『カスタムの真面目な話』

アドバンテージ流カスタム(ハイカムの勧め) #04

掲載日:2014年07月30日 タメになるショートコラム集カスタムの真面目な話    

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

梅雨も明け、真夏日が続くなか皆さんは如何お過ごしでしょうか? 2輪の真夏の祭典、鈴鹿8時間耐久ロードレースも終わったこの時期、私は神戸市出身なので、六甲山へ走りに行くことがあります(主に夜走りです)。神戸には伝説のチーム(木の実レーシング)があり、六甲山、麻耶山(まやさん)、再度山(ふたたびさん)を走り、腕を磨いていたとか。とにかく“スーパー”なワインディングが続きます。

夜の山々を走ると何が良いかと言うと、まず空気が冷たい、それに対向車の情報がヘッドライトで得られる事です。また、昼に比べて静かなので、マフラーから絞り出されるエキゾーストノートはもちろんのこと、エンジン音やノイズに至るまで、細かく情報が入ってきます。そういう意味では、私はセッティングの場としても有効に使っています。

しかしひとつだけ難点があります。それは私が極度のビビりだということです。六甲山系は有名な心霊スポットとしても有名です。いまのところ“そういう現象”は見たことありませんが、夜に1人で走りに行くのは怖いので山奥までは行かず、せいぜい夜景(100万ドルの夜景)を望めるようなところまでです。かと言って複数人で行くと、大人げなく競うことがあるのでこれも危ない。しかも複数の音が混じるとセッティングが出来ない(まあそれはそれとして楽しみながら走ります)。

現在は大変残念ながら、再度山は完全に2輪シャットアウトで、六甲山系はかなりの規制が敷かれています。ライダーの命を守りつつ、六甲山系の完全なる解放を期待したいものです。

今回は大きく話がずれてしまいましたが、音による感覚も非常に重要だということをお話ししたかったので、少し書かせて頂きました。

さて、カムの話に戻ります。あらためて、ハイカムを装着するメリットですが、ノーマルカムよりも作用角が大きくなり、バルブの開閉時間が長くなります。リフト量が増える事でバルブの突きだし量が大きくなることから、より多くの空気をエンジン内に送り込むことが出来るようになり、パワーがアップするというわけです。しかし若干トルクが痩せる傾向にあるので、前回お話したように、ボアアップとのマッチングが最も良いと考えられます。

また、バルブタイミング調整不要のハイカムなんて存在しません。カムスプロケットもバーニャタイプ(長穴加工)のスプロケットも、当然ながら同時交換部品です。このバーニャタイプのカムスプロケットは、バルブタイミングを自由に調整出来ることで、狙った回転域で効率よくパワーを引き出せるようになります。

このように、ハイカムだけの交換なんて有り得ない話なのです。続きはまた次回。

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