掲載日:2015年01月26日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/山下 剛
GSR600に代わるモデルとして2010年のインターモト(ケルンショー)で登場。翌年から欧州市場で販売開始され、国内仕様が日本で発売されたのは2013年のこと。GSX-R750直系となる水冷並列4気筒エンジンの最高出力は、欧州仕様と同一の106psを発生するストリートファイター系ネイキッドです。
750cc専用設計としては最後となるGSX-R750のエンジンをベースとし、カムプロフィールや吸排気系を見直すことで低回転域の実用性をアップ。最高出力こそGSX-R750より低いのですが、最大トルクは上回っており、扱いやすいハイパワーエンジンを実現してるのが特徴です。マルチエンジンらしい高回転域まで一気に吹け上がる軽快さを楽しめます。
GSR750専用に開発されたフレームは、GSX-R750やGSR600のアルミ製とは異なるスチールを採用。D型断面構造を持つツインスパーと丸型断面のチューブラーを組み合わせた構造となっています。コンパクトで軽量、かつ剛性としなりを備えており、軽快なハンドリングを実現しています。
高級感あるゴールドアルマイトが目を引く倒立フロントフォークと、プログレッシブリンクを介して装着されるリアショックはカヤバ製。ブレーキはフロントにトキコ製2ポッド、リアにはニッシン製キャリパーを装備します。もちろん車名のとおりABSが標準装備され、気負うことなくブレーキに集中できる安全性を持っています。このABSは自己診断機能を備えているため、万が一の故障の際にも安心です。
ストリートファイターらしさに溢れるデザインのアッパーカウルには、エアインテークとスクリーンを装備。カウルから風が流れるようにデザインされたタンクやラジエターシュラウドなどの効果で、ネイキッドながらも高いウィンドプロテクションも実現しており、普段の街乗りから週末のワインディングライド、日帰りはもちろんロングツーリングまで、マルチエンジンの軽快さとパワフルさを存分に楽しめます。
YZF-R1をベースに排気量を779ccとした水冷4気筒エンジンを搭載。FZ1で培ったノウハウが凝縮されたミドルクラスで、扱いやすさとスポーツ性を両立。
Z750から進化したZシリーズのミドルネイキッド。全域でトルクを生み出す水冷並列4気筒エンジンをアグレッシブな肉食動物のイメージでデザイン。ABSモデルもある。
小気味よく吹け上がる水冷並列3気筒エンジンが定評あるネイキッド。ハンドリングも軽快で、街乗りからツーリングまでスポーツライドを楽しめる。国産車並みの価格も魅力。
GSR750 は排気量 749cc の水冷直列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッドです。エンジンは2005年モデルの GSX-R750 をベースにしたもので、カムプロファイルの見直しや吸排気系の変更により中回転域でのトルクを向上し、扱いやすいパワー特性が持たされています。フレームにはスチール製のツインスパータイプを採用。先代モデルにあたる GSR600 がアルミ鋳造フレームを採用していたことを考えるとグレードダウンとも感じられますが、充分に軽量で、優れた剛性バランスを実現しています。フロントフォークは正立フォークから高剛性な倒立フォークへとコンバートされていて、車体のグレードが落とされたのではなく、パッケージとしての完成度を考えてのパーツチョイスだと言えるでしょう。ハンドリングもスーパースポーツ的な、クイックでスパルタンな味付けがなされています。
先代 GSR600 は 600cc クラスのスーパースポーツ GSX-R600 由来のエンジンを搭載していましたが、そもそも GSX-R600 と GSR750 のベースとなった GSX-R750 は、共通点を多くもった兄弟モデルです。レースのベースマシンとしての側面を持つ GSX-R600 は、レースのレギュレーションに合わせるために様々な制限が課されていますが、レース参戦を考えない GSX-R750 は純粋なスポーツモデルとして自由な設計が施されており、ストリートスポーツとしても非常に評価の高い車種です。そんな GSX-R750 のエンジンを、更にストリート向けに熟成を施した GSR750 ですから、十分以上にパワフルで、痛快なパワーフィールを体感させてくれるのです。また、軽く小さく作られたスーパースポーツマシンのエンジンを使用しているため、車格もフルサイズのリッターネイキッドに比べてコンパクト。車重も軽めなので、押し歩きも軽快です。シート高は高めですが、取り回し性は良好です。GSR750 は排気量も車格もリッタークラスと比べると少し小さめですが、走りのポテンシャルはそれ以上というツウ好みの一台なのです。
GSR600 には国内仕様として基本コンポーネンツを共有する兄弟車の GSR400 が存在していましたが、GSR750 には今のところ国内仕様にあたる車両は登場していません。GSR400 は現在も先代 GSR600 ベースの車両が継続販売されています。GSR400 のモデルチェンジにも期待したいところです。(文/淺倉 恵介)
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