掲載日:2019年11月14日 フォトTOPICS
取材協力/ホンダ取材・写真・文/山本晋也
2019年11月10日(日)、ツインリンクもてぎにおいて「Honda Racing THANKS DAY 2019(ホンダレーシングサンクスデー2019)」が開催された。MotoGPやF1などはまだシーズン中というタイミングだったが、二輪、四輪でホンダのマシンを任せられたライダー12名とドライバー16名が集まった。
2019年はホンダが1959年にマン島T.T.レースに初参戦してから60周年にあたるアニバーサリーイヤー。この節目を、「FIMロードレース世界選手権」、「FIM モトクロス世界選手権」、「FIM トライアル世界選手権」という最高峰クラスにおいてライダー・チャンピオン獲得という三冠達成をしたこともあり、一年間応援してきたファンにとっても楽しみとしているイベントだ。
当日は、入場無料(駐車場は有料)ということもあり1万7,000人を超える観客がツインリンクもてぎに集結した。その理由は、普段のレースでは考えられないほど近くでライダーたちと触れ合えることにある。
トークショーやサイン会、またデモランを前にピットで準備をしているときにも、間近で一挙手一投足を見ることができるのだ。ライダーたちも一年間の応援に感謝の気持ちを示すために、握手やツーショット写真に応えるなどファンサービスに努めていた。
そんなHonda Racing THANKS DAY 2019のレポート第一弾は、当日の様子とライダーの素顔にフォーカスを当ててみた。近日中に会場にあったマシンに注目したレポート第二弾も公開予定のなのでそちらもお楽しみに!
ホンダのマシンを駆るライダーとドライバーが集合。ホームストレートに整列、グランドスタンドの観客へ本田技研工業の八郷隆弘社長がファンに感謝の気持ちを伝えた。
八郷社長を中心に記念撮影。ライダーの顔ぶれはMotoGPからカル・クラッチローと中上貴明、Moto2のソムキャット・チャントラ、Moto3の小椋藍、トライアル世界選手権の藤波貴久、スーパーバイクの清成龍一、EWCのマイク・ディ・メリオ、全日本ロードレースからは高橋功、高橋裕紀、水野涼。全日本モトクロスの山本鯨、全日本トライアルの小川友幸というチャンピオンも参加(敬称略)。
藤波貴久、小川友幸という二人のトライアルライダーによるデモランイベント「トライアルスペシャル」が世界選手権のコースを使って開催された。マイクをつけ、走りながら掛け合いで技を決める二人に、大きな声援と拍手が送られていた。
アクセルの開けっぷりから“フジガス”の愛称で親しまれる藤波貴久は、2019年の世界トライアル選手権でランキング3位。2020年はワークスライダーとし25年目を迎える大ベテランだ。サービス精神旺盛で、多くのファンと触れ合っていた。
全日本トライアルにおいて前人未到の7連覇(通算9回目)のシリーズチャンピオンを獲得した小川友幸。その明るいキャラクターでファンの心をつかむ。愛称である「ガッチ!」の声がファンからかけられていた。
ロードコースではHonda Riders パフォーマンスとして、各ライダーが愛機を駆って、ツインリンクもてぎのコースを走り回る。普段は混走することのないマシンの競演はここでしか見ることができないもの。どのライダーもストレートではウィリーを決めるなどしてアピール。トライアルやモトクロスのライダーも参加した。
ロードレース最高峰のMotoGPで2年を過ごした中上貴明。2020年もLCR Honda IDEMITSU(エルシーアール・ホンダ・イデミツ)から3年目のMotoGPに参戦することが発表されている。マシンはもちろんホンダワークスのRC213Vとなる。
この日は右腕のケガのためライディングは披露できなかった中上貴明だが、模擬レースの解説やトークショーなどしゃべりでアピール。レーシングドライバー道上龍とのトークショーは、ここでしか見ることができない貴重なコンテンツだ。
