掲載日/2015年10月7日
2014年12月のデビュー以来、250cc市場をリードし続けるヤマハYZF-R25。人気にあやかったアフターパーツも、ストリート&レース双方向けに花盛りだ。その最新動向を各社自慢のパーツ群で彩られた、デモバイクを軸に見ていく。
※表示はすべて消費税8%込み価格です(2015年9月現在)
2015年春の東京モーターサイクルショーでは注目のYZF-R25をベースとしたデモ車が多く展示されたが、写真のアクティブ車もその1台。ホワイトを基にブルーのゼブララインを引いたペイントも清々しい。「手頃な値段がよかったか、アクラポヴィッチのスリップオンマフラー(デモ車に装着)の引き合いが多いですね」(広報担当・小山博由来さん)と、反応も上々の様子。ハイスロットルKITも人気商品。全開時に握り直しが必要となるSTDのネガ改善に、レースはもとより街乗り派の高い支持も受けている。
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※ アクティブ(電話/0561-72-7011)
YZF-R25カスタム アクティブ仕様
Fホイールは同社オリジナルブランド、ゲイルスピードのタイプGP1S。サイズは3.00-17で8万9,640円。販売開始されたブレンボ40mmピッチ用キャリパーサポートは8,424円
Rホイールは4.00-17、11万3,400円。アールズブルーのアルマイトはカラーオーダーシステム(ホイールのみ処理で前後セットで27万8,640円)による。アクラポヴィッチS/Oはステンレス製、GPタイプサイレンサー仕様で3万8,880円だ
リアショックはハイパープロ。装着されるのは独立リザーバーHPA付きの最高級仕様で15万6,600円
ハイスロットルKITは同社製EVO・ラージ仕様で1万7,280円。セパハンはギルズツーリング製GPライトで2万520円だ
メイン、タンデムシートとも表皮貼替えで色合わせ済み
プロトによる、このYZF-R25カスタムは主にストリートでの快適性を重視した仕様。「当初はフロントブレーキキャリパーの、ブレンボへの置換も検討しましたが、街乗りにこの強力な制動は不要との結論で、装着はあえて見送っています」(広報担当・野呂博之さん)と、細部まで徹底検討した様子も見て取れる。同社が販売窓口となるNOJIMAのチタンM2スリップオンマフラーも、装着だけで約3psアップ。実力派マフラーブランドの面目躍如たるところだ。
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※ プロト(電話/0566-36-0456)
YZF-R25カスタム プロト仕様
その焼け色も美しい、ノジマエンジニアリングのチタンM2スリップオンの価格は6万2,640円。STD:2.8kgから1.5kgに軽量化できるのも魅力。JMCA認定政府認証品
ブレーキマスターはプロトが代理店を務める、 ブレンボのRCSブレーキマスター。ラジアルφ15mmでレバーレシオは18/20mm可変式(5万1,840円)。別体タンクはPLOTフレシキブルアーム(4,298円)でマウント。ホースはスウェッジライン(1万260円)
メインシートの中にゲル内蔵で疲労軽減に効くゲルザブSS(7,452円)を組み込む
チェーンは江沼の520×120L(1万7,418円)、アルミ製RスプロケットはAFAMの43T
ダブルバブルのスクリーンはMRAのレーシング・スモーク(1万6,632円)、ヘッドライトはスフィアライトのLED(1万584円)に換装。フェイスまわりを引き締める
FRPパーツ製作で知られた才谷屋ファクトリーは現在、エイトがプロデュースするパーツブランド。同社が開発中なのが、R1タイプスペシャルボディパーツ。兄貴分YZF-R1のルックスに換装できるフルカウルだ。「デモ車ではR1純正のヘッドライトでしたが部品価格が高いので、量産ではプロテック製LEDライトを使用予定です。現在、そのステー開発の真っ最中」と、金田哲幸代表。発売が待ち遠しい魅惑アイテムだ。
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※ エイト(電話/072-485-2130)
YZF-R25カスタム 才谷屋ファクトリー仕様
まんまR1のフェイスデザインが迫力。「7万円超となる純正ヘッドライトはさすがにユーザーに負担」と、市販品ではプロテック製LEDライトを装着できるように変更。フルカウルはアッパー、左右サイド、アンダーカウルの4ピース。白ゲル、ビス留め仕様(5万7,240円)から黒ゲルクイックファスナー仕様(6万9,120円)間で4タイプ
マフラーはK2tecのBRESSスリップオンを装着。バックステップとスタンドフックはRC甲子園製
ハンドルはアグラス製に換装。R1ルックにフィットするスクリーンは1万7,280円だ
エンジンプロテクター(右:1万4,580円/左:1万3,500円)はカーボンケプラー製
