奈良・谷瀬の吊り橋ツーリング

2011年９月、奈良、和歌山県に甚大な被害をおよぼした台風12号が襲った２ヶ月後、台風被害による通行止めが解かれた国道168号線を走り、奈良県の人気スポットのひとつである『谷瀬の吊り橋』へ足をのばしてみたときのことをレポートします。

途中、仮設住宅が建設されていた 道の駅・吉野路大塔 付近から先のルートには、いまだ片側通行区間や未舗装の迂回路などがあったほか、猿谷ダムには大量の流木が残っているなど、災害の傷跡を目に焼き付けながら慎重に目的地へ。

私が訪れた日の 谷瀬の吊り橋 （たにせのつりばし） は、人影もなく谷間に線を引いたような感じで静かでした。吊り橋近くにカフェを見つけ、休憩を取るため近づいてみるとドアに“Close”の文字が。残念！ すると近くにいたおじさんが、「コーヒーぐらいならいいよ」とのお言葉。ラッキー！ で、バイクを駐車場に置きお店の中へ。

おじさん （オーナー） からお話を聞くと、台風接近で土砂災害が起こったころは高台に避難をされていたそうで、その後約１ヶ月間は営業ができず店の前の土砂などを取り除く作業でたいへんだったそうです。

現在ペンションにもなっているお店は、復旧工事に従事されている工事関係の方達の宿泊所として利用され、おじさんは関係者の方達への食事を中心に営業されているとのことでした。突然、現れたお客にコーヒーどころか、昼食のカレーまで提供してくれたおじさん。ありがとうございました。「また寄せてもらいます」、今年の春に……。

人気スポットである谷瀬の吊り橋。全長 297メートル ／高さ 57メートル の日本一長い吊り橋。

大塔村にある猿谷ダムには大量の流木が。

この地で23年間も営業を続けている Spruce （スプルース）。この日は定休日だったにも関わらず、オーナーの好意でカレーまで提供していただきました。