
SP忠男から、今もっとも熱い250ccスポーツモデルYZF-R25用のマフラーがリリースされた。驚くべきは、一挙に4タイプがラインナップされたこと。しかも、エキゾーストパイプやサイレンサーの設計が全く異なる、完全な別モデルとしてだ。なぜ4種類のマフラーが誕生したかの秘密に迫り、4本のマフラーを実走インプレッション!!
なぜ、4タイプのマフラーが必要だったのか?
SP忠男マフラー開発のキーマンを直撃
バイクの世界で一番元気の感じられるカテゴリー、それが250ccスポーツバイク。その中心的存在であるヤマハYZF-R25用のマフラーを、SP忠男が満を持してリリース。しかも同時に4種類をラインナップ。なぜ、タイプの異なる4本のマフラーが作られたのか? SP忠男でマフラー開発を統括する、大泉さんに話を伺った。
「開発をスタートした当初は、フルエキゾーストのピュアスポーツとスリップオンタイプのパワーボックスの2ラインを考えていたんです。とにかく性能重視のピュアスポーツ、気楽に楽しんでいただけるパワーボックスという感じですね。ですが、開発を進めていくうちに、様々な可能性が見えてきた。
ピュアスポーツはエキゾーストパイプの構造を変えられますから、特性はかなり自由に作ることができます。性能には自信があります。ですが、現代の法規制に適合させるのはかなり難しいことなんです。特に厳しいのが排気音を規制値内に収めることです。開発中「ここをこう変えれば、もっと良くなる」というのが解ってくると、実現したいという欲が出てくるものなんです。(笑)
そこで更に上を目指すために、サイレンサー容量が稼げて消音に有利なツインサイレンサーを採用することにしました。部品点数が増える分コストもかかり、価格が上がってしまいましたが、パフォーマンスを求めるユーザーさんに向けたハイエンドモデルとしてラインナップしました。究極のYZF-R25用マフラーだと自負しています。
パワーボックスライトに関しては、とにかくリーズナブルに作りたかった。エントリーユーザーさんだと、マフラー交換の楽しさを知らない方もいらっしゃいます。そうしたユーザーさんが、気軽に購入できる価格を目指したものです。
サイレンサー内部にパワーボックス構造を持たせることで、コストを下げられました。走りの違いは十分に体感してもらえますから、マフラー交換入門の1本としてオススメできます。パワーボックスライトを装着することで、カスタムの楽しさを知ってもらえたら嬉しいですね。」
SP忠男が4タイプのマフラー開発に踏み切ったのには、こうした理由があったのだ。次は、4本のマフラーを実際にYZF-R25に装着し、そのパフォーマンスを体感してみよう。
SP忠男 大泉善稔さん
SP忠男のマフラー開発を統括。見かけのスペックではなく、実際に走った時の楽しさを重視したマフラー開発をモットーにしている。テーマは「クラッチを繋いだ瞬間に笑みがこぼれる」マフラーを作ること。大泉さんの哲学が、他とは一味違うSP忠男製マフラーの個性を生み出している。
マフラー交換入門に最適な1本
価格は抑えながら、しっかり性能アップ
パワーボックライトは、シリーズの代名詞である別体式の膨張室を持たない。だが、パワーボックスを名乗るだけあり、サイレンサー自体にパワーボックス構造を持たせてある。開発時にはサイズを大きくしたり小さくしたりと、かなり時間がかかっているとのこと。性能のキモの部分だけに、妥協は許されなかったようだ。ただの廉価版というわけではないのだ。
エンジンを始動すると、ノーマルマフラーより太さを増した排気音が心地良い。煩いと感じる大きさでないところも好印象。これなら、周囲に迷惑をかけることもないだろう。走り出すと、すぐに感じられるのが3,500回転~7,000回転辺りのトルクの太さ。常用域ながら、ノーマルではもたつきを感じる部分なので有り難い。