カーボン素材を使ったオリジナルデザインのフロントフェンダーは平織り:2万5,920円、綾織り:2万7,000円。R1タイプカウルにぴったりのボリューム感もいい
ベビーフェイスといえばステップKITがAMAロードレースで評価され、全米に浸透したことが知られるが、「今では全日本ロードや鈴鹿8耐でも多くのチームに使っていただいてますよ」(同社・池田宏光さん)と言う。デモ車にはそんな同社が近々に正式発売するハンドルキットが装着される。「国内はもちろん、アジア各地でのレースでも先行試用中。無駄な“しなり”のないダイレクト感を追求しました」(同)。サーキットで研がれた同品、予価は2万円台だ。
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※ ベビーフェイス(電話/0721-24-8882)
YZF-R25カスタム ベビーフェイス仕様
ハンドルKITはアルミ削り出しのフォーククランプに袋状に開いたバーホルダー(開放式ではない)に差し込む仕様。いかにも高剛性といった感
上級のレーシングコンセプトのノウハウをフィードバックした、ベースプレートがワンプレートのストリート向けバックステップは5万4,000円。5ポジション選択可
転倒時にレバーを折損から守るレバーガードはレースフィールドから生まれたパーツだが、ストリートでも有効なアイテムだ。ブレーキ/クラッチ共用品で8,424円
R25を車載する時に、タイダウンベルトのアンカーポイントとして重宝するレーシングフックは3,780円。タンデムステップホルダーを取り外し装着する
スポーツライド向きスライダーはレーシングポジションを考慮した。2万3,760円
「R25の場合、ウチでは自社レーサーも走らせて製品検証しています」(同社・久保山孝二さん)という製品群。中でもハンドルセットはちょうどコンチハンドルに変えたような、絶妙の位置と垂れ角が自慢。ストリート、レース用2種が用意される。ステップもレースユースにはSTDが前過ぎる、とハードライディング用の最適位置を探り出した。すべては実戦からの答え。デモ車装着パーツ中、唯一、まだ開発途上というフルエキゾーストの発売も待たれる。
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※ アグラス(電話/0736-25-0250)
前社名ミクニレーシングデベロッブメント時代から、幅広いバックステップキットのラインナップで知られる同社。R25用はUP:65/75mm、BACK:45/55mmの4ポジション式で7万3,440円
現行YZF-R1やYZR-M1のそれを彷彿させるトップブリッジは3万4,560円。垂れ角10度(純正は0度)、純正からグリップ中央部で前方に20mm、下方に25mmダウンのハンドルセットは3万2,400円。トップブリッジとハンドル両者セットで6万4,800円。イニシャルアジャスターは1万5,120円
現仕様ではテーパー形状のテールパイプ+ショートサイレンサーのフルEX。開発中商品だ
ブレンボ製ビレット2Pキャリパー(84mmピッチ)が装着できるリアキャリパーサポートは3万780円。レース仕様の定番、スタンドプレート(1万2,960円)はSアームエンドのM6穴を利用する
「現行車の外装は勘合部が精緻にできていて、我々もその品質を保持しなければならない。高度な技術を持つ“貼り子さん”をいかに確保するかが、カーボンパーツメーカー共通の課題です」と、業界の裏側を教えてくれた広報・大西雄一郎さん。マジカルの製品で言えば、スクリーンのカーボントリム部がそれ。逆に言えばその精緻こそが、同社製品のウリ。一方で人気アイテムはリアフェンダー。複雑なデザインが要り、競合製品が現れないからだとか。
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※ マジカルレーシング(電話/072-977-2312)
スーパーコートスクリーン装着のカーボントリムスクリーンは4万1,040円。歪みの少ない視界が特長。レーサーレプリカミラー・タイプ1ヘッド+スーパーロングエルボステーは4万2,120円~
リアフェンダーはFRP製の白/黒、カーボンは平織り/綾織りから選べ、1万7,280円~。フロントフェンダーとアンダーカウルも同4種が用意され、各1万7,280円~/2万7,000円~
フルブレーキング時のタンクへの乗り上げを防止するタンクエンドは中空モノコック構造を採用。スポーツライディングでのマシンホールドにも有効なアイテムだ。1万2,960円~
こちらはレーシングボディワーク。FRP製フルカウルは6万6,960円、同品専用スクリーンは1万1,880円、FRP製タンクカバーは各2万1,600円など。老舗ボディパーツメーカーのノウハウが息づく
250ccとは言え溢れるスーパースポーツとしての資質が人気のYZF-R25。ストリートから本格モータースポーツまで、そのパフォーマンスをさらに磨くパーツ&用品を各社販売中だ!
