掲載日:2026年09月06日 購入基礎知識 › バイク購入基礎知識
取材・文/小松 男


今月も買取ランキングの首位はPCXでした。
実は先日、バイクブロス・マガジンズで現行PCXのインプレッション記事を製作し、改めてじっくり乗る機会がありました。
そこで感じたのが、「なるほど、これだけ売れるわけだ」という、ものすごくシンプルな納得感でした。
PCXは街中では扱いやすく、余裕があり、燃費も良い。荷物を積めて、日常の足としても使える。そのうえデザインや質感も高い。
つまり、「毎日使える」と「ちょっと所有欲を満たしてくれる」のバランスが、とにかく絶妙なのです。
実際に街には、現行型だけではなく、少し前の世代、そのまた前の世代までPCXが普通に走っています。これだけ長い期間にわたって販売され、世代を重ねてきたのだから、中古市場に車両が豊富なのも当然です。
これだけ継続的に買取市場へ出てくるということは、それだけ多くの人が所有し、使い、そして次のバイクへ乗り換える際にも選択肢として動いているということ。
世界中でPCXが受け入れられているのも、決して不思議ではありません。
もはやPCXは「ランキング上位のバイク」というより、ひとつの基準になりつつあるのかもしれません。

レブル250が今月の2位にランクイン。
このバイクについては、「人気がある」という言葉だけでは少し物足りません。
レブル250が登場したのは2017年。以来、250ccクラスを代表するモデルとして長く愛され続けています。
街中で見かける機会も多いし、中古車を探してみても車両が見つかりやすい。これって実は、ものすごく重要なことです。
なぜなら、人気車でも流通台数が少なければ、中古車市場では「欲しいけどタマがない」ということになります。その点、レブル250は新車時代から販売台数を積み重ねてきたことで、現在の中古市場にも幅広い年式・状態の車両が存在します。
そして、250ccというサイズ感も絶妙です。
車検がなく、維持費を抑えやすい。取り回しもしやすい。それでいて、ただの実用車ではなく、ちゃんと「バイクに乗っている感」がある。
さらに中古市場での人気を考えれば、手放すときのリセールバリューにも期待しやすいモデルです。
「買いやすい」「乗りやすい」「売りやすい」。
この三拍子がそろっているからこそ、これだけ長く市場の中心に居続けられる。
8月にレブル250を手放した人も、もしかすると次の一台へステップアップしたのかもしれませんね。

8月の買取ランキングにおいて3位に躍り出たADV160。
このモデルを見ると、7月に5位へ入ったPCX160のことも思い出します。
ADV160とPCX160は、ともに160ccクラスの水冷単気筒エンジンを搭載するホンダの兄弟モデル。基本的な動力性能を共有しながら、ADV160はSUV的なスタイルと足まわりを与えられ、PCXとは違ったキャラクターを持っています。
つまり、「PCXよりも、ちょっと個性的なモデルに乗りたい」という人にとって、ADV160はなかなか魅力的な存在です。
街中ではこの上なく便利で、休日には高速を使い、ちょっと遠くまで行ってみたくなる。さらに舗装路だけでなく、多少荒れた道にも対応できる。そんな「日常+遊び」のバランスが、このバイクの面白いところでしょう。
ADV160そのものの人気が高まっていることはもちろんですが、最近はこのクラスは、ライバルがひしめき合っています。
ガチンコのライバルというわけではなくても、「こっちも面白そうだな」と思わせる選択肢が増えれば、乗り換えを考えるきっかけにはなる。
長く乗ったADV160から別のモデルへ。
あるいは、ADV160が欲しくなって手持ちのスクーターを売却する。
今回ランクインしたのも、そんな「次の一台」を探す人たちの存在もありそうです。

今回の買取ランキングで4位となったMT-09。
実はこのモデル、今回が初登場ではありません。
2026年1月のランキングでも3位に入っており、今年に入ってからすでに一度、買取市場を賑わせています。
しかしMT-09というモデルの歴史を考えれば、再びランクインしてきても、さほど不思議ではありません。
初代が登場したのは2014年。846ccの3気筒エンジンと軽量な車体を組み合わせたMT-09は、当時の大型バイクとしてはかなり個性的な存在でした。ヤマハ自身も「日常の速度域で楽しめるスポーツ性能」を大きなテーマとして掲げていました。
実際、2014年には251cc以上の国内モデルで年間販売台数トップとなる2556台を記録。初代MT-09は、かなりのスマッシュヒットモデルだったのです。
それから12年が経った現在、中古市場でも見かける台数が多いことは当然にも思えます。
長い期間にわたって大量の車両が市場へ送り出されてきたモデルだからこそ、時間の経過とともに中古市場へ戻ってくる車両も増えていく。
これもまた、人気モデルならではの現象です。
3気筒エンジン、軽量な車体、個性的なスタイルというキャラクターは、初代から現在までしっかり受け継がれており、どの世代のモデルを見ても古さを感じさせません。
「昔欲しかったけど買えなかった」という人が中古車を探してみるのも面白い。
今回のランキングは、売る側だけでなく、買う側にも気になる数字なのではないでしょうか。

8月の買取ランキングにおいて5位はGSX250Rという結果でした。
GSX250Rが登場したのは2017年。YZF-R25やNinja 250、CBR250RRといった強力なライバルがひしめく250ccフルカウルスポーツ市場へ、スズキが送り込んだモデルです。
当時のメーカー希望小売価格は52万7040円。250ccフルカウルスポーツとしては比較的手を出しやすい価格設定でした。
もちろん魅力は価格だけではありません。
まず、見た目がカッコいい。
GSX-Rシリーズを思わせるフルカウルスタイルは、いかにも「スポーツバイク」という雰囲気があります。それでいてエンジンは扱いやすく、250ccらしい身近さも持っている。
つまり『カッコいい。乗りやすい。そして、買いやすい』この三段構えです。
250ccのフルカウルスポーツは、街中を流してもいいし、ツーリングに出てもいい。15Lの燃料タンクを備え、長距離にも対応しやすいキャラクターです。
だからこそ、初心者が最初の一台として選ぶのもわかるし、久しぶりにバイクへ戻ってきた人が「これくらいがちょうどいい」と選ぶのもわかる。
GSX250R、実は中古市場でかなり面白いところにいるのかもしれません。








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