
掲載日:2012年09月11日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
アメリカでジェネレーターを新品に交換した2代目 MSR は、南米のチリで盗難にあってしまった。現地で同じ性能の製品を手に入れることは不可能だったので、日本の友人からオプティマスの 123R を送ってもらった。“スベア” とも呼ばれ、100 年以上その姿カタチを変えていない、歴史あるスウェーデン製のストーブだ。これ以上シンプルにできない構造が特長。
燃料タンクの上に直接バーナーヘッドがあり、風防を兼ねたゴトクをかぶせて使用する。真鍮製なので黄金色に輝き、その円筒形のデザインもステキだ。ホワイトガソリンが指定されているが、事実上レギュラーガソリンを使うこともできる。
MSR のようにポンピングは必要ないが、123R にはプレヒートが必要になる。このプレヒートが面倒くさいので敬遠されているフシはあるが、実用性ではなくオシャレな味だと思って伝統を楽しんで欲しい。
このプレヒートとは、本番前にあらかじめ温めておく、家庭用オーブンの予熱のようなもの。同じように、点火前にガソリンとバーナーヘッドを温めておく必要がある。ストーブは燃料タンク内のガソリンを直接燃やすのではなく、気化させて空気と混ぜて霧状にしないと燃焼しないのだ。ガソリンを燃焼させるという意味では、バイクのキャブレターと似てなくもないかな。
具体的には、燃料タンクの上に固形燃料やガソリンを置いて、それに火をつけ直接燃やして加熱する。私はいつも、燃料キャップを開けて吸い終わったタバコのフィルターを差し込み、それにガソリンを染み込ませてプレヒートに使う。古くさい、いやトラディショナルな点火方法なので、この 123R が自在に操れるようになれば、地球上のどんなストーブでも操作できると思う。
ここまで書いてみて、まさかストーブだけで5回もコラムが続くとは想定外だった。しかし長い人生、こんなコトでも知っておくとどこかで役に立つ、とは筆者自身も思わないが、この稿は次回も続きます…。
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