掲載日:2020年11月30日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はガレージライフ84号(ネコ・パブリッシング発行)にて掲載したものを再編集しています。
千葉県 青木邸
ユニットガレージというと、スチールガレージやコンテナガレージなどを想像してしまうことが多いが、木製キットガレージもそれらのひとつとして考えられるものだ。長野県に本社を構える『グリーンベル』は、長年木製キットガレージを手掛けてきたブランドであり、実際にキットを購入してDIYで建ててしまったという例を、これまでにも多数見てきた。私がそれに付け加えたいのはグリーンベルが手掛ける物件は、ユニットガレージの類でありながらも、高い自由度を兼ね備えていることだ。ここではそんなグリーンベルでガレージを実現した青木さんの例を紹介するので参考にしていただきたい。
川崎に住まいを置く青木さんが念願のガレージを実現するために選んだのは東京湾を挟み対岸である木更津の地だった。海ほたるを使えばわずか20分で到着するウィークエンドガレージは、まさしく男の城という様相でまとめられている。それを実現できたのはグリーンベルとの出会いだった。
敷地の形状から前後に長く伸ばしたレイアウトとされたガレージ。大きな折れ屋根が特徴的であり、その軒下部分を利用してストレージを増築している。
「以前からガレージが欲しいと考えて、現在ガレージを建てた木更津や横須賀などで土地を探していました。ある程度場所を決めた際に、ガレージを建ててもらう業者も並行して探しました。その中でヒットしたのがグリーンベルだったのです。まず長野の本社に連絡をすると、関東圏で施工を引き受けてくれる代理店であるエイチアイ・インダストリーさんを紹介され、翌日には連絡をいただけました。まずこのレスポンスの良さが気に入りました」と青木さん。ガレージをお願いしたエイチアイ・インダストリーは筑波にある会社だったのだが、木更津での施工を快く引き受けてくれたそうだ。土地選びの問題に2年程時間を費やしたそうだが、最終的に今の場所を決め着工することになった。
『金剛産業』製のオーバードアが開くと、そこにはニスモで仕立てたというR30型RSターボとR33GT-Rの2台のスカイラインと、その横にはショールームを連想させる美しいイタリアンバイクが並べられている。特筆したいのはこのバイクであり、2台はドゥカティでパニガーレV4Rと1299パニガーレスーパーレッジェーラ、その奥にはベスパ946レッドというバイク好き垂涎のスペシャルモデルが取り揃えられている。
ドゥカティ製スーパーバイクモデルの中でも極上のトップマシンが並ぶ。ガレージの華となっているこれらのバイクは、基本的にサーキット専用マシンとして楽しんでいる。
「元々は場所を分けて保管していたのですが、ガレージの完成を機に一か所に揃えることができました。どれも乗って良し、眺めて良しと思っているバイクやクルマなので、ガレージにいる時間はとても幸せです」と青木さん。
ガレージは自身の希望を伝えたうえで、エイチアイ・インダストリーに設計してもらい、グリーンベルのキットで建てられている。2階にはリビングフロアが設けられており、ガレージに寝泊まりすることも可能だ。敷地内には別のバイク用にグリーンベルのキットガレージも増設され、それはファクトリースタイルで仕立て上げる予定であり、ゆくゆくはショールームスタイルのガレージも建ててみたいと言う青木さん。ガレージへの夢はどんどんと広がってゆく。
ガレージの2階にはリビングルームが設けられている。キッチンなども備わっており、ここで寝泊まりも可能。しかしガレージフロアで過ごしている時間の方が長いとか。
8年程前に知り合いのつてで購入したというR33型のGT-R。程度の良い状態だったものをニスモに持ち込んで手を加えている。ガレージを欲するきっかけとなったクルマだ。
ガレージはあくまでプライベートな空間としたいという青木さん。基本的には友人なども招かず、好きなバイクやクルマに囲まれ、特別な時間を楽しんでいる。
敷地内の一角に同じくグリーンベルのキットガレージを増築した。メインガレージと同じカラーリングとされマッチしている。中にはツーリングなどで使用するバイクが収められている。このバイク用ガレージは、ゆくゆくファクトリースタイルで仕立ててゆく予定だと話してくれた。
ガレージにいる時間をさらに楽しむために、壁面にはモニターを設置しているほか、モデルカーなどもディスプレイしている。
左_ガレージ横に設置した階段から2階のリビングへと行くことができるようにされた。右上_ライトレールを使用した照明を設置している。スポットタイプをはじめ様々なスタイルに交換できるので、ガレージの雰囲気や使用用途に合わせてライトを選びたい。右下_業務用エアコンの採用も考えたそうだが、メンテナンスの問題なども考慮し、家庭用をガレージの前後に2基設置している。
左_前面のオーバードアのほかに、ガレージサイドに人の通用口としてドアが設けられた。スペース効率の良い、引き戸タイプが採用されている。右_ガレージの最深部にはシャワーブースも設けられている。生活することもできてしまう設備が整ったガレージだが、ご家族とは「2泊まで」と約束しているそう。
ウッド調のフロア材が敷き詰められている。土間コン剥き出しと比べて、雰囲気よく仕上げられており、ガレージのスタイルに似合っている。
金剛産業製のオーバードア『レイバード』が採用されている。ガレージの雰囲気に良く似合っている。開閉音は静かで、なおかつ動作も早い。
■PLANNING DATA
所在地●千葉県
ガレージ面積●54.97m²
構造●2×4工法
外壁仕上げ●サイディング
内装仕上げ●OSB合板、クロスなど
竣工●2020年2月
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