
掲載日:2012年02月07日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
海外ツーリングをスタートした頃、サイドにキャリアをつけて、ダッフルバッグと登山用のザックを縛っていた。
カナダやアメリカなどの先進国では、移動の途中でどこかに観光をする時、荷物を付けたオートバイを小1時間置きっぱなしにしても、盗難の可能性は日本と同じくらいだろう。たぶん何も盗まれない。
しかし、途上国ではそうはいかない。私はチリのスーパーマーケットで買い物をしている間に、キャリアに積んだテントのフレームだけを盗まれた。「なぜそんな価値のない物を盗るのだろう?」と考えるのはこちら側の論理であって、相手には関係ない。まず盗んで、安全な場所に行ってからモノの価値をゆっくり吟味すればいいのだろう。そう考えれば、記録日記や撮影済みのフィルムなども盗まれる理由が分かる。
そこで、アルミパニアをサイドにも作ってもらった。アルミの衣装ケースだと思ってもらって構わない。そのパニア製作(もしくは既製品を購入)するポイントは、転倒時に凹んで衝撃を吸収するかどうかを一番に考慮したい。クルマのバンパーのように、クラッシャブルゾーンの考えだ。転倒時の衝撃エネルギーは消滅せずに場所を移動するだけなので、頑丈さをウリの文句にしている製品は怪しんだ方がいい。
転倒しても凹まない丈夫なパニアはキャリアが曲がる。もしそれが曲がらなければ、フレームに負担がかかる。その理由から、取り付けキャリアは絶対にメインフレームより丈夫にしてはいけない。
もともとトップにはパニアケースをつけていた。南米のチリで、サイドもパニアケースにした。「アルミパニアを3つも付けるなんて、美意識がおかしいんじゃないか」と考える読者もいるだろう。しかし、世界には首の長い女性が美人だと思えたり(タイの首長族など)、下唇にお皿を付けるのがイケてるという人たち(エチオピアのムルシ族など)もいる。急に真似をすると危険だが、愛情を持てば理解できるはずだ。ライダーだもの。
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