奈良~三重の旅

掲載日:2006年06月28日 ツーリング情報局関西エリア    

道中の無事故を祈願して
まずは御食事から

第5回目の関西レポートは奈良、京都、滋賀、三重の4県を走ってきました。ただ、高速道路や主要幹線道路を使って走るのは面白くありませんので、今回はできる限りローカルな道を使い三重県は桑名の方まで走ります。主要幹線の道沿いにはコンビニやファミレスなど全国どこも同じ景色が広がっています。けれど、ローカルな道の道沿いは、その土地のカラーが漂うお店があり、ツーリング気分を掻き立ててくれるのでオススメです。

イメージさて、三重に向けてスタートしましょうか。しかし、まずは恒例の喫茶タイムから。「腹を空かせてツーリングはできぬ」といいますもんね。最初に立ち寄ったのは、奈良県生駒市にある「BIKERS Cafe KOKOPELLI」。阪奈道路と国道168号が交差する辺りにあるお店です。大阪方面から来る方は国道2号を、生駒山に向かって延々と走ってください。途中で国道2号は阪奈道路へと名前が変わり、生駒山を越えれば10分くらいの距離に「BIKERS Cafe KOKOPELLI(以下、ココペリ)」あります。なぜ、ここを今回のツーリングのスタート地点に選んだかというと「ココペリ」という名前からです。ココペリとはアメリカ先住民の精霊の名前で、豊穣や子宝などをもたらすと言われています。どんなデザインでもココペリは必ず笛を吹いている姿で描かれていて「笛を吹くとハッピーを呼び込むんだな」と勝手に解釈しています。これを拡大解釈すると「ハッピーになる=交通安全」と強引に言えなくもありません。現に私は自分の持っている1台のバイクのタンクにはココペリのロゴが入っていて、無事故で過ごせています(笑)。そんな“アメリカの成田山"を名前に持つ「ココペリ」にお邪魔し、1日事故のないツーリングができるように、とコーヒーと大盛りパスタをいただきながら願掛けをしたわけです。「ココペリ参り」が済めば、早速出発です。

謎の看板「月刊茶の間」
遊び心満天の信楽狸

イメージ奈良県の168号をしばらく北上していくと、奈良を東西に走る国道163号線に入ります。163号線を東へ走ると南北に走る国道24号に突き当たります。国道24号を左折し、木津川沿いに北へと向かいましょう。この辺りから、道にもローカルな匂いが漂いはじめます。そのまま24号を北上すると京都まで行ってしまいますが、市街地は極力避けるルールです。京田辺市に入り「山城大橋東詰」交差点を東に右折し、国道307号をしばらく走り続けます。ここからいよいよローカル国道です。はじめはトラックが多いですが、気にせずのんびりと走ってください。2車線で続く細い国道を走り続けると「宇治茶」で有名な宇治田原町に入ります。この町は『緑茶発祥の地』というのを盛んにPRしているようですが、そんなことよりもっと衝撃的なものを見つけました。307号を走っていると壁に大きく「月刊茶の間」と書かれたビルが! 「茶の間が月刊? 意味がわからん」と思いながらも気になったので、バイクを停めます。都合がいいことに「月刊茶の間」の向かいに「壱之荘」というお茶屋があったので、また一休み。冷たいお茶と抹茶アイスをいただきながら、店員さんに「月刊茶の間」のヒミツを聞いたところ、通販カタログの名前だとのこと。見た目のインパクトはバッチリだけれど、ツッコミどころはありません…。ちなみに「壱之荘」は「月刊茶の間」とは、何の関係もないそうなので、あまりツッコんではいけません。

イメージ「月刊茶の間」のヒミツを知り、少しガッカリしながらも走りはじめましょう。道沿いに広がるお茶畑に心を癒されながら、気持ちのいい快走ルートを走っていると、いつのまにか京都府から滋賀県に入っているハズです。ここは甲賀市信楽町『信楽焼』で有名な町。「ああ、焼き物ね。ツーレポで軽く触れておけばいいや」と流して走ろうとすると…道沿いに大量の狸を発見。多すぎて不気味です。夜に遭遇したらかなり怖いかもしれません(笑)。念のためそこで停車し、狸どもをじっくりと観察することにしました。ココは信楽焼の卸をしている「植西陶器」というところで、一般販売もしています。「購入後、バイクにどう積むのか」はさておき、一見の価値があるんです。さきほど『月刊茶の間』に打ちのめされ、少し疑り深くなっていたため「大量の狸程度では反応しないぞ」と思っていましたが、ごく普通の狸に紛れ、ゴルフパターを持った洋風の狸を見つけます(写真クリックで拡大表示)。サッカーボールを持った狸や、世俗にまみれた顔の七福神など、伝統工芸だと思っていた信楽焼にもなかなか遊び心があるようです。

