【カワサキ Z900SE 試乗記】電子制御のサポートが手厚く進化、豪華な足回りを持つ扱いやすいネイキッド

掲載日:2026年02月16日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

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KAWSAAKI Z900SE

カワサキのZ900は並列4気筒948ccDOHCエンジンを搭載したネイキッドモデルで、「SE」は足まわりを中心に豪華装備を採用した上級グレードだ。今回はそのZ900SEに実際に試乗して、スタンダードモデルとの違いや魅力を探ってみた。

カワサキ Z900SE 特徴

ブレンボ&オーリンズの鉄板コンボに加え
電スロ、クルコン、クイックシフターが揃い踏み

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カワサキのZシリーズは、カウル付きのニンジャに対してネイキッドモデルという位置づけで、250cc~1100ccクラスまで多彩な排気量のモデル展開となっている。ネオクラシックモデルとして「RS」が冠された車種以外は「SUGOMI」デザインという、まるでネコ科の猛獣が獲物を狙うかのような流麗かつ戦闘的なスタイルを採用しており、その外観はネイキッドというよりまさにストリートファイターというイメージだ。Z900は948ccの水冷並列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載、これはネオクラシックモデルのZ900RSと同じだが、最高出力はRSよりも8PS多い124PSを発生する。このデータを見ただけでもZ900のほうが走りに注力したモデルであろうことがわかるが、デザインや雰囲気に振ったRSのほうが圧倒的に人気となっており、少々不遇に思えなくもない。

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若干マニアックな存在ともいえるZ900だが、性能が高いのはもちろん、各種装備も全部入りと言っていいほど充実している。もともとトラクションコントロールと出力制御を組み合わせた「インテグレーテッドライディングモード」を装備していたが、2025年モデルから電子制御スロットルの採用と、それに伴ってIMUの装備やクルーズコントロール、クイックシフター、スマホ連携機能を備えた5インチTFTカラーディスプレイの採用など、大幅な変更を受け、かなり大胆な進化を遂げている。それと同時に、フロントマスクのデザインも一新された。

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今回試乗したZ900SEは、足まわりを中心に装備をグレードアップした上級グレードだ。スタンダードモデルとの主な違いは、フロントブレーキにブレンボ製のコンポーネントを装備している点と、リアにオーリンズ製のS46ショックユニットを採用している点、高級感を高めた専用シートの採用、USB Type-C電源を標準装備していることなどが挙げられる。スタンダードモデルとの価格差はメーカー希望小売価格で17万6000円あるが、内容を考えればむしろお得なパッケージと言えるだろう。

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カワサキ Z900SE 試乗インプレッション

上質で高性能な足回りと素直なエンジン特性で
とにかく乗りやすくオールマイティ

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Z900SEを目の前にすると、メカニカルな機能美と有機的なデザインが融合した独特の造形に目を奪われる。タンクのボリュームが大きいので少々身構えながら跨ってみると、見かけからくるイメージより車体はコンパクト。足をついたまま股の下で車体を左右に振ってみても、思いのほか軽い印象だ。

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走り出すと、ニーグリップしやすいタンク形状と軽い前傾のハンドル位置もあって、体のおさまりがすごくいい。マシンとの一体感が高く車体を安定してホールドできるため、安心感があるのだ。ライディングモードはスポーツ、ロード、レインに加えてマニュアルセッティングのライダーモードがあるが、まずは標準ともいえるロードで一般道を走ってみた。そこですぐに感じたのは、電子制御スロットルのピックアップの良さだ。ライダーの右手操作にきわめてリニアに反応し、フィーリングがすこぶる気持ちがいいのだ。エンジンは低回転からトルクが太いので、街中では3000回転もあれば交通の流れを十分にリードできてしまう。さらに秀逸だなと感じたのがクイックシフターだ。わずか1500回転ほどから作動し、もちろんアップダウン両方に対応、シフトチェンジの際にも機械的なショックは全くなく、適度なクリック感がありつつもニュルッとギアが入る感じで、それがとてもやわらかく上質なタッチなのだ。前後のサスペンションもしなやかで、荒れた路面に突っ込んでも凹凸をよく吸収してくれることもあり、一般道での総合的な印象は、疲れない、とても乗りやすいマシンというイメージだ。

