『ツーリングのつぼ』

シュラフの選び方(4)

掲載日:2012年05月01日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

旅が長くなれば、コーヒーをこぼしたり、よだれを付けたり、人知れず涙をこぼす夜もあるだろう。汚れたシュラフを洗いたくなるのは人情というもの。

それには洗剤と浴槽、そして充分な量の水と干す場所を用意するのがポイントだ。濡れたシュラフは乾きにくいので、切ったレモンが30分でカラカラに干からびるほど乾燥した気候がベスト。日本だとゴールデンウィークから梅雨までの期間や文化の日あたりで晴れた日などが、気温が高く湿度が低いから洗濯に適していると思う。

干している間に、盗まれにくい治安の良さも必要だ。また日本のように屋外で洗濯物を干す習慣のある国でないと、物干しが存在しないので困ると思う。そのため、乾期のオーストラリアのキャンプ場がかなり好条件だろう。

洗い方は各自の好みで良い。ワイン作りの過程で、桶に入れた果実を足で踏むイタリアの娘さんのように、浴槽に水を溜めてシュラフと洗剤を突っ込んで、鼻歌で熱唱しながら足で踏むのが私のやり方だ。

化繊のシュラフなら、濡れたままでも形状は変わらないので、水を絞ればなんとか使える。ダウンは水に濡れると、縮んで小さな固まりになってしまう。ダウンを濡らすと使い物にならないというのは、この理由による。だから雨でも濡らさないように、ゴアテックスのシュラフカバーが必需品になる。

濡れて縮んだダウンの固まりを、時々ほぐしながら干すのが乾かす時のコツだ。日本くらいの湿度だと完全に乾くまで2日以上かかると思うので、その日はシュラフで寝る予定のない日に洗濯をして欲しい。もし本当にオーストラリアで洗濯をするのなら、ユーカリの木の下にシュラフを干すと、葉っぱから油が落ちてきて汚れてしまうし、コアラが落ちてくるかもしれないので気を付けて欲しい。

これらの困難を乗り越えた洗いたてのシュラフは、昨日まであったかつお節のような自分の汗のにおいが消えているので、きっと快眠できるだろう。

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