掲載日:2017年06月02日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/杉山研二
アルミツインチューブフレームに1,043ccのハイパワー水冷4気筒を搭載したフルカウルのスポーツツアラーです。国内仕様も登場した2017年モデルでは、エクステリアが従来モデルよりシャープなデザインへと一新。また電子制御関係では車体挙動をコントロールするKCMFの採用やブレーキ制御のセッティング変更、エンジン制御のセッティング変更なども行われました。
フロントのデュアルヘッドランプは、LEDを採用することで照射エリアが広がり消費電力も減少しました。3段階の角度調整が可能なスクリーンは、従来モデルより中央部で15mm高くなりウインドプロテクション効果が向上。左右のフェアリングは幅がそれぞれ28mm広がり、ひざ周りの風防効果が上がりました。またフェアリングの一部がフレームを覆う形状となりましたのでニーグリップがしやすくなり、エンジンの熱もライダーに伝わりにくくなりました。
KCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)は、コーナリング中のエンジンパワーやブレーキ効力を最適な状態にコントロールするものです。トラクション制御、ウイリー制御、ピッチング制御、旋回中のブレーキ制御を行い、加速から減速、減速から加速に移行する際の挙動をスムーズにしてライダーが意図したラインをトレースしやすくします。なおKCMFのキーとなるのがボッシュ製のIMU(慣性計測装置)ですが、これは前後、左右、上下の加速度と、ロールとピッチを計測するもの。さらにECUでヨーを計算することで車体姿勢の6自由度が分かり、挙動の制御が可能となっています。
エンジンはセッティングを変更することで、よりスムーズなパワー特性を実現。同時に排ガスのクリーン化も促進しました。排気系ではキャタライザーの変更が行われています。また蒸散ガスを抑止するエバポレーターも採用しました。
車体色はライムグリーンとブラックの2種類、車両価格は税8%込みで127万4,400円です。そのほか別売でパニアケース、グリップヒーター、DC電源ソケットなど、ツーリングを快適にする純正アクセサリーがたくさん用意されています。
GSX-R1000のエンジンとコンポーネントをストリート用にリファインして採用。エンジンはボア73.4mm、ストローク59mmのロングストローク傾向に。税8%込みで118万5,840円。
ロングツーリングに適したフルカウルのスポーツモデル。エンジンは1,236ccのV型4気筒を搭載。標準モデルは税8%込みで162万円。自動変速のDCT採用モデルは172万8,000円。
最高出力92kW(125ps)のボクサーツインを搭載したスポーツツアラー。リラックスできるポジションやプロテクション効果の高いカウリングを持つ。税8%込みで189万9,000円。
Z1000 と基本設計を共有するスポーツツアラーです。登場時期に約1年の開きがあるため、ストリートファイター然とした Z1000 の外装部品を手直ししただけと思われることもあるようですが(ガソリンタンク容量は Z1000 より4L多い19Lで、ウインドスクリーンは3段階の高さ調整が可能)、実はニンジャ1000の開発は数年前から始まっていました。ゼロから生み出された水冷並列4気筒エンジンとバックボーンタイプのアルミフレームは、小変更で両機種に使用できることを前提に設計が行われたのです。
近年のカワサキは海外市場向けとして、Z1000、ZX-10R、ZZR1400、1400GTR、国内市場向けとして ZRX1200 シリーズと、計5台の大排気量並列4気筒車を販売してきました。ニンジャ1000はそれらのいいとこ取りと言うべき特性を持っていて、Z1000 の刺激と官能性、ZX-10R の運動性、ZZR1400 の巡航性、1400GTR の快適性、そして ZRX1200 シリーズの親しみやすさが盛り込まれています。もちろん、そういった欲張りな特性を与えた以上、各性能に特化した車両に及ばない面があるのも事実ですが、既存のビッグネイキッドにカウリングを装着しただけのモデルでは決して味わえない、ほぼ専用設計だからこそ実現できた高次元のオールラウンド性能を、ニンジャ1000は生まれながらにして備えているのです。
純正オプションが豊富な点もニンジャ1000ならではの魅力で、中でもボディと同色のカバーが準備される GIVI 製トップ/パニアケースは、多くのツーリングライダーから注目を集めています。残念ながらトップとパニアの同時装着はできませんが、123万9,000円の車両本体価格(ABS仕様は130万2,000円)にいずれかのケースとステーを合わせて150万円を切る価格設定は、ライバル勢に対する大きなアドバンテージです。
2005/2006年型YZF-R1用の並列4気筒エンジンを、専用設計のアルミツインスパーフレームに搭載。もともとは海外向けモデルだが、2008年には国内仕様も登場
スチールフレーム+水冷並列4気筒のバンディットには、ハーフカウル付きのSとフルカウルのFが存在。純正オプションとしてトップ/パニアケースが準備される。
CB1300SBをベースに開発された日本向けスポーツツアラー。左右パニアケースが標準装備で、ハンドルやスクリーン、マフラー、ジェネレーターなどは専用設計。
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