掲載日:2020年08月03日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はガレージのある家34号(ネコ・パブリッシング発行)にて掲載したものを再編集しています。
岐阜県 M邸 設計/ica associates.inc
車種にもよるので一概には言えないが、バイクはクルマ以上に趣味性が高いことが多いと思う。大型バイク、特にハーレーともなれば、車両価格をみても一般的な乗用車以上のものがざらである。エンジンだけでなく、なにからなにまで剥き出しであるため、最低限バイクカバーはかけるべきであるし、なんといっても盗難のリスクはなるべく軽減したいものである。だからこそガレージが欲しくなるのだ。
今回取材したMさんはご夫婦でハーレーライフを楽しんでおり、バイク仲間でのツーリングで出会ったことがきっかけで結婚されたという根っからのバイカー夫婦。その二人が結婚後に住みはじめた賃貸住宅には、バイクを置くことができず、ご主人のハーレーは実家に、奥様のハーレーは友人宅に置かせてもらっていたそうだ。ツーリングに行く際にも、別々の場所にバイクを取りに行き、合流するというやや面倒な状況だった。Mさんが長男だということもあり、実家を出て家を建てるということに多少なりとも抵抗感があったようなのだが、ご両親もいつもバイクを取りに来るのを見かねて、家を建てることを承諾し、家づくりの日々が始まった。そして土地探しと並行して始めたのが、ハウスメーカー巡りだ。
バイクが縁で出会ったというMさんご夫婦は、いまも変わらずバイクを楽しんでいる。気心が知れているからこそ御互いを尊重し合い、理想のガレージハウスを建てることができた。
「何箇所か話を聞いて回りましたが、なかなか決められなくて、その頃雑誌でicaa(アイシーエーアソシエイツ)が手掛けたガレージハウスを見て、名古屋にあると知ってすぐに連絡をしました。icaaはこちらの要望をちゃんと理解して、想像していた以上のプランを提案してくれたので、すぐに決めました。」とご主人。
ガレージはハーレー2台がゆったりと入るサイズで設定されており、ゆくゆくツールキャビネットなども設置できるよう十分なゆとりが持たれている。唯一オーダーしたことと言えば、リビングからガレージの様子が見えるようにして欲しいとお願いしたことだそうだが、生活動線が考えられたLDKはガレージと直線上に並べられた上に、吹き抜けなども設けられ、リビングどころか家のどこにいてもガレージの中が見えるようにされている。
そしてicaaに出向いて打ち合わせをした際に、その場に薪ストーブがあり、一目惚れ。散々悩んだ末に設置をすることに決めたそうだ。これも一目惚れだったというハースストーン社のヘリテイジというストーブは、珍しい石造りとされており、家の顔となっている。
ガレージにはツールキャビネットなどを置いたり、DIYを楽しんだりとやりたいことがたくさんあると言うMさん。ガレージドアのレール色をクロにしたことで、空間が引き締まった。
「妻と出会ったのが3年ほど前でした、その後程なく結婚し二人で生活をはじめて、さらにこの家を建てました。この3年の間でものすごく生活が変化しましたが、すべてよい結果となっています。今後はガレージなども手を加えていきたいですし、最近はガレージハウスができたことに満足してしまって、バイクに乗る時間が少なくなってしまったので、もっと走らなければなりません」と話すご主人。憧れのガレージライフの出発地点に立ち、さらにこれからもっと素敵な生活が待っていることだろう。
レムコ製のガレージドアは、ドアとしての高い機能はもちろん、M邸の顔となり、Mさんのお気に入りとなったと言う。
リビングから見えるバイクガレージがあること。これがMさん夫婦のオーダーであった。ご夫婦のハーレー2台が収まってもゆとりのあるスペースで、今後の拡張性も考えられている。
ガレージ内の照明にはレールライトを使う。ハーレーを照らし夜リビング眺めれば至福の時を過ごせる。
壁面にはハーレー関係の装飾を施した。ボードを剥き出しにしているので、DIYで好きなスタイルにすることができる。
左_階吹き抜けの廊下。ここから下を眺めるのもお気に入りだそう。冬は薪ストーブで家中が暑いくらいになる。右_icaaでの打ち合わせの際に見かけて薪ストーブの設置を決めた。石を使った珍しいストーブはハースストーン社のもの。
そこまで徹底したアメリカンスタイルではないものの、木のぬくもりや薪ストーブなどで、モダンカントリーを感じさせる柔らかな空間が演出されたリビングだ。
ペンダントライトは奥様の趣味で選んだもの。このほかにも奥様がセレクトした小物は多く見られる。お互いの趣味を理解しているからもめることも無い。
カウンターキッチン裏側のリビング側には、アメリカンカルチャーモノを中心に、夫婦が好きなアイテムが並べられている。
シルバーアクセサリーブランドのB.W.Lを夫婦で愛用している。B.W.Lはレザーウエアを起源としており、ジャケットなども揃っていた。
LDKが上手くつなげられ、広々とした空間がもたらされている。キッチン奥に見える2つのドアの裏にはクローゼットなどが設けられ、生活動線を考えた設計となっている。
ダイニングテーブルとキッチンを同じ高さにしてつなげている。キッチン部分は床を下げており、使い勝手に支障はない。すっきりとまとまっており清潔感がある。
ガレージ内の様子はリビングのみならず、ダイニングテーブルからでも2階からでも家中どこにいても見ることができる。
左_ダイニングの隣には畳を使ったスペースが設けられている。ごろ寝に最適であるうえ、子ども連れの来客があった際にもここで遊ばせることができるので重宝している。右_2階にあるベッドルームはいたってシンプルなものにしている。2階は将来家族が増えたときのことも考え、このほかに2部屋作られている。
左_見える部分のスイッチはすべてこのタイプで統一した。これも奥様のセレクトで、家の雰囲気に合ったものにしたかったとのことだ。右_キッチン部分の床は下げられており、ダイニングテーブルと高さをそろえている。
エントランスホールには螺旋階段が備わっている。玄関を開けてすぐにあるので、かなりインパクトがある。
■PLANNING DATA
施主●Mさん
家族●2人家族
所在地●岐阜県
竣工●2014年6月
敷地面積●184.73㎡
延床面積●130.94㎡
ガレージ部面積●16.48㎡
構造●木造軸組工法
外装仕上げ●ガルバリウム鋼板、木、サイディング
内装仕上げ●クロス、ジョリパッド、木
愛車●2010年式H-D FXCWC、2006年式H-D FXDL
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