今も続くCBの伝統 CB400スーパーフォアシリーズとは?

ホンダを代表する看板モデル、CB400スーパーフォアシリーズ。教習用バイクとして全国各地で採用されていることもあり、これが始めて乗ったバイクというライダーも多いかと思います。初代が発売されてから16年が過ぎた今も、トップクラスの人気シリーズです。ホンダのスポーツバイクに代々使われているCBの名前を受け継いでいるだけに、実力は折り紙付き。水冷DOHC直列4気筒エンジンを心臓部とし、力強いパワーフィールと軽快なハンドリングを高次元でバランスさせ、「走りの感動を具現化しよう」という開発コンセプト、「PROJECT BIG-1」の指標に基づいたパフォーマンスは発売当初からライダーたちの大きな支持を受けました。その後改良を加えながら年々進化を続け、1999年にはVTECシリーズへと進化。現在はさらに新しいREVOエンジン搭載しインジェクション化、ABS付きモデルもラインアップを加え、400ccクラスで変わらぬ人気を誇っています。

(写真右)CB400SFの先祖となるのはCB-1です。スポーツモデルであるCBR400RRの水冷ユニットをベースに専用セッティングを施し、
ツインチューブフレームに搭載。走りのネイキッドとして人気を博しました。

CB400スーパーフォア(初代)1992年~1998年

今も続くCBの伝統 CB400スーパーフォア

力強いパワーと軽快なハンドリングによる感動の創出を目指した「PROJECT BIG-1」に基づいて開発されたCB400スーパーフォア。1990年代前半のネイキッドバイクブームの波をとらえながらも、
主流だった空冷エンジンによるテイスティな乗り味にはとらわれず、最新技術によってスポーティな性能を与えられています。教習車として採用されるほど乗りやすいにも関わらず、ライダーの実力が高ければスポーツマインドを刺激してやまないほどの走りを楽しむことができました。
特にハンドリング面での評価は高く、ソフトなサスペンションを積極的に動かすことで、車両の姿勢変化と旋回力を意のままコントールすることが可能。また、その性能の高さからツーリングや街乗りなどだけでなくサーキットでも活躍しており、市販ネイキッドマシンをベースとしたレースではさまざまな栄誉を獲得しています。さすがに現行モデルに比べると古さを感じるものの、まだまだ現役でも楽しめる1台と言えるでしょう。

発売当初から大人気モデルとなったCB400スーパーフォア。CBRベースの高性能エンジンと、バランスのとれたハンドリング性能は現在でも通用するレベルです。

バージョンR

1995年のマイナーチェンジで追加されたバージョンRは、小ぶりなビキニカウルを装着し、吸排気や点火系、サスペンションなどに手を加えられたホットバージョン。
改良は多岐にわたり、フレームまで強化されています。

バージョンS

スタンダードのルックスにバージョンRのハイパフォーマンスを加えたバージョンSは1996に登場。各部にバージョンR同様の改良が加えられているほか、
フロントブレーキが2ポッドからニッシン製対向4ポッドへ強化されていました。


50thアニバーサリースペシャル

ホンダが創立50周年を記念して、1998年に発売されたスペシャルカラーモデル。ベースはバージョンSとなり諸元に差は無いが、
1965年にF1で初優勝したRA272をモチーフにしたカラーリングの貴重なモデルです。

CB400スーパーフォア VTECシリーズ 1999年~

ハイパーVTECエンジン搭載でさらに新しい感動性能を獲得

1999年、ホンダは新たに開発した4サイクルエンジンのバルブ制御システム「ハイパーVTEC」をCB400スーパーフォアに採用。
新世代のスポーツバイクとしてフルモデルチェンジを行いました。これがいわゆる「CB400スーパーフォア ハイパーVTEC」です。
VTECモデルではこれまでのライダーに感動を与える「操る楽しさ」に加え、昨今問題視される環境問題にも真っ向から取り組んでいるのも特徴です。
1気筒あたり4個のバルブを、低回転域では2個、高回転では4個に切り換えることで、低中速回転域と高回転域の両方で力強い出力特性を実現。
さらには約6.6%の燃費向上を果たしています。また、車体についても徹底的に見直され、フレームを新設計したほか大型スポーツバイクで熟成した技術を積極的にフィードバッグ。
環境対策のために部品増を乗り越え、従来モデルにくらべてなんと6kgの軽量化を実現しました。この後、VTECシリーズは2度のマイナーチェンジによって熟成され、
さらに完成度を高めて不動の人気モデルとなったのです。

