
掲載日:2012年09月04日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
MSR の欠点は、ゴトクにシェラカップを乗せたときに安定が悪いことだ。3本ワイヤーのゴトクよりも、シェラカップの底の直径の方が小さいことが原因だ。同じアメリカ製なのに、会社同士の仲が悪いのだろうか。
これは受け皿の縁に、L字型のステーを2つ溶接することで解決した。カップを乗せるもう一点は、ジェネレーターがクルンと曲がっている頂点を使う。ゴトクの収納を邪魔しないように、ステーを内側に向けて溶接することをお忘れなく。
溶接までしなくても、簡単な改良として、ゴトクの上側にヤスリで溝を刻むと、コッフェルが滑らずに安定する。さらに、ちょっと内側が下がりすぎているような気がするので、私はゴトクの外側を下方向に曲げてある。
ギザギザのついた丸いのが燃料バルブだ。それを回して火力調節をする。MSR は火力調節がしにくいと言われるが、確かにそうだと思う。火力を強くしようとしてバルブを開けてもワンタイミング(しばしばツータイミング)遅れ、その逆に弱くしようとバルブを閉じても、しばらく火力は強いままになるのが普通だ。これではご飯がコゲてしまう。
火力調節をしにくい原因は、ホースが長いためタイムラグがあるからだ。その時間差を考慮して、火力が弱まってからではなく、弱まる前にバルブを開けて欲しい。よくあるのが、たとえば5ミリくらい開けても反応がなく、アレ? 反応がない、おかしいなと、さらに5ミリくらい開けると、しばらくして想像以上に火力が強まってしまうケースだ。
MSR は、例えば5ミリくらい開ければ、その開けた分だけ火力は強くなる。反応は鈍いのだが、開閉度には忠実なのだ。そのレスポンスが鈍い分を考慮して操作して欲しい。
とまあ、まったく手間のかかるストーブだが、朝晩、ときどき昼メシも毎日 MSR で調理すれば、1ヵ月くらいで、ちゃんとカニの穴のあいたご飯がコッフェルで炊けるようになるから、心配することはない。
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