【インディアン ロードマスター・パワープラス 試乗記】豪華装備とハイパフォーマンスの共演

掲載日:2025年04月30日 試乗インプレ・レビュー    

取材協力/ポラリスジャパン
写真/インディアン モーターサイクル
取材・文/河野 正士
衣装協力/クシタニアルパインスターズ

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INDIAN Roadmaster Powerplus

インディアン・モーターサイクルは、水冷V型2気筒OHCエンジンPowerplus(パワープラス)をアップデート。排気量を拡大し、エンジン名もPowerplus112とした。その新型エンジンを搭載した「Chieftain Powerplus(チーフテン・パワープラス)」は先にお届けした。その「Chieftain Powerplus」とともに発表されたのが「Roadmaster Powerplus(ロードマスター・パワープラス)」だ。ここではその新型車を紹介する。

クラシックスタイルとモダンな装備

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インディアン・モーターサイクル(以下インディアンMC)は、先に紹介した「Chieftain Powerplus(チーフテン・パワープラス)」とともに「Roadmaster Powerplus(ロードマスター・パワープラス)」を新たにラインナップに加えた。両車はエンジンやフレーム、前後サスペンションやブレーキシステム、各種電子制御システムや外装類など多くのアイテムを共有している。

おもな変更点は、可動式電動スクリーンの高さやハンドルバーの形状、走行風の流入をコントロールするフロントカウル下部のディフューザーやステッププレート前のロアカウル、パッセンジャーのバックレストを兼ねる大型トップケースの有無、そしてエレクトリカル・アジャスタブル・リアサスペンション・プリロードの採用だ。装備を吟味し、低く若々しいスタイルを造り出しているのがインディアンMCのバガー・カテゴリーに属する「Chieftain Powerplus」であり、豪華装備でツーリング・カテゴリーに属する「Roadmaster Powerplus」である。この同じプラットフォームで異なるキャラクターを造り上げる手法は、「Challenger(チャレンジャー)」と「Pursuit(パースート)」の両車間でも見られる。

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「Roadmaster Powerplus (右/アクセサリー装着車)」と「Chieftain Powerplus」

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「Challenger(右)」と「Pursuit」

このバガーとツーリングが、現在ヘビー級クルーザーのメイン市場である北米で、インディアンMCとライバルブランドが熾烈なシェア争いを繰り広げているカテゴリーである。

かつてアメリカンクルーザーの長距離走行時の快適性や積載性を向上するために装着した大型スクリーンや革製サイドバッグはやがて、フロントフォークにマウントする樹脂製の大型のフロントカウルやリアサイドケース、トップケースとなり、それがアメリカンクルーザーカテゴリーにおけるツーリングモデルの基本ディテールとなった。

そしてそれらのディテールは空力を強く意識し、フロントカウルはフレームにマウントされ、ケース類はリアフェンダーの形状と合わせて流線型となった。そして、そのツーリングモデルをベースに、スクリーンを低くカットしたり、トップケースを排除したり、ハンドル位置も低くしたりしたカスタムスタイル/バガーが誕生。そのトレンドを二輪車ブランドが市販車に取り込み、バガーモデルがアメリカンクルーザーのひとつのカテゴリーになったのである。

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このバガーモデルは大ヒットした。ストリートで生まれたカスタムスタイルがベースになっていることから若いライダーたちをアメリカンクルーザーシーンに取り込み、それによってバイク以外のさまざまなカルチャーとシンクロしていったのである。また若いライダーたちは、アメリカンマッスルカーに傾倒するドライバーたちがそうであるようにパフォーマンス指向であり、チューニングパーツブランドおよびカスタムパーツブランドを巻き込み、市場を活性化させた。その究極のカタチとして誕生したのが、大型フロントカウルとサイドケースが付いたヘビー級クルーザーモデルで争われるアメリカのロードレース選手権キング・オブ・ザ・バガーズであることは、皆さんもご存じの通りである。

インディアンMCが、プラットフォームを変更して「Chieftain Powerplus」と「Roadmaster Powerplus」をモデルラインナップに加えたのも、苛烈を極めるバガーモデルカテゴリーおよびツーリングモデルカテゴリーにおける、インディアンMCのラインナップ強化が目的だったのである。

インディアン ロードマスター・パワープラス 試乗インプレッション

400kgの巨体を自在に操ることができる

「Roadmaster Powerplus」は、「Chieftain Powerplus」と同じ高いパフォーマンスを持っている。排気量112キュービックインチ/1834ccの挟角60度V型2気筒の水冷OHC4バルブエンジン/Powerplus112エンジンは非常にパワフルであり、そのパフォーマンスを活かすため、ボッシュ製6軸IMUから得たデータを元にトラクションコントロールやABSを連動して作動させるSmart Learn Technologyも健在。あらたに前後ブレーキ配分を最適化するエレクトロリック・コンバインド・ブレーキシステムも引き続き装備した。「Chieftain Powerplus」から約40kgも重い車重でありながら、加速力は遜色なく力強い。

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しかしブレーキング時やコーナーへのアプローチ時およびコーナーリング時にはライダー側の事前準備が必要だ。すべての動作で「Roadmaster Powerplus」の車体の反応はゆっくりとなり、体重移動やハンドル操作でコーナーに向けて車体を動かしたとき、その揺り返しのような車体の反応もある。それらを考慮し、すべての動作に対して早めに準備し、ライダーのアクションもゆったりと行うことが必要だ。

ただしこれらの反応は、僕が軽量な「Chieftain Powerplus」と同じような反応を求めて意地悪な操作をしたときのもので、「Roadmaster Powerplus」のキャラクターを活かす走りをすれば、さほど問題にならないだろう。今回「Roadmaster Powerplus」の試乗は、全300kmのルートの中のわずかしか走らせられなかったが、チャンスがあればロングコースをライディングして、最先端のアメリカン・ツーリングモデルを堪能してみたいと感じたのだった。

インディアン ロードマスター・パワープラス 詳細写真

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フロントフォークにマウントした新しいフロントカウルの形状は、兄弟モデル「Chieftain Powerplus」と同じ。しかし可動式電動スクリーンにはハイスクリーンを採用。カウル下部には可倒式のウインド・ディフューザーを装着。

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エンジンはPowerplus112を搭載。各種ライディングモードの設定や電子制御デバイスも「Chieftain Powerplus」と同じだ。ステッププレート手前にロアカウルを装着。カウル上部には収納スペースが追加され、その下部には可倒式のウインド・ディフューザーも装備。

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テールライト上部にボッシュ製のミリ波レーダーを装備。これで読み取った後方の車両状況を元に、左右後方の死角に車両が入ったことをライダーに警告する「ブラインドスポット・ワーニング」や、後方車両の接近をライダーに知らせる「テールゲート・ワーニング」、衝突の可能性が検出されると、リアケース・ライトで後方接近車両に警告する「リア・コリジョン・ワーニング」などライダー支援機能を作動させる。

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シートは「Pursuit」シリーズと同じ、ツーリング・コンフォート・ヒーターシートを各モデルに採用。タッチスクリーン上で3 段階の温度調節が可能。大容量のトップケースも装備する。

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