HYPER VTEC(初代)

バルブ休止機構を搭載した新型エンジンを搭載してフルモデルチェンジ。バルブ切り替えによる怒とうの加速感は多くのライダーをとりこにしました。

HYPER VTEC SPEC2

中速域での出力特性の向上をはかった「HYPER VTEC SPEC2」エンジン搭載モデルは2002年に登場。バルブの切り替わりが分かりやすくなっており、エキサイティングなライディングを楽しめます。

HYPER VTEC SPEC3

2003年にはさらに乗り心地を重視した「HYPER VTEC SPEC3」エンジンを搭載。1~5速と6速で切り替え回転数を変化させたほか、最新のECUでより精密な制御を行うように進化しました。

SUPER BOLD'OR

2005年には防風性能を高めるハーフカウル付きモデル、スーパーボルドールを追加。カウル内部には小物入れがあるなど使い勝手もよく、ツーリングライダーから熱い支持を集めました。

CB400スーパーフォア(現行型) 2007年~

CB400スーパーフォア

CB400スーパーフォアVTEC ABS

CB400スーパーボルドール

CB400スーパーボルドール ABS

新型REVOエンジン搭載で環境性能と熱い走りを両立

2007年12月、CB400スーパーフォアは厳しくなる環境基準に適合するために、モデルチェンジを行った。これまでキャブレターだった燃料供給装置をキャブレターから電子制御燃料噴射システムに変更するとともに、エキゾーストパイプ内2ヶ所に排気ガス浄化装置を設け、世界でも有数の厳しさとなった平成 19年度二輪車排ガス規制に適合。また、インジェクション化したことでより高度に燃料供給が行われ、優れた始動性とスロットルレスポンスを実現した。従来モデルに搭載されていた「HYPER VTEC機構」は今回のモデルチェンジで「HYPER VTEC Revo」へ進化。これまでのギアポジションとエンジン回転数に加え、新たにスロットル開度を検知・演算するシステムが追加され、これまでよりスムーズにバルブが切り替わるようになった。低速から高速まで伸びやかにふけるエンジンは、これまでのCBにはない加速を楽しませてくれる。代を重ねるたびに進化するCBの凄さを感じる1台だ。

(写真右)バルブ休止機構を搭載した新型エンジンを搭載してフルモデルチェンジ。バルブ切り替えによる怒とうの加速感は多くのライダーをとりこにしました。


PGM-FI採用の新エンジン

燃料供給方式をキャブレターからインジェクションに変更。環境に配慮しながらもキャブレターに勝るとも劣らない良好なレスポンスと胸のすくようなパワーフィールを実現しています。


排ガス対応のマフラー

内部に排気ガス浄化のためのキャタライザーを内蔵したエキゾーストシステムを採用。また、エキゾーストパイプにステンレス材を使用することで、これまで以上の質感になりました。


コンバインドABS採用

今回からリアブレーキペダルを操作するだけで前・後輪が連動するコンビブレーキに、ブレーキのかけ過ぎによるタイヤのロックを回避するABSを組み合わせた「コンバインドABS」装着モデルを設定。どんなシチュエーションでも安心してブレーキをかけることが出来ます。

進化を続けるCB400スーパーフォア

CB400

着実に熟成を続けるCB400スーパーフォアはライダーにとって最良の選択肢の一つ

CB400スーパーフォアは発売以来、とどまることなく常に新しいものを取り入れて進化してきました。特にエンジンの発展は著しく、これについては他のモデルを1枚上回っていると言えるでしょう。そして、ただ進化しつづけるだけでなく、初代モデルにあったバランスのとれた性能をという美点を維持し続け、今日まで熟成を続けてきたのです。発売以来16年積み重ねた実績に、時代に合わせて加えられる最新の技術によって生まれたCB400スーパーフォアは、すべてのライダーにおすすめできる最良の選択肢と言えるのではないでしょうか。