掲載日:2020年12月15日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はガレージのある家43号(ネコ・パブリッシング発行)にて掲載したものを再編集しています。
愛知県 花園CONCEPT MODEL HOUSE 設計/オカザキホーム
愛知県といえば、大都市名古屋を中心としながら、世界に誇るカーブランドであるトヨタ自動車をはじめ、デンソーやNGKなどが本拠を構えていることもあり、クルマ文化が根付いたエリアである。そのような土地であるから、クルマ関係の仕事に携わる人々が日本全国から集まり、いずれは根付くという例も少なくはない。そしてそのようなケースで求められるのは、やはりガレージハウスなのである。
東海エリアを中心に様々な住まいを手掛けてきた『オカザキホーム』は、ガレージのある家も得意とするブランドだ。今回取材に伺ったコンセプトモデルハウスは、北側斜面の三角地で、建ぺい率50%、容積率は80%という、一般的な住まいを建てるにはハードルの高い土地だ。しかしオカザキホームはそのような土地を活かしてガレージハウスを実現している。
家の正面に立ってみると、エントランスとガレージ部分がややセットバックされていることや、バルコニーのフェンスが道路に並行して備わっていることもあり、そこが変形地であることが分かりにくい。その家の横に空いたスペースを利用してクルマ2台分のカースペースとしており、土地の形状を上手く利用していることが分かる。
ビルトインガレージは、15㎡ほどのスペースとされているのだが、後方上部に、居住スペースからアクセスできるヌック(中二階)が設けられている。
ビルトインガレージは、クルマだとギリギリ入らないコンパクトなサイズのものとしているが、大型バイクは容易に収まるサイズとされており、メンテナンスをはじめとしたガレージライフを楽しめることはもちろん、小型のバイク数台を詰め込んでコレクションガレージとすることも一つの手だろう。そして注目したいのは、ガレージ最奥部のレイアウトだ。ガレージ内を見下ろすことができる窓が設置された中二階が設けられており、そこはヌックとして、その下はストレージとして、使うことができるようにされている。天井高を抑えて設定することで、延べ床面積の計算から省くという手法を上手く利用した好例だ。
ガレージから玄関を挟む格好でレイアウトされた居住空間の方へと移動すると、広々としたLDK空間が広がっている。約16.5帖というスペースなのだが、折上天井を採用していることや、広々としたウッドバルコニーとの一体感から、そのスペック以上に広く感じられるのもポイントだ。クラッシュゲート製のインテリアでコーディネートされており、植栽も多く組み合わせることで、素朴な素材感を味わえるラスティックな空間を演出している。
階段を上がると、先述したガレージのヌック部分(中二階)へと繋がる。天井が低く設定されているため、大人がまっすぐに立つことは難しいが、むしろその閉鎖感がワクワクさせてくれるというものだ。2階は高い収納量を誇るウォークインクローゼットを設けた主寝室のほか、バスルームや子ども部屋が配置されており、総じて住み心地の良さそうな家に纏められていることが伝わってくる。条件の良くない土地であっても、アイデア次第で素敵なガレージハウスは実現することができる。オカザキホームはその夢を提案し、サポートしてくれるのだ。
ガレージ上部に設けられたヌック。ただしガレージから直接アクセスすることはできない。天井高が低く、隠れ家的雰囲気が楽しめる。
左上_ガレージの奥行きは深く、ヌックの真下は、ストレージとして活用できるように設定されている。左下_ヌックからはガレージを見下ろす形で窓が設置された。家族とガレージの距離感を近いものとしてくれる。右_文化シヤッター製の巻き上げ式シャッターを設置した。作動音が静かで、夜間早朝でも気兼ねなく使える。
左_ガレージ横には引き戸を設置し、エントランスホールと繋げることで、外に出ずともガレージへと行き来できる動線が取られている。右_対面式キッチンは、壁との間に距離を持たせ作業をしやすくしたことと、アースカラーでまとめたことがポイントだ。
左_リビング部は梁を見せる折上天井とすることで、広々とした空間を演出している。右_縦開きの窓を取り入れることで、洋式のテイストとなっている。
LDKは直線上に配置された。こうすることで、ひとつの空間として広々と使うことができる。さらに撮影位置後方にはウッドデッキが広がっている。
リビング横に設けられたウッドデッキ。リビングと同等かそれ以上の広さを持たされており、様々な使い方ができる。
左_モールガラスとアイアン風のぼかし処理が取り入れられたドアは北米東海岸のアパートメントを思わせる。10_ファニチャー類は、クラッシュゲートでコーディネート。植栽なども多く採用しラスティックな空間を生み出している。
キッチンからウッドデッキまで仕切りなく繋げられており、ワンフロアとして使うことができる。大人数でのパーティなどにも対応できるだろう。
家族のプライベートルームは、すべて二階に集約された。主寝室はガレージの上部に設けられており、7帖のゆったりした間取りだ。
左_主寝室横にはウォークインクローゼットが設けられている。大き目に設定されており、夫婦の洋服をすべていれても余裕があるだろう。中_階段を上がったところの通路には、造り付けの棚が用意され、家族共有のライブラリーとして使うことができる。右_各部屋のドアの上端が開くようにされており、お互いの存在感を共にするとともに、視覚的に広く感じられる効果も持つ。
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