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続いてスポーツモードに切り替え、高速道路に乗り入れると、イメージが一変した。6000回転より上に回すとエンジンのうなりと排気音は迫力ある咆哮に変わり、弾かれたように加速していく。素直で伸びのあるパワーの出方はさすが並列4気筒で、ついついスロットルを開け気味になってしまう。

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ハンドリングは素直で、レーンチェンジの際などにクイックな切り返しをしても思ったところにピタリと決まり、不安定さは全くない。一般道ではしなやかさが目立っていたサスペンションも、スピードレンジが速くなるとカッチリしつつ、粘りもある印象で、キツめのコーナーやアップダウンが続くような場合でも安心して体を預けていける。クルーズコントロールも装備しているので、長距離移動時に楽をすることも可能だ。

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郊外のちょっとしたワインディングを流してみると、さらに扱いやすさと実力の高さを感じる。しなやかで路面状況を的確に伝えてくれる前後のサスペンションと強力かつコントローラブルなブレーキにより、ヒラヒラと切り替えせる軽快な機動力と、その気になれば瞬時にビッグパワーを安全に引き出せる力強さのバランスが絶妙なのだ。同じZシリーズでも、1100より軽くコンパクトで構えずに済むし、650のようにちょっと物足りない感じもない。また、リモートダイヤルつきのリアサスは荷物の積載や好みに応じて簡単にスプリングのプリロードを変更できるのも、スタンダードモデルにはない便利なポイントだ。さらに興味深かったのが、メーターディスプレイに航空機の姿勢指示器のような丸いリーン角インジケーター表示を出せること。まるでパイロットになったような気分でバンク状態を知ることができて面白いのだ。こんなちょっとした工夫も、ライディングの楽しさを一層高めてくれる。

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シティランから高速を使ってのツーリング、そしてワインディングでのスポーティな走りまで、様々な状況で使い勝手がいいZ900SEは、大型バイクビギナーからベテランライダーまで、多くの人に「ちょうどいい」と「質の高さ」を同時に感じさせてくれる、オールマイティなマシンだと感じた。

カワサキ Z900SE 詳細写真

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2025年モデルから新しくなったフロントフェイス。よりシャープでアグレッシブなデザインとなり、コンパクトに。

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5インチTFTカラー液晶はスマホと連携し、専用アプリによって音声コマンドとターンバイターン式のナビを使用可能。航空機のコクピットのようなリーン角インジケーターも新鮮だ。

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ハンドル左側のスイッチボックスには、ライディングモードの切り替えやクルーズコントロールの設定スイッチなどが配されている。

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ハンドル右側のスイッチボックスはスターター/キルスイッチのみとシンプルだ。

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Z900SEの専用装備として、メーターフード内左側にはUSB Type-C電源を標準で備えている。

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メカニカルな造形も美しい948ccの水冷並列4気筒DOHC4バルブエンジン。電子制御スロットルの採用とカムプロファイルの見直しで加速感が向上した。最高出力は91kW(124PS)/9,500rpmだ。

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オーリンズ製S46サスペンションはZ900SEの専用装備だ。リモコンでスプリングプリロードがワンタッチで調整できるほか、伸側減衰力も調整が可能。

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シートはZ900SEの専用品を装着。本革風の表皮にステッチを配して高級感をアップしている。

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シート下にはETC2.0車載器を標準で装備。バッテリーやヒューズにも簡単にアクセスが可能だ。

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シート下に収納されている車載工具はご覧の通り、必要最低限のもの。

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車体の左側側面にはコの字ピン式のヘルメットホルダーを装備している。

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1500回転から作動するクイックシフターはタッチも良好で使い勝手がいい。ステップ、チェンジペダルともにラバーを装備。

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ペダル類はブレーキ、チェンジ双方とも肉抜きされたものを装備。ブレーキペダルは滑り止め加工が施されている。

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フロントフォークはフルアジャスタブル。ブレンボのブレーキコンポーネントはZ900SEの専用装備だ。ディスク径は300mmで、タイヤサイズは120/70ZR17M/C (58W)。

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リアブレーキのディスク径は250mmで、タイヤサイズは180/55ZR17M/C (73W)。銘柄はダンロップのSPORTMAX Q5Aを履く。

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灯火類はすべてLEDを採用。リアは導光パネルを使った有機的なデザインとなっている。

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テスターは身長170cmで足は短め。Z900SEのシート高は810mmで絞り込まれている形状のため、片足ならほぼかかとまで地面につく。両足でもしっかりと母指球まで接地するので、不安を感じることはなかった。

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