
「川崎の工場地帯、すっごい良かった」
写真好きの友達が興奮気味に教えてくれたのは、たしか4年くらい前だった気がする。何度かSNSで画像は見たことあったんだけど、暗闇にナトリウムランプが煌々と光って、工場から立ち込める湯気と巨大なクレーンがなんとも男心をくすぐるような雰囲気だった。
しかしどうやら話を聞くと友達の推しは夕方のようだ。そんな話を不意に思い出したのが先月の頭、そして実際に行こうと計画を練って現在に至るのだ。
第三京浜を走っている時は気が付かなかったのだが、工場地帯にバイクを停めてピンときた。いまに西に沈もうとしている強い夕陽が工場全体を真っ赤に染めていて、これがなんともエモい(エモーショナルな感じの意)。
昔使われていたであろう工場内を繋ぐ線路や、線路脇に作られたバラックの寝床、砂っぽい風は鉄とゴムのような匂いがする。俺、こういうの大好き。
夕陽で真っ赤に染まる工場は所々作業灯がつき始めている。なんの工場か分からないけど、上下左右に張り巡る配管パイプや工場の錆びたフレームがかっこいい。
高々と積み上げられたゴムチップは大きさ的に多分トラックの廃タイヤだと思う。この山自体はそんなに臭くない。ゴムっぽい匂いは近くで加工とかしてるからなのかな?
折角来たのでフラフラ探検。よく見ると立ち入り禁止の場所もあるので要注意だ。
ヤマハXSR700。工場も似合うね(笑)!この工場地帯がどんなバイクでも絵になるのか、このバイクだからこそこの工場地帯が似合うのか……?大人っぽいマットな質感のタンクに素材感の違うパーツで構成されたシート、細部がブラックアウトされているのもクール。
乗ってみると意外と大きい車体でも、重量が軽い分、砂利道でスタンディングしても不安なく走れた。
ヘルメットはBucoに100%のヴィンテージルックなゴーグル。XSRとの相性が良くって、お気に入りの組み合わせ。黄色いグローブも差し色になって目立たなすぎず、主張しすぎず、これがいい具合になってます。
先日の雨が水溜りになっていて、夕陽が反射して綺麗……なんて思っていたらついつい入ってみたくなっちゃった(笑)。
ポイントを教えてくれた友達には電話でお礼をしなくちゃね!しばらく連絡していなかった友達に電話するとついつい近況報告になりがちだけど、忘れずにお礼と、また一緒に走る約束を交わした(ちなみにいつもしているが、なかなか行かない)。
電話を切ってからも夕陽が西の空に落ちるまでしばらく眺めていたら、少しだけ切ない気持ちになった気がした。