『ツーリングのつぼ』

シェラカップ(2)

掲載日:2012年07月03日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

調理用のコッフェルによくある折りたたみ式の取っ手は、飲み口と別々になっているので放熱効果は期待できない。その構造は、ストーブの上でオーナーの意思に反して取っ手が折り畳まれ火に当たり、気がつくと取っ手のプラスチックカバーが溶けていたりする傾向にあると思う。

シェラカップの特長である折り畳めない取っ手は、収納時に引っかかって邪魔に感じるかもしれない。反対にそのメリットは、飲み口を冷ますことと、どのメーカーのシェラカップも形が似ているので、重ね合わせて収めることができることだろう。複数持っていると、取り分ける小皿として使う時に誰かに貸すことができるし、同時にテーブルに並べて自分の取り分を増やすこともできるので便利だ。

直火にかけられることもメリットのひとつだ。しかし、冬の北海道をツーリングしていたある日、雪をすくってお湯を作ろうと思ってバーナーに乗せていたところ、カップの内側の雪が先に溶けて空洞になり、空焚き状態になって少し変形してしまったので注意して欲しい。

しかし、その取っ手の形状はパーフェクトではないと思う。「ああ今日も1日よく走ったなあ。天気も景色も良かったし、昼に食ったソバは絶品だった。明日も長いぞ」などと考えながらシェラカップに入れた味噌汁を飲もうとして、取っ手がスルリと滑ったことはないだろうか? 酔っている時に、その確率が高いと思う。

そのため私は、取っ手の形を改造することにした。ひらがなの「し」の字のような取っ手を、「S」字に曲げ直したのだ。これにより、中指に引っかかりができて高価な大吟醸をこぼすことはなくなった。ついでに、意外とパッキングの邪魔になる長い柄も短く曲げ直した。

素材はステンレスなので見た目よりも硬く、曲げるのに大きな力が必要だ。万力に挟んで、いったん柄をまっすぐにしたあたりでそれに気がついたが、もう引き返すことはできない。パワー勝負になるので、読者は真似しないほうがいいと思う。

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