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エキゾーストパイプから交換する、フルエキゾーストタイプのショート管。サイレンサーにはチタン真円タイプ(φ100-270mm)が組み合わせれられる。近接排気騒音値92dB、JMCA認定品
排ガス・騒音規制をクリアする、Mark3サイレンサーを採用したスリップオンマフラー。チタン異型の280mmビッグサイレンサーがテールまわりの迫力を増す。近接排気騒音値は90dB、JMCA認定品
ジュラルミン製ステップキットは、BACK30?70mm/UP30?80mmから10ポジションに設定可能。ブラックアルマイトが基本色で、1万6,200円アップでカラーオーダーにも対応している
万一の転倒時に受ける衝撃をそらし、カウルなどへのダメージを低減する。アルミベースにジュラコンのスライダーが装着され、そのスライダーのみの交換も可能。取り付けはボルトオン
ドイツのギルズツーリング社が製作した、軽量セパレートハンドルバーで、超々ジュラルミンとも呼ばれるA7075材が素材に使われる。総重量は僅か246g。R25用はクランプ径Φ41mm
フェンダーレスキットは、リアスタイルをすっきりと見せたい向きのマストアイテムだ。アクティブ製ならボルトオンで交換OKで、LEDナンバー灯も付属する。保安基準適合品だ
MotoGPをはじめとするモータースポーツシーンでの装着車両が多く、世界的に著名なスポーツマフラーブランド、アクラポヴィッチのフルエキゾースト。素材はステンレス。レース専用品
限られたスペース内でフィルターコットンの折り方など工夫して表面積を拡大、吸気効率を向上させた、純正交換タイプのフィルター。独自の化学合成オイルを使い耐久性も高い
ヨーロッパ最大のスポーツマフラーメーカー、スロベニアのアクラポビッチ社がプロデュースするスリップオンは、MotoGPスタイルの軽量コンパクトな仕様だ
スチール製ブラケットの組み合わせで、純正リヤフェンダーからボルトオンで交換可能なフェンダーレスキット。灯火類は純正パーツを流用。保安基準適合品だ
アメリカのラムマウントに対応したブレーキ/クラッチリザーバーホルダー用クランプ。写真の通り別売の対応ホルダーを併用すればスマホなどの固定ができる
コンパクトで積載しやすいタンクバッグ。専用アタッチメント固定式で、出先での着脱も素早く行える。容量は11L。専用ストラップ付きでディパックスタイルにも
リアシートに装着するタイプで、容量は基本の15Lからヘルメットまで入る23Lへと、拡大(縮小)できる。ストラップベルトによる車両への固定も容易だ
レース向けFRP製レーシングボディパーツで、アッパー、左右サイド、アンダーの4ピースで構成される。純正形状のTYPE-1と違い、ダウンハンドル仕様となる
純正リアフェンダーと交換すれば、500g以上の軽量化が可能なFRP製キット。基本は黒ゲルコート仕上げだ。ナンバー灯およびリフレクターは、純正パーツをそのまま流用できる
純正タンクに被せるFRP製カバー。レース用カウルとの併用に。上写真は純正形状、下はタンクエンド延長仕様のタイプ2。仕上げはそれぞれ、白ゲルコートと黒ゲルコートの2種から選べる
YZF-R25用としては少数派の、デュアルサイレンサー仕様フルエキゾースト。シリンダーヘッドからテールエンドまで、迫力溢れる左右2本出しスタイルが魅力だ。近接排気騒音値は94dB、JMCA認定品
SP忠男の看板商品・パワーボックスの、スリップオンモデル。純正EXとの接続部にボックスを設けてトルク感を増し、高回転へのスムーズな吹け上がりも実現。近接排気騒音値は92dB、JMCA認定品
何よりクォリティの高さが魅力のステップキット。全7種類(BACK:50/60/70mm&UP:60/72.5/85mm)のポジション設定でスポーツランに対応。ベースプレートは黒、ステップは金、黒、銀の3色。ABS車不可
