
掲載日:2013年04月02日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
液体も吸える掃除機はあるが、一般的な掃除機で水を吸うと、モーターがダメになるのが普通だろう。エアクリーナーボックスにある、空気の取り入れ口から水が入ると、バイクのエンジンも同じ様にアウトになる。つまり、空気の取り入れ口の高さが、川渡りできる水深の目安になる。また、台風で道が川になっている状況などで、水深は浅くても長い距離を走ると、タイヤがはねた水をエンジンが吸うこともある。
こんな話はオンロード車には関係なく感じられるかもしれないが、災害や河川の増水、デートに行く途中のジャングル横断など、長い人生には危機がいっぱいある。川渡りを知っておくと、どこかで役に立つかもしれない。
まず、水中にある障害物にタイヤをとられないように、できたら歩いて下見をしたい。シューズが濡れるくらいは、水没のリカバリーの手間に比べれば大したことではない。経験では、水深がタイヤの直径の半分くらいまでなら、特に何の注意もいらない。それを越える深さだと各人のテクニックによる。不運にも、もし水没(転倒も含む)した場合、水を吸わないようにエンジンを切るのがコツだ。
リカバリーは、水を抜くことに尽きる。まずエアクリーナーを外し、絞ったりタオルでふいたり、振り回して水分を取る。次に点火プラグを外して、タオルでふいたり息を吹きかけたりして乾かす。そしてキャブレターのドレンボルトを開けて水を抜く。
密封性が高いので可能性は低いが、燃料タンクとエンジンオイルに水が入っていないことを確認する。ガソリンよりも水は重いので、水は燃料タンクの下側に溜まっているはずだ。オイルに水が入っていれば、乳白色に濁って見える。
マフラー内の水を抜くのは少し面倒。オートバイをウイリー状態にするか、マフラーを外して水を抜こう。そしてアクセル全開でキックをしてシリンダー内の水を抜く。すべてを取り付けたらエンジン始動だ。
無事に再始動できれば、デートはあきらめ、家に帰ってオイル類の交換や可動部に給油して、次のチャンスに備えよう。
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