培われた膨大なノウハウを活かした
安心して使えるマフラーを提供
ミドルクラス向けのマフラーをメインとしたパーツメーカー 『WR'S(ダブルアールズ)』 は、ネイキッドブームが沸き上がっていた1990年に自社ブランドとしてリリースし、以降ストリートユースを前提とした、リーズナブルでありながらも満足度の高い製品を世に送り続けている。
四半世紀近くにわたるマフラー作りで培われ、蓄積されたノウハウは膨大なものがあり、自社ブランドを立ち上げた直後、ホンダ CBR250RR において、クルマの車体ほどの長さを持ったマフラー(当然バイクの車体からは大きくはみ出す)を実験的に試作してみたこともある。これは管長を確保することで、低速トルクが大幅に上がるのではないか? との予測を元にトライされたものであり、そういった市販前提ではない、常識にはとらわれない方向性へのアプローチなど、柔軟性を持っているのである。現在ではエキパイやテールパイプなどの、長さや太さから得られるパワー特性を予測できるまでになっているが、それでも試作してみると予想外の結果になってしまうこともあり、そこがマフラー作りの難しさでもある、とは開発担当の山本弘之さん。
製品に対するポリシーは、前述の通りミドルクラス向けにリーズナブルであることは当然だが、それ以上にユーザーが「安心して使えること」を念頭に置いている。山本さんは JMCA (一般社団法人 全国二輪車用品連合会)のマフラー部会副部会長も務めており、立場的にも強い使命感を持っている。販売する製品は音量や排ガスなど、定められた規制値は当たり前のようにクリアしており、正々堂々と装着して走りを楽しむことができるのだ。
また耐久性についても然り。パーツに適した材質を選定し、それを確かめる意味でも開発段階からベンチ(シャーシ・ダイナモ)上でテストを繰り返し、その回数は1機種あたり100時間以上にも及んでいる。
ユーザーが「安心して使えること」を踏まえ、その上でマフラーに求められる性能を追求している。車種によって “味付け” は異なってくるが、いずれも方向性は WR'S の考える “乗りやすさ” だ。ノーマルの状態をベースに、補った方が良い部分の厚みを増したり、あるいは長所の部分を伸ばしたりといった具合。いわゆるピークパワーだけを太らせるのではなく、ストリートユースで使用することが多い領域での味付けを重視しているのである。そして製品は自社工場で一貫して作られており、最先端を支える町工場の街、東大阪発のメイドインジャパン。サイレンサー部分に燦然と輝く 『WR'S』 のロゴは、信頼のブランドの証でもあるのだ。
数年前から主力商品のマフラーに加え、F.R.P.やカーボンの素材を使用したボディパーツもリリースされている。それらは “コールドプレス” という製法で作られており、軽量でありながらも高い強度と精度を持ち合わせているのが特長だ。これは製造にあたり、雄(オス)型と雌(メス)型のふたつを用意し、そこにサンドイッチして生み出されていく。F.R.P.やカーボン素材は通常、オスかメスのいずれかの型があれば作ることは可能だが、ふたつで挟み込んで圧力を加えることで余分な樹脂が取り除かれ、その結果として軽量化に繋がるのである。当然のことながら型がふたつ必要なため、そのぶん製造コストは嵩むが、WR'S ブランドとして展開するのに相応しいクオリティの製品となっているのは言うまでもない。
サイレンサー部分に燦然と輝くWR'Sのロゴは信頼できる製品の証だ。騒音や排ガスなど各種の規制値をクリアしており、車検にも対応。開発の中心となっているのが、山本弘之さん。豊富なノウハウを有し、また新たな可能性にも日々取り組んでいる。2014年から、同じくマフラーメーカーであるBEAMSとのとコラボレーションで、KTM 1190 RC8 R を用いて鈴鹿8時間耐久レースにも参戦が決定している。
主にミドルクラスに向けたマフラーを主力商品とするとするパーツメーカー。社内で一貫して開発から生産までを行っており、リーズナブルでありながらも満足度の高い、かつ各種規制にも対応した安心して使える物作りがモットーである。カーボン/F.R.P.を用いたボディパーツも展開しており、WR'Sブランドらしい確かな作り込みがなされている。
住所/大阪府東大阪市長瀬町1-15-21
電話/06-6728-5978
FAX/06-6728-7075
営業時間/09:00-18:00
定休日/土、日、祝日
商品化までには徹底したベンチテストを繰り返す
ボディパーツはドライプレス製法で
主力商品であるマフラーは、開発から量産まで社内で一貫して行われている。開発の際の車両は徹底したテストを気兼ねなく行えるように、全て購入され用いられている。ボディパーツはドライプレス製法で作られており、そちらにも要注目だ。
ミドルクラスを中心としたカスタムパーツ
Ninja 250用 フルエキゾースト
Z 250用 フルエキゾースト
スリップオンに加え、排気系を丸ごと交換するフルエキゾーストシステムもラインナップ。サイレンサー部分のみの変更となるスリップオンとは異なり、エキパイ形状や集合部までの長さなどが新たに開発され、Ninja250/Z250のポテンシャルをさらに引き出されている。エキパイから集合部、テールパイプまではステンレス素材、サイレンサー部分はステンレスのラウンドタイプから焼き色の付けられたチタンオーバルまで、全6種類がラインナップされている。
サイレンサータイプ【ラウンド】
ステンレス■7万8,750円
チタン■8万5,050円
カーボン■8万7,150円
焼き色チタン■8万7,150円
サイレンサータイプ【オーバル】
チタン■9万300円
焼き色チタン■9万2,400円