パワー特性はとてもフラットで、トップエンドまでスムーズに吹けきる。全域でトルクフルなので扱いやすく、どんなシチュエーションでも走りを楽しめる。とくに、日常使用する回転域が元気になるので、街乗りの楽しさが大きく広がる。この性能で、この価格、なんともお買い得なマフラーだ。
SP忠男の技術の結晶
パワーボックスが走りを変える
とにかくスロットル操作に対する、エンジンの反応がリニアだ。右手とリヤタイヤが直結しているような……と、言うと大げさかもしれないが、この自由自在感はクセになる。ライダーの感性とパワーデリバリーが、見事にシンクロしている。
パワー特性の向上もなかなかのものだ。全域で一段上のトルクを発生させており、その中でも高回転域のパワーアップが顕著。パワーバンドに入ってから、ピークパワーまでの回転上昇が圧倒的に早い。その領域でもリニアな出力特性に変わりはなく、高回転域の増大したパワーを思いのままに操ることが出来る。スムーズでフレキシブルな乗り味が実に爽快だ。
膨張室が別体であるため容積に余裕が生まれ、その分サイレンサーをショートタイプにすることが可能になったという。ファットなフォルムは迫力十分。スポーティでスパルタンなルックスもパワーボックスの大きなセールスポイントだろう。排気音はパルス感の強い、ツインエンジンらしさが強調されたもの。乗り手の気分を盛り上げる心地良い音質で、音量はキッチリと規制値に収まっているのは流石だ。
高回転域の刺激的なパワーに酔い
低中速の優しさに溺れる
全域でパワー&トルクが増大している。だが、このマフラーの本領はなんといっても高回転域のパワーだ。回転数でいえば7,500回転から上、そこからのパワー感は痛快この上ない。開発時にターゲットユーザーとして想定していたのは、攻めの走りを好むスポーツライディング愛好者だというのも納得。レーサーレプリカ全盛期に、過激なマシンを味わってきた世代を満足させられるように、キャラクターを作り上げたのだそうだ。
そうは言っても、低中回転域が細いわけではないので、どんなスキルのライダーでも楽しく走ることができる。下の優しいトルクと、上の刺激的なパワー感といった二面性を持ったマフラーなのだ。排気音も特筆もので良い。5,000回転あたりから、マルチエンジン的な連続音を発するのがたまらない。スロットルを開けるのが楽しくなるサウンドだ。
また、質感の高さも見逃せない。排気ポートからサイレンサーのテールエンドまで、ポリッシュされたステンレスの輝きが魅惑的。スペシャルパーツであることを主張し、フルエキゾーストならでは所有欲を満たしてくれる。
シリーズで初めて“HP”の名を冠した
究極のスポーツエキゾースト
ここまで3本のマフラーを試し、そのどれもが面白く、マフラーごとの個性が感じられた。だが、最後に乗ったピュアスポーツのツーテイルHPのおかげで、全ての印象が吹き飛んでしまった。と、言うのが正直な感想だ。速さ、トルク感、レスポンス、全てにおいて圧倒的。パワーアップに関しての”まるで排気量が上がったかのような”という使い古された表現を、引っ張りだしてきたくなった。
アイドリング付近からトルクの増大が感じられ、中回転域のモタつきもほとんど気にならない。そして高回転域のパワーは明らかにトップで、レブリミッターにあたるまで天井知らずの伸びをみせる。しかも全域で扱いやすく、どんなシチュエーションでも走りが楽しい。他の3タイプのマフラーから良いトコ取りして、さらにオマケをつけたような乗り味なのだ。
たしかに価格は安いとはいえない。なにしろパワーボックスライトの4本分だ。だが、乗り比べてしまうとピュアスポーツ・ツーテイルHPが欲しいと思ってしまったのも事実。さすがに究極を目指しただけのことはある。YZF-R25オーナーには、是非ともこの高みを目指して欲しい。それだけの価値がある。
SP忠男 小川 剛さん
マフラーに関する質問なら、何でも答えてくれるエキスパート。愛車はCB400SB Revo。趣味のプロ野球やプロレスに関する話題も豊富。イベントで見かけたら、是非声をかけてみよう。