スイングアームへの装着でメンテナンススタンドに載せやすくする、レースシーンでの必須アイテム。ジュラコン素材で転倒時にはスライダーにもなり、Sアーム保護効果も持つ
フロントアクスルシャフトに装着、走行中の万一の転倒時も、ジュラコン製スライダーが滑って路面からの衝撃を軽減、フロントまわりのパーツへのダメージを軽減するアイテム
純正セパレートハンドルをバーハンドル化するためのキットで、ハンドル位置が40mm高く、50mm手前に移動する。アップライトなポジションで、ライディング時の前傾姿勢を緩和
ハリケーン製アルミフェンダーレスキットには車種専用ハーネスも同梱されて、装着の難易度は低い。ブラックアルマイト仕上げで質感も高く、LEDナンバー灯も付属している
ブレンボ製Fキャリパーをフィッティングするためのアルミ削り出しサポート。アクシャル用はマウントピッチ40mm品に、ラジアル用は108mmのGSX-R750/600用純正の鋳造ラジアルに対応する
足下を引き締める、アルミ製のスペーサーカラー。前後ともシルバー、レッド、ブルー、ゴールド、ブラック、チタン、ガンメタの、7色のアルマイトから好みで選択可。セットなら6,480円
ワイヤリング用穴が開けられた、M27×P3.0のアルミ削り出しキャップ。2個の専用ステンレス製ワイヤリンクと、ワイヤも付属したオールインワン。ドレスアップ派から本格レース組まで使えるアイテム。全7色
全5ピースで構成される、高精度アルミ削り出しによるスタビライザー。サーキット走行時等での、フロントまわりの剛性感アップに効くチューニングパーツ。装着には純正フォークガードの取り外しが必要となる
チャンバー製作で著名な同店だが近年は4スト用マフラーにもBRESSブランドで進出。R25用はスタンダードで3種のエンド(3ピース、S6、M1)に、メガホンタイプを加えた4種で展開
アクリポイントは純国産を謳うスクリーン専門メーカーで新旧問わずの幅広い車種向けにラインナップ。また、なければワンオフ製作にも応じる。R25用には純正タイプのスモークのほか、クリア(1万2,960円)も用意される
R3は圧側2WAY(低速・高速)+伸び側1WAYの3WAYダンパーアジャストシステム搭載。無段階プリロードアジャスターと車高調整機能付き、別体タンク式の同ブランド最上級モデルだ
オーリンズのR25用リアショックはφ46mmピストンを内蔵。圧側12段階、伸び側14段階の各ダンパー調整、無段階プリロード調整と10mmの車高調整可能。スポーツランに広く対応する
エキパイとテールパイプ間に中間サイレンサーを配し、ショートサイレンサーながら音量規制をクリアしたフルEX。サイレンサーとテールパイプはチタン、以外はステンのハイブリッドスタイル
チタン製スリップオン。ツインメガホンは迫力あるサイド&リアビューを演出。メガホンならではのボリューム感ある排気音も高回転ほどにその迫力を増す
チタン製スリップオン。RSはレーシングイメージをテーマに、同社GP-RSサイレンサーをショートスタイルにモディファイ。車格に合わせたスレンダーさが魅力
R25でのスポーツライディングを念頭に、YZR-M1的肉抜きを250ccなりに解釈したデザイン。別売のスポーツライディングハンドルキットは4万2,120円?。いずれも加工不要のボルトオン
ステップ製作でも老舗の同社が、たわみのない12mm厚のベースプレートを使用した高剛性ステップキット。摺動部にはベアリングを配してスムーズな作動を実現。4ポジション式
記事提供/雑誌『ロードライダー』
写真/富樫秀明、吉見雅幸、箱崎太輔、フォトスペースRS
文/ロードライダー編集部
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
この記事は、雑誌『ロードライダー』 Vol.404 P.71?78より抜粋・再構成・転載したものです。