ニンジャ250Rに端を発し、CBR250Rなどを生み出した近年の250ccフルカウル人気。なかでもヤマハが昨年末に発売したYZF-R25(以下、R25)は、ビッグバイクさながらのハイクオリティなデザインと各ディテール、高い動力性能によって人気を博すモデルだ。これまでにも多くのアフターパーツメーカーからカスタムパーツが発売されており、その人気の高さが伺える。
そんななか、マフラーメーカーとして全国のライダーから支持を得る月木レーシングからもついにR25用エキゾーストマフラーが登場した。しかも一気に3種類!! これからR25を購入、そしてカスタムしようというオーナーは必見である。
ではまず、マフラーの説明をはじめる前に、月木レーシングのモノづくりについて紹介したい。同社の商品全体に通じるコンセプトやこだわりについて、同社広報の月木康人さんに話を伺った。
「月木レーシングのエキゾーストマフラーに共通する特徴は、ノーマル車両に装着することを前提に作られているということです。カスタムパーツはマフラー以外にもハンドルバーやブレーキ、リアサスペンションなど、高価なものがたくさんあります。だからマフラーを購入してから、さらにF.Iチューニングやキャブレターセッティングなどをしなくてもいいように、“マフラー単体でどこまで遊べるか”を重視して開発しているのです」
つまり購入後にさらに手間やお金を掛けなくて済むよう、マフラー交換だけで十分に効果が体感できる。これこそが、月木レーシングのエキゾーストマフラーなのである。
今回リリースされた3種類のマフラーそれぞれの特徴について聞いてみた。まずはストリート用フルエキゾースト「月光」について。
「R25自体は非常によくできたバイクですが、やはり排ガスや騒音規制などでパワー特性に限界があります。とくに6,000回転付近でパワーが落ち込み、10,000回転以上のピークパワーも物足りない。この2ヵ所での不満を解消するべく開発したのが『月光』です。ルックスにもこだわっていて、メガホンサイレンサーはレーシーながらも現代風。そしてデザインモデルの『コブラ』では、よりストリート色を強くしています。近接騒音94dbは大きすぎず小さすぎず、音質は低め、迫力あるものだといえるでしょう」
「RACING」はその名のとおり、レース専用フルエキゾースト。長めのサイレンサーは理想のパワー特性を追求した結果だという。
「レース専用ですが、これもノーマルセッティングでどこまで遊べるかにこだわりました。シビアな管長設定によって、全域でノーマルを上回るパワーを発揮します」
「SLIP-ON」は、誰にでも簡単にルックスとサウンドの変化を楽しめるように開発されたスリップオン・サイレンサー。アルミサイレンサーはレーシーなデザインで、カーボンサイレンサーはストリート感の強いショートタイプ。ルックス重視といいながらもノーマルに負けないパワー特性を持っているので、走りの不満はないはずだ。
これら3商品は先に紹介したように、すべてが品質や性能を追求して作られたもの。当然、簡単に開発できたわけではない。
「250cc水冷2気筒エンジンに適合するマフラーとして、当社にはニンジャ250用があります。だから最初はそれと同じようにすればいいのかと思ったのですが、同じ仕様だと全然パワーが出ない(苦笑)。R25は非常にシビアなセッティングが求められるマシンで、結局エキパイの長さやサイレンサーの太さなど、すべてをイチから製作しました」
結果、完成までに同社の一般的なマフラー開発より遥かに長い1ヵ月半もの期間を要した。しかし、だからこそ今回の製品には絶対の自信があるという。装着するだけでR25がもっと楽しくなる月木レーシングのエキゾーストマフラー……オーナーならぜひとも装着して、その走りを実感してほしい。
月木レーシングのエキゾーストマフラーに共通するのが「ノーマルセッティングでどこまで遊べるか」ということ。F.Iやキャブレターのリセッティングをせずに、ノーマルよりも優れたパワー特性で楽しく走ることができ、高いクオリティを持つルックスは所有欲をも満足させてくれる。さらにR25用マフラーのデザインは、スタンダードなレーシングフォルムを持つものから、月光のようなストリートを意識したメガホンタイプ、さらにスリップオンではショートタイプのカーボンサイレンサーもラインナップされており、オーナーの趣向に合わせて選ぶことができるのだ。ここにR25用全ラインナップを紹介するので、お気に入りの1本をぜひとも見つけて欲しい!
高性能なマフラーを多数リリースする老舗ブランド。レース活動に裏打ちされた確かな製品づくりで多くのファンに支持される。近年はショップも復活。そちらではカスタムやエンジンオーバーホール、修理なども受け付けている。