目指せ参加者10,000人
SP忠男マフラーの試乗イベント
マフラー交換の楽しさを知るには、やっぱり実際に体感するのが間違いない。SP忠男では各地のバイク用品店で「10,000人ライドオンキャンペーン」と題した試乗イベントを実施中。ライドオンキャンペーンは、SP忠男製のマフラーを装着したバイクを試乗し、その走りの違いや楽しさを感じてもらうことを目的としている。開催スケジュールはSP忠男のwebページや公式Face Bookでチェック。i-phoneとandroidのアプリストアから、無料でインストールできるSP忠男公式アプリでも情報が配信されている。イベントで用意される車種は、開催店舗に掲示されるポスターなどで確認しよう。また、SP忠男上野店でも、展示してある車両での試乗が可能だ。
「マフラーを変えると、こんなに走りが楽しくなるということを体感してもらうためのイベントです。無料ですし、気軽にドンドン参加してください。
キャンペーンのタイトルに“10,000人”とありますが、実はコレ後付けなんです。今まで参加していただいたお客様をカウントしてみたら、7,000人に近かったので、じゃあ10,000人を目指そう……と。(笑) それぐらいたくさんの方に楽しんでいただいているイベントなんです。」
と、ライドオンキャンペーンを担当する、SP忠男の小川さんからコメントをもらった。無料でマフラー交換したバイクの楽しさを味わえる、またとないチャンス。どんどん参加しよう!!
■住所/東京都台東区北上野1-7-5
■電話/03-3845-2010
■営業時間/11:00~19:00
■定休日/毎週水曜日、毎月第3火曜日
マフラーをはじめ、様々な高性能パーツをラインアップする老舗のパーツメーカー。SP忠男のトレードマークである“目玉のマーク”は、同社代表の元モトクロス全日本チャンピオン“忠さん”こと、鈴木忠男氏のルックスをモチーフにしたものだ。性能がアップするだけでなく“走りの楽しさ”を基本コンセプトに掲げるSP忠男のパーツは、ライダーならば一度は装着してみたい逸品だ。
SP忠男ではユーザーへのサービスを充実させるため、ネットでダイレクトストアを展開中。
ダイレクトストアでは様々な購入者特典が用意されているので、SP忠男製品を購入するなら、
SP忠男ダイレクトストアがお薦めだ。
機械イジリが苦手な人にとってマフラー交換はたいへんな難作業。ショップに依頼しても思った以上に工賃がかかるものだ。ところが、SP忠男ダイレクトストアでSP忠男製マフラーを購入した場合、なんと取付け工賃が無料! しかも、世界中どこでもSP忠男のメカニックが出張してくれるのだ。申し込みはマフラー購入時に「出張取付け希望」と申し出るだけ、交通費はユーザー負担となる。
マフラーを交換した後、始末に困るのが取り外されたノーマルマフラーだ。JMCA取得、政府認証マフラーのSP忠男製マフラーは車検対応なので、ノーマルマフラーを保管しておく必要も無い。しかし処分するには費用がかかる…。SP忠男ダイレクトストアでマフラーを購入した場合、不要になったノーマルマフラーを無償で回収してくれる。マフラー出張取付けを依頼すればマフラー交換時に回収してくれるし、それ以外はSP忠男上野店にマフラーを送ればいい。その際の送料はユーザー負担となる。
SP忠男ダイレクトストアでのマフラー購入者向けサービスとして、ダイレクトストア限定エンブレムが用意されている。専用デザインを採用しており、カラーは赤と青の2タイプから選択可能。他では絶対手に入らない、プレミア感抜群のエンブレムだ。
通常版のエンブレム(写真上)と、SP忠男ダイレクトストア限定のエンブレム(写真下)。限定エンブレムは写真の赤の他、同デザインで青いタイプも用意されている。どのエンブレムを選ぶかはユーザーの自由だ。