取材協力/内商会  取材・文・写真/モリヤン  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年12月2日

さまざまなアルミビレットパーツをリリースしているU-KANAYAが、最新モデルとして発売しているのが、ツーリングレバーである。以前から扱うスポーツレバーに対して、長距離ライディングにおける扱いやすさを大きく向上させたという同パーツだが、いったいどんな所に違いがあるのだろうか。そこで今回は、販売元の内商会にお邪魔して、パーツの詳細と、コンセプトを伺った。

INTERVIEW

カスタムの方向性は無限大にあり
対応するパーツを作ることが大切

内商会は、九州の小倉にある。43年前に街のバイクショップとして創業し、現在は「オートプラザ・ウチ」として多くの国産中古車を販売する大型店舗と、多彩なアルミビレットパーツを開発販売するU-KANAYAとして有名になった。社長の内光行さんは、若いころにはモトクロスを趣味とするライダーでもあった人。U-KANAYAブランドの立ち上げは5年ほど前で、そのパーツ監修として、日本を代表する元レーシングライダーの金谷秀夫氏が加わったことから命名されたものである。

機能パーツは、カスタムバイクを製作する上で重要なアイテムである。特に操作系のパーツとなると、ライダーは繊細なフィーリングを要求する。そして最も重要なのは、ノーマルから無改造でボルトオン装着できること。その上で、高機能かつ高級感あふれるスタイリングでなければならない。そんなコンセプトで開発されているのがこのブランドの特徴である。中でもハンドルバーに装着するカスタムレバーは現在の主力商品。豊富なカラーバリエーションを持ち、操作フィーリングを向上させる優れた一品である。アジャスタブル機能を持ち、さまざまな車種への対応が図られていることから、スポーツバイクに乗るユーザーから大きな支持を得ているパーツなのだ。そして今回、このレバーに新たなるバリエーションモデルが加わった。従来のスポーツ性から、ツーリングへと用途を変更したバージョンが発売されたのである。

──今回発売されたツーリングレバーの特徴とは何ですか?

内:今までのラインナップは、スポーツ性を強調したものだったのですが、そのダイレクトな操作フィーリングは、長距離ツーリング向きとは言えない部分もありました。もちろん、従来品には改良を重ねてさらにスポーツ性を上げる方向に特化しています。しかしツーリング用のレバーには、もう少し柔軟な操作フィーリングが必要ではないかと思い、柔らかなラインを描くレバー形状をデザインしました。レバーは、ライディング時に常に操作する重要なパーツなので、バイクの使われ方によって、いろいろなレバーを使い分けるということもできるように考えたということでもあります。

 

──具体的にはどのような違いがあるのですか。

内:レバー形状がスポーツ系はほぼストレートですが、ツーリング用は大きなカーブを描いています。そして、指が当たる部分の肉をスムーズな形状に削り取り、穏やかなブレーキング時からフルブレーキング時まで、タッチが柔らかくなる形状にしました。クラッチレバーも同じ形状なので、やはり操作フィーリングが柔らかく、半クラッチの状態がつかみやすいと思います。もちろんレバーの位置はアジャスタブルなので、ライダーの手に合わせた位置に調整できます。その点はスポーツ系レバーのコンセプトと変わりません。

 

──調整範囲はどれぐらいでしょうか。

内:全部で6段階、レバー先端で最大30mmの調整ができます。

 

──その他にはどのような特徴がありますか?

内:ホルダーアタッチメントとレバー、そしてアジャストパーツの3点構成なので、破損した場合はそのパーツだけの交換で修理ができますし、各8色で合計64通りのカラーバリエーションが楽しめます。ホルダーアタッチメントを残してレバーだけ交換すれば、スポーツレバーとツーリングレバーの2種類を使い分けることができますし、バイクを買い替えた場合などは、ホルダーアタッチメントだけ交換すれば愛用のレバーを使い続けることができます。

 

U-KANAYAが新たにリリースしたツーリングレバーは、多様化するライディングスタイルに柔軟に対応すべきという、内社長の熱い想いから生まれたカスタムパーツである。愛車のドレスアップに効果的なことはもちろんだが、高機能を求めてレバーにこだわるライダーの要求を充分満足させられるスペシャルパーツといえるだろう。

PICKUP PRODUCTS

内容充実の構成パーツは
常に進化を続けている

人間工学的にも優れた形状を追求したツーリングレバーは、美しい曲線を描いていることが最大の特徴だが、従来のスポーツレバーが持っているスペックも踏襲している。それは、転倒時に先端だけが折れやすくなっている形状であったり、高強度で耐蝕性に優れたアルミ素材にさらに硬質アルマイトを施し、高級感のある外観であること。そしてすべての製品は、細かい部品での輸入として日本国内にて組み立て作業を施す。つまり、もし不具合があった場合でもユーザーに不良品が届くことは皆無となるシステムを構築しているのである。それがこのU-KANAYAブランドの誇りと実力なのだ。

長距離ライディングでの疲労軽減を大きく意識したレバー形状は美しい弧を描く。ノーマルレバーより、近い部分からアジャストできるシステムになっている。

ノーマルレバーからの交換でもっとも大きなメリットは、やはりフルアジャスタブルになることだろう。優しい操作フィーリングも大きな特徴である。

レバー単体だけでもパーツ購入が可能。カラーバリエーションは8タイプである。

ホルダーアタッチメントは200車種以上に対応している。その他、ニッシン製マスターシリンダーへの対応品もあり、ブレーキ側はラジアルポンプ用もラインナップする。

アジャスト機構の調整ノブももちろん単品購入でき、こちらも8種類のカラーバリエーションが存在する。

アジャスター部分のデザインは、従来の数字表記から、よりシンプルなものへと変更された。6段階で調整できる。

ネイキッドバイクの代表であるカワサキゼファー1100への装着例。モノトーンのカラーリングがカワサキらしさを強調。

スズキのハヤブサには、車体色と同系列のレバーを選んでみた。スーパースポーツユーザーは、ライディングシーンでレバーを使い分けることが流行るかもしれない。

スポーツレバーも形状が改められて進化した。上が従来モデル、下が新作レバーである。

10先端のエンドアイは形状がスムージングされて、クラッチレバーを最後まで握りこんだ際のハンドルバーエンドへの干渉を無くすものに改良されている。

11アジャスト部分の表示が数字からシンプルな表記に改められた。ノブの形状も指掛かりの良いものへと変更され、レバーの肉抜き形状も変化している。

BRAND INFORMATION

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