2020年も引き続きLCR Honda CASTROL(エルシーアール・ホンダ・カストロール)からMotoGPに参戦することが発表されているベテランライダーがイギリス出身のカル・クラッチロー。MotoGPのシーズン中にもかかわらずホンダレーシングサンクスデーに参加。一見、強面だがさすが一流選手といったファンサービスを見せていた。コース上では唯一のMotoGPライダーとして1989年のワークスマシンNSR500のデモランも担当した。
こちらがカル・クラッチローのデモラン走行風景。Honda Racing 60th Anniversaryとして最強といえる名車が走る!! 1989年のGP500クラスにおいてWチャンピオンを獲得したNSR500(エディ・ローソン車)を担当した。懐かしい2stサウンドがもてぎに響き渡った。
タイ出身の20歳、ソムキャット・チャントラは、2019年のMoto2クラスにIDEMITSU Honda Team Asiaの一員としてフル参戦を果たした選手。世界に通用するライダーをアジア全域から発掘・育成するという活動で見出されたヤングヒーロー。日本のファンも多く、大きな声援が送られていた。2020年もIDEMITSU Honda Team Asia(イデミツ・ホンダ・チーム・アジア)からMoto2に参戦することが決まっている。
2019年、Moto3のデビューイヤーながら表彰台に登った期待のライダーが小川藍、18歳。2020年もHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)からMoto3に参戦することが発表されている。もちろん、愛機はワークスマシンのNSF250RWだ。
パドックでは前出の選手たちのように走っている気持ちになれる「なりきり!MotoGPライダー」コーナーも設置。膝すり、肘すりのポーズにチャレンジした参加者は、自分のスマートフォンやカメラをスタッフに渡して撮影をしていた。ホンダレーシングサンクスデーのいい思い出になったことだろう。
2019年全日本ロードレースJSB1000クラスにおいて活躍した高橋巧。2020年はFIMスーパーバイク世界選手権に参戦することが決定している。まさに勝負の年となる来期に向けた決意をファンに伝えていた。
水野涼はMuSASHi RT HARC-PRO.Honda(MuSASHi RT・ハルク・プロ・ホンダ)から2019年の全日本ロードレースJSB1000クラスに参戦したライダー。柔和な表情だがアグレッシブな走りで観客を楽しませた。
KYB MORIWAKI RACING(KYBモリワキレーシング)から2019年全日本ロードレースJSB1000クラスにスポット参戦した高橋裕紀。
この日はピットエリアのギリギリまでファンが入ることができ、走行直前のライダーに声をかけたり、握手をしたりと触れ合うことができる。ライダーたちも、そうしたファンとの交流を楽しみにしているのだという。
すでに2020年シーズンが開幕しているFIM世界耐久選手権(EWC)にF.C.C. TSR Honda France(F.C.C. TSR・ホンダ・フランス)から参戦しているライダーの一人が、フランス出身のマイク・ディ・メリオ。昨シーズンはランキング2位、今シーズンはチャンピオンを狙う。
普段はサーキットを走っていないモトクロスやトライアルのライダーも参加した「エキサイティンググロムカップ」。GROMのカップ仕様を使ったエキシビションだが、ライダー的にはガチンコのレースとなった。MotoGPライダーのカル・クラッチローやEWCライダーのマイク・ディ・メリオを抑えての優勝は小椋藍。世界で戦うライダーが表彰台を占めた。
「今シーズンの不甲斐ない走りに反省している」と応援してくれたファンへ頭を下げたのが、過去に鈴鹿8耐で4勝を挙げているベテラン、清成龍一だ。2019年にスーパーバイク世界選手権に参戦したが期待された結果は残せなかった。
全日本モトクロスにおいて、2017年につづき、2度目のチャンピオンを獲得した山本鯨。笑顔でファンと交流をしていたのが印象的だ。
その山本鯨は、「ホンダライダースパフォーマンス」や「ウィナーズ・パレード」で、ツインリンクもてぎのコースを走行。豪快なウィリーを披露していた。
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