美しい鯉を眺めるため
雨の鈴鹿峠を走り抜けます

イメージ「ウォーリーを探せ 信楽町版」を楽しませてくれたその遊び心に免じて、信楽町で遅い昼ごはんを取ることにしましょう。食事に選んだのは植西陶器から、307号を道なりに少し進んだところにある「御食事 豆狸」。町の中心からは少し離れたところにありますので見つけやすいでしょう。夏の暑い盛りでしたので「冷やし山菜そば(もちろん、大盛り)」を注文。冷やした器に「これでもか!」と、盛られてでてくる蕎麦を堪能、山菜の食感を味わいながらおいしくいただきました。店内で蕎麦の写真を撮っていると、お店の女将さんや調理師の方に話しかけられ、しばし歓談。ローカルな道を走るときには、やっぱりチェーン店ではなくて地元のお店に入るべきですね。食事だけではなく、地元の人との触れ合いまで楽しめます。と、この辺りまでは快走できたのですが、お店を出た頃から空は怪しげな雲行きに。307号を直進し「日野水口グリーンバイパス(通行料金150円)」に入る頃には雨がパラつきはじめました。バイパスを降りてすぐの307号と477号が交差する交差点を東に右折、477号を鈴鹿峠の方に向かいます。この辺りは晴れていたら間違いなく気持ちいい道のはずですが、あいにく天気予報に騙されレインコートは持っていません。山の天気は変わりやすい、そんな当たり前のことを思い出しても時すでに遅し、です。結局、鈴鹿峠を越え、三重県側に入るまでは雨に降られっぱなしでした。鈴鹿峠のレポは天気がいい日に誰か別の人が行ってください(笑)。

イメージ三重県に入ると、先ほどまでの雨が嘘のような晴天です。鈴鹿峠(477号)を抜け、県道753号との交差点を北に左折してください。753号を道なり走ると県道625号→国道365号へと名前が変わりますが、不安に駆られずそのまま進んでください。いかにもローカルな道をのんびりと走っていると、さすがに夏ですね、濡れた服があっという間に乾いていきます。さて、私が今からどこに向かおうとしているのか、実は「鯉が泳ぐ遊歩路」を見に行こうと思います。四日市と桑名市の間を流れる「員弁川」沿いに作られた「遊歩路」が今回のツーレポのゴール。365号が「員弁川」と交差する「中央大橋」手前に何千匹もの鯉が泳ぐ遊歩路はあります。小さな水路で少しわかりにくいですので、迷ったら地元の人に声をかけましょう。「員弁川」は清流として特に有名なわけでもなく、過去に環境汚染などの問題もあったようです。ただ、環境保護のため地元の方が立ち上がり、1kmほどの水路を作り、そこに鯉が放流されています。旧き良き日本を思わせる街道沿いの小さな「遊歩路」。特別な観光地ではありませんが、こういったところをゴールに数百キロを走るのもいいじゃありませんか。

さて、今回のツーリングはこれにて終了です。帰りのルートはもと来た道を戻るもよし。もう少し南下して「西名阪自動車道(亀山~天理区間は無料!)」で帰るもよし。お好きなルートでお帰りください。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

BIKERS Cafe KOKOPELLI

住所/奈良県生駒市辻町7-1

電話/0743-73-0811

休日/木曜日

営業/9:00~19:00

(11月~5月までは21:00まで営業)

URL/BIKERS Cafe KOKOPELLI

御食事 豆狸

住所/甲賀市信楽町勅旨16939

電話/0748-83-0950

休日/木曜日

営業/11:00~18:00

バイクブロスマガジンズ編集部
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編集部スタッフによるバトンタッチ形式のレポートです。ターミー('97 XL1200C)は大阪、奈良、和歌山北部、佐藤('96 FXSTC)は兵庫県、和歌山県南部、田中('02 FXDL)は京都、滋賀をレポートいたします。

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