『ウェア屋さんのひとりごと』

“防水”についてのおはなし(続き)

掲載日:2011年06月09日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

前回は生地やウェア自体の構造によって防水と呼べるのか、呼べないのかについて触れてみましたが、実際の“雨対策”って、何を準備すればよいのでしょう。

基本的にはレインウェア(上下)、レイングローブ、ブーツカバーの3点といったものですが、レインウェアはともかく、手先や足元の防水対策に関してはお悩みの方も多いのでは? 特に足元は、出先でボトボトになってしまうと不快感極まりないので、シッカリと対策しておきたいで部分ですね。

レイングローブは、気温の高い時期であればナイロン系のグローブを濡れたまま使用する方も珍しくありませんが、温暖な時期にはつい軽視しがちになる手先の濡れは、気候によって想像以上に手が冷えてしまうこともあり、正確な操作に支障をきたす場合もあります。その様な微妙な時期は、レイングローブや全天候型のグローブを使用することをオススメします。ウインターシーズンでは防水仕様のグローブも数多くラインナップされていますが、毎日のように乗る方は、万一の浸水に備えて予備のグローブを用意しておいた方がイイですね。

足元の防水対策は前述した通り、たいへん重要ですね。最近ではブーツカバーの他に、防水仕様のブーツやライディングシューズが多数ラインナップされていますが、いずれのアイテムも単体で使用する際には十分な対策とは言えません。

例えばブーツカバーは、底がオープンタイプになっているものが多く、僅かな隙間からの浸水が無いわけではありませんし、シューズやブーツの場合は、表面素材に浸み込んだ水が内装まで浸透することもあります。この様なことから、これら単品での使用は短時間(30分程度でしょうか)のライディングや、突発的に雨が降り出した際の応急的な対策と考えて、しっかりライディングする際には防水仕様のシューズやブーツに、ブーツカバーを併用することをオススメします。こうすることで、飛躍的に防水性はアップしますよ。

さて、肝心のレインウェアですが、ライディング用として販売されている製品であれば、機能や性能の差はありますが、基本的にどれを選んでも“雨対策”として間違いはありません。逆にアウトドア用品やホームセンター等の製品は、フロントファスナー付近に必要な“雨返し”や、腰や袖のアジャスターといった風圧への対策が施されていない製品が多く見られます(というかほとんどですね)。素材に関しても、ゴアテックス等を使用した高機能ウェアは別として、特に廉価なものでは風圧を受けた際に水滴を通さないだけの“耐水圧”が不充分な場合もあり、徒歩や自転車程度なら大丈夫でも、ライディングに使用すると浸水してくる事も珍しくありません。

そんな訳で、今回も駆け足でのお話になってしまいましたが、雨対策の主な3アイテムについて触れてみました。次回はレインウェアの違いに絞って、お話をしてみましょう。

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