された時代から考えても、決して新しいデザインではなかったフュージョンに、独創的なチョップドバイザー、フラットノーズ、サイドカウルセット、リアトランクスポイラー、インナーセンターカバー、テールランプガーニッシュという各エアロと、各部のワンオフ加工を加えてこのスタイルを完成。これがコンプリート車両という仕様となり、約180万円という価格で販売されていたのだった。
これまで様々なスタイルのビッグスクーターカスタムをここで紹介してきたが、この“moda”が表現した近未来的デザインの車両の存在は皆無。これを20年前に実現していたホワイトハウスの先進性は、その当時から誰も追随できない領域にあったのだと今さらながら実感する車両だ。

フロントに装着したホワイトハウスのオリジナルエアロは、チョップドバイザーとフラットノーズの2点。ノーマルではスリット入りダクトが特徴だが、それをスムージングして前部にダクトが追加されている。ミラーも、ビタロー二のベビーターボ風をカウルに直付けしているのがポイント。

ノーズ下部はサイドカウルと一体化されている。ダクトはノーズと同デザインで、ボディ下部をワイド化することで、細身のイメージが強いフュージョンにボリュームを持たせた。

サスペンションとフロントチューブが別体となるフュージョン独特の構造を、オリジナルカバーをあしらうことで車両全体のイメージを統一している。

リアカウルのサイドアンダー部もダクトを追加した流麗デザインのエアロを装着。ボリュームを持たせるだけではなく、未来的デザインを思わせる匠みなボディワークが印象的。

テールランプにはガーニッシュを装着。この1枚のプレートのみでイメージが刷新されており、スクーターの外装デザインの概念を覆したアイデア品だった。

ノーマルはシンプルなボックス形状だが、トランクスポイラーを追加したデザインでリア回りにさらなる一体感をもたらしている。

ステップボードもホワイトハウス製のオリジナルパーツを用意。社外品のメッキステンレスや純正のラバーとは一線を画すバーリングタイプの高級感溢れる質感に驚愕した。なおブレーキペダルも同様のバーリングデザインを採用した同店オリジナルパーツとなる。

インナーのセンター部にはオリジナルで製作したスピーカーが装着されていた。“moda”としてのイメージを確立するため、ここまで徹底した専用設計がされたスクーター用オーディオ機器は他に見当たらない。

ハンドルもホワイトハウス製のセパレートハンドルとポスト、ライザーを組み合わせている。ビッグスクーターシーンにおいて何気にファンが多いセパレートハンドルタイプは、フュージョンにもよく似合う。

“moda”らしさを追求するため、純正のマフラーエンドも楕円形状に加工している。細部に至るまでの徹底したこだわりが、“moda”の完成度を極限まで高めていたのだ。

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