掲載日:2020年05月13日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はGarageLife80号(ネコ・パブリッシング発行)にて掲載したものを再編集しています。
WOOD GARAGE『J STYLE GARAGE』 埼玉県・N邸
長年カーライフを趣味としてきた施主が、初心に返り再び始めたバイク遊び。走らせて良し、眺めて良し、いじって良しのバイクライフは必然的にガレージというステージが必要だと感じさせるものだった。大工職人からキットガレージが良いと言うアドバイスを受けて辿り着いたのが『ジェイスタイル・ガレージ』だった。
中央道を下り八王子から圏央道へと乗り継ぐ。その日はあいにくの事故渋滞に見舞われてしまったものの、普段は流れも良く快適なルートなので好んで使う道だ。埼玉県に入ると景色も変化し、広々とした平野部になってくる。都市部からも近いわりにのどかな空気を感じさせる。そんな場所に今回取材したNさんのガレージは建っていた。
Nさんが建てたのは『ジェイスタイル・ガレージ』のキットガレージだ。2×4構造であり、キット化されたパーツを組み立てることで完成するため、DIYでチャレンジする方も多い。何よりも木材特有のぬくもりを感じることができることが大きな魅力と言えよう。
ガレージの中には数多くのバイクが収められていた。それらはビンテージモデルから最新のスポーツモデルまで枠にとらわれないラインアップであり、偏りのないセレクトに好感を持つことができた。
「10代の頃モトクロスレースに熱中し、20代になってからはカーレースの世界に足を踏み入れました。その後仕事が楽しくなり様々な事業をスタートしました。そこから何年もモータースポーツやバイクから遠のいていたのですが、50歳になったときにS600でレースに復帰しました。ジネッタやフォーミュラなども走らせていたのですが、再びバイクに乗りたいと思い始め3年ほど前に大型バイクの免許を取ったのです」とNさんは話す。
以前は自身が経営していた会社にガレージを設け、クルマを置いていた時期もあったが、バイク遊びに復帰してからは本格的にガレージライフを楽しみたいと考え始めた。ガレージを建てた場所は、以前から近所で気になっていた場所で、その土地の持ち主に交渉して貸してもらうことになった。ジェイスタイル・ガレージはどのように選んだかと言うと、知り合いの大工職人にガレージを建てることを相談したところ、いちから設計し材料を揃えて建てるよりも、コストや使い勝手を考えるとキットガレージの方が良いとアドバイスを受けたこと、そして自宅からもそう遠くない場所にジェイスタイル・ガレージの会社があったことから決めたということだった。
「アドバイスをくれた知り合いの大工職人と二人で1週間で躯体を建てました。内装の方が手間が掛かりましたが、それでも2か月半程度で完成させました。完成と言っても壁の色の変更や棚の設置など、まだやりたいことはありますしいつまでも手を加えて楽しんで行くことができる。それがこのガレージの良さのひとつです」とNさん。
周囲は自然にあふれており、夏は涼しく冬は暖かいと話す。ガレージでの過ごし方はビンテージバイクのレストアや、ゆったりとしたプライベートな時間を送ること。一方でバイクを走らせる熱もあり、時間さえ作れれば日本中を巡っているそうだ。
「16、17歳のころバイクに熱中したことから始まったモータースポーツ遊びでしたが、その後分けがあって四輪レースの世界に移ってしまい、仕事をするようになってからは、そのどちらからも手を引いていました。50代になってから四輪レースに復帰しましたが、やはりバイク特有の世界観は、ほかの何物にも代えがたいもので、バイクにはじまりバイクに終わる。そんな私の人生の居場所としてこのガレージを建てたのです」と話してくれたNさん。この特別な場所でバイクライフを謳歌してゆくことだろう。
■OWNER'S CHECK
●一番気にいっているところは?
木製ガレージは加工ができるので高い自由度が気に入っています。
●ちょっと失敗したところは?
白く塗った壁がイメージに合わないので、今後修正します。
●次の夢はなんですか?
モンゴルツーリングや、キャンプツーリングに行きたいです。
●読者へのアドバイスを!
冬は暖かく、夏は涼しい場所が良いですよ。