
掲載日:2011年05月19日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
私の通勤時間、片道15分ほどの短い道のりではあるけど、非常にたくさんのライダーを目にします。ただ通勤や通学という目的のせいか、ライディングウェアを身につけている人は少ない。真冬の寒い時期に一般の衣料品店で買った様なジャケットを見ると、自分まで身震いするような寒気を感じるし、Tシャツ1枚で走っている人を見ると、転倒した事を想像してゾッとしてしまう。ではなぜライディングウェアなのか?どこが普通の服と違うのでしょう?
ライディング中は、強い風圧を受け続けるという特殊な環境にあるため、表生地には比較的強度の高いものを使用しています。風によるばたつきは疲労の原因にもなるため、袖やウエストのフィット感を調整できるアジャスターを装備したウェアも多く見受けられますし、冬物なら衿元から侵入する寒気の対策には雲泥の差があります。
パターンと呼ばれるウェアの形状においては、少し肘を曲げた様に湾曲した袖や、背中が少し広くなっているといった点などがライディングウェアの大きな特徴です。一般の衣料では突っ張りを感じる部分も、ライディングウェアならその様な事も少なくて済みます。
ここ10年ほどの間では、プロテクターを標準装備したウェアが一般的になりました。やはり転倒によるケガはつきものであり、少しでも体のダメージを少なくするためのプロテクターは、今や無くてはならない装備のひとつと言っても過言ではありません。ときにお客様から、「ジャケットがボロボロになる様な大きな転倒だったけど、体は大事無く…」といったメッセージをいただくことがあります。決してプロテクターが完璧という訳ではありませんが、備えあれば憂いなしですね。
そのほか、外気温に合わせて開閉できるベンチレーションや、夜間は他車のヘッドライトを効率的に反射させて自身の存在をアピールするリフレクターなど、ライディングウェアならではの付加機能も数多く装備される様になりました。あ、余談ですがRSタイチではELパネルやLEDなどの発光体を装備したジャケットをラインナップしていますよ。
安全性と快適性の両面においてライディングウェアとそうでないウェア、見た目だけでは分かりづらくても、着てみて使ってみると、実は大きな違いがあるのです。
そんな訳で次回は、用途によってどんなウェアがオススメかを書かせていただきます。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!