
掲載日:2012年02月21日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
先日、きわめて普通のツーリンググループとキャンプに行った。現地ではキャンプ場のコテージも借り、希望者はそこで泊まれるようにした。
メンバーの中にキャンプが初めてという女性がいて、私がテントを張ろうとすると近寄って来て目を輝かせている。聞くとアウトドアに興味はあるが道具は何も持っていない。そのため今回はコテージに泊まるが、本当はテントで寝てみたいのだという。
「どうだい、自分で組み立ててみる?」
記録によると、一番多い時には年間200日以上をテントで寝ていたので、私のことをテントのプロフェッショナルと呼んでもらっても構わない。大自然を満喫するため、周辺にホテルがないため、正確には金銭的理由もあり、今まで飽きるほどテントの組立と撤収を繰り返してきたのだ。
そのため、今ではテントの組立を他人にやってもらいたい心情である。「なんなら君がテントで寝て、私がコテージで寝ても構わないんだよ」という思いもいっぱいである。そういう邪心が相手に伝わらないように、細心の注意を持って手順を教えることにした。
今使っているテントは、シェラデザイン のドームテントである。クロスフレームなので設営は簡単だ。文字通り2本のフレームをクロス(交差)させ、それにテント本体を樹脂製のジョイントで順番に引っ掛ければ完了。その上から雨よけのフライシートを張っても、酒に酔っていなければ15分ほどで完成する。自立式なので、ペグの打てないコンクリートの上でも設営できるし、組み立ててから手で持ち上げて移動することもできる。
しかし、そんなに簡単ではプロとして尊敬の目で見られない危険がある。ある程度大げさに小難しく説明する演出も、プロならば許されるだろう。
「まあ素敵、ワイルドなアウトドアマンなのね」
本稿は、目の前にいる初対面の小さな彼女からそんな返事を得たいだけが目的なので、アマチュアは安易にマネをしてはいけないことをお伝えしておく。
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