掲載日:2012年03月21日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/淺倉 恵介
ZX-6R は 599cc の排気量を持つ、カワサキのミドルクラスのスーパースポーツです。初代モデルが登場したのは1995年、前年にデビューしていた兄弟車 ZX-9R によく似たフォルムを持たされていました。1998年には初のフルモデルチェンジを敢行、軽量化が進み運動性が大きく向上しました。続く2000年にもフルモデルチェンジを果たし、デュアルヘッドライトの採用などエクステリアのイメージが変わっています。ZX-6R が大きな変革を迎えたのは2002年、エンジンの排気量が 636cc まで拡大されました。600cc クラスのスーパースポーツは、プロダクションレースのベース車両としても使われるため、その多くはエンジンの排気量を 600cc 以下に収めてレースのレギュレーションに適合させています。カワサキはレースの枠から飛び出すことで排気量の制限から解放され、ロードスポーツとしての完成度を高めたのです。翌2003年、フルモデルチェンジを迎えるのですが、この年からはストリート用の 636cc モデル、レース対応の 599cc モデルの2本立て販売となります。2モデル併売は続く2005年のフルモデルチェンジでも継続されていましたが、2007年のモデルチェンジで、再び 599cc エンジンに統合されることとなります。2002年から2006年のモデルに関しては、同じ車名でも排気量が異なる2モデルが存在するので、中古車購入時には注意したいところです。
現行モデルは、基本的に2009年のフルモデルチェンジで登場したモデルが継続販売されています。現行 ZX-6R のエンジンは、中速域のトルク強化を意識したセッティングが施されており、実際に低中回転域の力強さと扱いやすさは、クラスのトップレベルとの評価を受けています。ライディングポジションはスーパースポーツらしい過激な前傾姿勢ですが、それさえ気にならないのであればコミューターとしてシティユースもこなせてしまうフレキシビリティに富んだエンジン特性が特徴です。それでいて最高出力も約 126ps と、やはりクラスでトップクラスのパワーを確保しているところも見逃せません。フロントフォークには、世界に先駆けショーワ製のビッグピストンフロントフォークを採用。これは、ダンパーのメインピストン径を従来品の約2倍に拡大、フロントフォーク内のオイル接触面積を約4倍に拡げ、ストローク初期のスムーズな作動性と高い安定性を実現したもので、現在のスーパースポーツでは主流になりつつある装備です。先進的な足周りを持つシャシーに、パワフルで扱いやすいエンジンを搭載した ZX-6R は、サーキットはもちろんストリートでも魅力的なモデルなのです。
モトGPマシンゆずりのリアサスペンション、ユニットプロリンクを搭載。600ccスーパースポーツでは、唯一日本仕様が用意されている。また、ABS仕様車もラインナップ。
2009年のスーパースポーツ世界選手権チャンピオン獲得マシン。量産オートバイとしては初のライド・バイ・ワイヤ方式となる、電子制御スロットルYCC-Tを搭載する。
エンジンのピストンは、モトGPマシンGSV-Rからフィードバックされた鍛造ピストンを採用。出力モード選択システムS-DMSを装備し、2つのパワーモードを選択可能。
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