

掲載日:2015年01月29日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真・動画/山家健一 衣装協力/HYOD
懐かしさがこみ上げるデザインだ。もちろん、リアルな60年代を知っている世代ではないが、「77」を目の前にするとその時代にタイムスリップしたような気がしてくる。今ではカスタムメーカーでもあまり作っていないと思われるレトロ調のフルカウルやスチール製の扁平ロングタンクが泣かせる。排気量的には250ccクラスということになるが、単気筒ということもあり、かなりコンパクトだ。最近の“ニーゴー”は大型化していて、特に人気のスポーツモデルは性能をアピールするようにエッジの効いたデザインになってきているが、その点「77」は全体的に丸く華奢でか細い。その感じが逆に新鮮なのだ。
跨ってみると車体のスリムさに驚く。まるで昔の原付スポーツモデル並みで、ニーグリップすると内股になってしまうほど。そして軽い。ライポジはやや後ろ乗りになるが、それ以外は思いのほか普通の感じで、セパハンの割にハンドル位置も高めだし、リラックスして乗れると思う。
空冷の223cc単気筒エンジンは、今は珍しくなったキャブレター仕様で、穏やかな吹け上がりが特徴。エンジン回転数が上がってキャブが空気をたくさん吸い込むと、パワーが出てくる感じで、このタイムラグがなかなか楽しい。単気筒らしい鼓動感はあるがトコトコ感は軽めで、走りはスムーズだ。同じスネークモータースのK-16と比べると、さすがに排気量は倍近くあるので加速もメリハリがあり、街中でも十分クルマの流れをリードできる。
ハンドリングは軽快で、軽量スリムな車体を生かして街中をスイスイと走る。前後18インチのスポークホイールは、大きめにとられたフォークオフセットと相まって、ステアリング舵角のつき方は穏やかだが、タイヤが細いので切り返しも軽やかだ。コーナーも普通に曲がるしバンク角もけっこうあるが、ただし今流行りの250スポーツバイクのようにペースを上げてコーナーに飛び込むような走りは苦手と言える。エンジン出力が控えめな分、サスペンションやブレーキもほどほどの性能と思っていれば間違いないだろう。「77」はあくまでもクラシックレーサーの雰囲気を楽しむファッションバイクなのだ。
何かのバイクをベースにこれと同じ仕様に自分でカスタムしようと思ったら、それは大変なことだろう。それを考えるとプライスもお手頃だし、何よりも「夢」のあるバイクライフを手に入れることができるのは素敵なことだと思う。
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