乗りたいバイク、憧れのバイクがあるにも関わらず、体格などの理由から諦めてしまったというシチュエーションは、それほど珍しいものではないのかもしれない。特に女性ライダーであれば、せっかく大型二輪免許を取得したにも関わらず、ハーレーやビッグバイクになかなか手を出しづらいというケースもあるだろう。
大阪の『ワークス・スポーツ・レーシング』では、憧れを諦めずに、乗りたいバイクを楽しんで欲しいという想いで、その人に合わせた入念なセッティングや、豊富な経験と技術力により無理なく大型バイクを楽しめるよう仕上げている。いわゆる高性能パーツによるパワーアップやドレスアップカスタムなどではなく、“オーダーメイド”感覚で、オーナーにとってもっとも乗りやすい、一生持ち続けることのできる1台を仕上げてくれる。そんなワークス・スポーツ・レーシングの哲学と、実際の女性ライダーの声を紹介しよう。
“女性でもビッグバイクを楽しめるように”と、多数のバイクを手がけてきたワークス・スポーツ・レーシングの森田社長。いわゆる旧車や絶版車など、男性的なスタイルを長年手掛けてきたからこそ、女性ライダーにももっとバイクを楽しんで欲しいというこだわりを持っている。
「まず、バイクというものに対してもっともっと女性にも進出して欲しいと考えています。うちはそのためのサポートを行っているという感じですね。例えば身長160センチ以下だけれどもナナハンに乗りたい、ハーレーに乗りたい、といった方のために、なんとか夢を実現させてあげたい。うちでは、よほど極端に大きなバイクを除いて、世の中のほぼ9割のバイクに対して、楽しんで乗れるよう仕上げることが出来ます。もちろん女性だけじゃなく、年配の方やリターンライダーの方に対しても、安全に楽しく、一生乗り続ける事の出来るバイクを作り上げていくようにしています」
同店の女性のお客さんのなかから、カワサキ ゼファー750に乗る藤岡さん、ハーレーダビッドソン FXDLとゼファーを持つ馬場さんにご登場いただき、自分自身に合わせた乗りやすいバイク作り、そしてバイクへの想いをうかがってみた。
藤岡さん「19歳の頃にバンディットに乗っていたんですが、そこからだいぶブランクがありまして、ワークス・スポーツ・レーシングさんでホンダ マグナ250、それから今のゼファー750に乗るようになりました。乗る人自身のことを一番に考えてくれて、なんと言うか、バイクを乗り手に合わせてくれますね。ナナハンですが、おかげで乗りやすくて楽しいバイクです。女性ライダーだと、家族のことや経済面とか色々あるとは思うのですが、私の場合は一個人として、後悔せずに楽しみたいという想いで乗っています。もちろん一生乗っていきたいですね」
馬場さん「10代の頃からビッグバイクに憧れてたんですよ。それで、中型バイクを経てスポーツスター1200を購入したんですが、あんまり乗りやすくなくて。不安定だったんですよね。もともとダイナに乗りたかったんですけど、大き過ぎるからとスポーツスターにしたんですが…。そんなときワークスさんでダイナを見かけて、やっぱり乗りたい!と。しっかりと自分に合わせてもらったおかげで、足つきも良いですし、ステップも出しやすい。スポーツスターで感じた不安定さもなくて、すごく乗りやすいです。おかげでものすごく充実していて、楽しいですね。特にワークス・スポーツ・レーシングさんでは、不安な点もしっかりと、納得いくまで説明してくれるので、自信をもってお任せできるのが嬉しいですね」
森田社長「バイクっていうのは遊びのもの。だからこそ、楽しく安全に乗って欲しいんですよね。それこそ一生乗り続けることが出来るようにしていこうと思っています。そのための手法ですが、みんな“カスタム”っていう言葉をよく使われますけど、それは日本の造語であって、うちでは“トータルバランスをチューニングしていく”という考え方です。1人ひとりの体格などを考え、乗車バランスや車重とか、その人のためだけのコンプリートマシンを仕上げていく感じですね。速く走るためじゃなく、長く乗るため。女性の場合は特に、本物志向で自分自身でちゃんとモノを選ぶんですよ。したがって他人と同じモノを作っていたら駄目。そこがプレッシャーでもあり、やりがいを感じる部分でもあります。バイクを通じて、感性が豊かに、人生が楽しくなるお手伝いをできたら嬉しいですね」
ワークス・スポーツ・レーシング社長 森田 尋(じん)氏
藤岡江里子さん
愛車はファイヤローズをテーマに作り上げられたゼファー750。教習所のCBよりも乗りやすいと語る通り、ワインディンやツーリングでも、750の車格を感じさせない乗りこなしを見せる。今後はブレーキの強化を検討中とのこと。
馬場かおりさん
身長155cmという小柄でありながら、ゼファー750やFXDローライダーをはじめ、何台ものバイクを乗りこなしている。特にワークス・スポーツ・レーシングで仕上げられたFXDは、以前乗っていたスポーツスターよりも乗りやすいという。
ハンドル、シート、ステップの三点バランスをオーナーの体格にあわせてセッティングすることで、大柄なダイナを乗りやすく仕上げている。大げさにコンパクトにするのではなく、オリジナルのシルエットを大事にもしているのだ。
モンキーからGLまで、ありとあらゆる車両を手がけるワークス・スポーツ・レーシング。丁寧に仕上げられた当時の空気を伝える旧車や、見たことのないような斬新なカスタムモデルまで、枚挙にいとまが無い。ここでは上記でお話をうかがったお2人の愛車を中心に、ワークス・スポーツ・レーシングが女性ライダーのために手掛けた車両を紹介していこう。これらはごく一部であり、他にもさまざまな女性ライダー向けに仕上げられた、特別な車両が存在するのだ。
住所/大阪府門真市月出町7-17
電話/06-6904-5671
営業/11:00-20:00
定休/月曜