カワサキ Ninja ZX-6R
カワサキ Ninja ZX-6R

カワサキ Ninja ZX-6R – カワサキ流ロードゴーイングレーサー

掲載日:2010年03月25日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

カワサキ Ninja ZX-6Rの特徴

カワサキ Ninja ZX-6Rの画像

豊かな低中速トルクを活かすための
豪華な足回りがZX-6Rの魅力

サーキットにおけるパフォーマンスを最大限に追求したZX-6R。しかし、豊かな低中速トルクを誇るエンジンと、実際的な調整幅を持つ高品位な前後足回りが公道走行とのマッチングを担保しており、意外にも街中ですら走り易いと感じるほどの出来栄えとなっている。

この走り易さを演出している主役はなんといってもパワーユニットだ。水冷4ストローク4バルブDOHC並列4気筒エンジンはアイドリング付近からでも極めて実用的なトルクを発揮し、ワインディングを含む公道走行ではタコメーター上のパワーバンドを意識する必要はまったくない。下手なストリート向けモデルを寄せ付けないほどの扱い易さはZX-6R最大の特徴と言えるだろう。もちろん、開けた時のパワーは非常に刺激的なものだ。モーターのようなスムーズだが、いかにも並列4気筒といったドラマチックな吹け上がりを兼ね備えており、サーキットでなければそのパフォーマンスを解放できないことは明らか。高回転域での泣き叫ぶような排気音も心地よく感じる。

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こうしたフレキシブルなエンジンの良さを引き立てているのが高品位な前後足回りだ。ライダーから見える位置に圧伸両側ダンパーの調整ダイヤルを持つ特徴的なフロントフォークはSHOWA製のBPF(ビッグピストンフロントフォーク)。メインピストン径を従来比約2倍にまで拡大し、ビギニングが非常にスムーズでありながらストロークの奥では非常にコシがある味付けだ。また、リアはフルアジャスタブルで圧側ダンパーは低速・高速が個別に調整可能なサスペンションユニットを採用。前後ともに標準では非常にハードな設定となっているが、ダンパーやプリロード調整機構の1回転、1ノッチが大きな意味を持ち、公道走行がメインであれば各セッティング項目を緩めてやることで劇的に乗り易くなる。実は、調整幅自体は前後ともにそれほど広いわけではなく、仮にいわゆる「全抜き」にしたとしてもダンパーはしっかり効いている。是非ともさまざまなセッティングを試して、ハンドリングと乗り易さに対するその影響力を味わいたいところだ。

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公道走行でも疲れにくい絶妙なライディングポジションは「カワサキらしさ」を感じてしまう部分だ。近年のスーパースポーツは極端な前傾姿勢ではないことも多いが、このZX-6Rも同様。さすがにロングツーリングに適合するわけではないが、ハンドルバーの位置もやや高めで距離を乗っても想像以上に疲れは少ない。カワサキらしからぬ仕上がりを想像していたZX-6Rだが、試乗後にこうして細部を観察してみると、随所にカワサキらしさが散りばめられていると感じる。

カワサキ Ninja ZX-6Rの詳細写真は次ページにて

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