掲載日:2009年07月24日 ツーリング情報局 › 九州エリア
このコンテンツはBMW BIKES Vol.42 掲載(2008年3月15日発売)の『BBC Report』を再編集したものです。
陸の孤島
『人吉』をさるく
山々を白くした年明けの積雪も、数日の晴れ続きでようやく解け出し、深く険しい山道も走れるようになりました。そんなわけで、熊本の南方の山中を走ってま~す。そして、目指すは『人吉』です。人吉は、九州の小京都と呼ばれ、温泉の町、焼酎の町、伝統工芸の町。昔々の大昔は、球磨川だけが唯一の交通ルートで、陸の孤島と呼ばれていた、そんな街です。
山中の県道は、ところどころ日陰に雪が残り、轍しか走れない道もありましたが難なくクリア。スムーズに人吉へ到着しました。さすがGSですよね。昼過ぎだったんで、学生の時によく行った餃子屋『思いつきの店』に向かいました。ここは、仲睦ましいおじいちゃんおばあちゃんが切り盛りしている餃子屋で、メニューは荒みじん切りした野菜のみのヘルシー餃子だけ。1人前7個入り200円ばってん、誰もが5人前(大皿1皿分)をぺろりといっちゃいますよ。ただ、ごはんは持参して下さいね!
そしてそのお隣には、また味のある佇まいの『新温泉』。75年くらい歴史があって、古い壁には球磨川の洪水(球磨地方は洪水が多発していたのです!)の後がくっきりと! 脱衣所には、着替えを入れるカゴと体重計とぶら下がりマシーンしかなく、お風呂場にも浴槽2つ。なんともシンプル。でも、それがいいんですよね~!
おなかも満腹、体もぽっかぽかで落ち着いたあとは、ぜひ訪れてみたかった人吉の情緒あふれる街並み、鍛冶屋町へ足を運びました。ここは工芸店が軒を並べる通り。人吉が陸の孤島と呼ばれていたころ、この通りに鍛冶屋が66件もあったのが由来だそうです。
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| 入浴300円。風情を楽しむ温泉です♪ ぶら下がりマシーンが懐かしい。 刃物って、なぜか興味が湧いてしまいます。店主蓑田さんは、いい味出してるおじさんです。1週間に60本作るそうな! |
1件目は、その中の鍛冶屋さん。今回は500年の歴史を持つ『正光刃物』さんに行ってきました。十七代目の蓑田正次さんは、人吉を代表する鍛冶職人。合金を使った包丁は、錆びずに切れ味が保ついい包丁だと近所でも人気だとか。そして、2件目は味噌・醤油蔵が見学できる『釜田醸造所』。100mも続く倉には、醤油樽や味噌を寝かす石造りの室があり、桜の木で造られた80年ものの工場は趣が感じられます。もちろん店頭販売もしており、お土産に自慢の醤油を使った佃煮を買って帰りました!
とても一日では回りきれない人吉。帰りの球磨川に映る夕陽は印象的でしたが、焼酎、陶芸、ガラス細工など、まだまだ見どころがたくさん。さすがに全部は見て回れず、あ~残念です。せっかくなら球磨川沿いに立ち並ぶ旅館に立ち寄って、ゆっくり街中をさるきたかったですね。
釜田醸造所 |
| 試食の佃煮とお茶だけでも満足です♪日本人に欠かせない調味料、こんなとこで買いたいですよね。醸造所でしか販売していないものもありますよ。ぜひ出来たてを! |
思いつきの店 |
| 餃子1人前(7個入り)200円。写真のボリュームで1000円!こんな量でもペロッと入ります♪おなかを空かせて行ってみてくださいね! |
スポット紹介
人吉温泉 新温泉
住所/熊本県人吉市紺屋町80
電話/0966-22-2020
営業時間/8時~9時、13時~22時
定休日/第一月曜日、1月1日
正光刃物
住所/熊本県人吉市鍛冶屋町59
電話/0966-23-2565
営業時間/8時半~17時
思いつきの店
住所/熊本県人吉市紺屋85
電話/0966-24-4926
営業時間/15時~22時
阿蘇生まれ阿蘇育ち、いつも阿蘇を見ながら育ってきた阿蘇男児。BMW R1200GSを相棒にしてから能登へ四国へと地方を巡り、阿蘇の魅力を再発見する。キャンプツーリング好きで、九州の食・湯・眺を満喫している。
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