ノーマルとは異なるルックスを純正ライクなマッチングで魅せる!才谷屋ファクトリー
取材協力/才谷屋ファクトリー(EIGHT)  取材・写真・文/木村 圭吾  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2014年2月5日
ホンダ CBR250RR 用の 600RR レプリカカウルを筆頭に、オリジナリティの高い外装パーツを提案してきたのが以前の才谷屋ファクトリーだった。そのブランドを引き継ぎ、ボディパーツメーカーとして設立されたのが EIGHT だ。体制は大きく変わったが、製品作りへの情熱は変わらない。これからもラインナップの拡充をはかり、才谷屋ファクトリーならではのアイテムを世に送り出していくのである。

INTERVIEW

引き継がれた才谷屋ファクトリーブランド
これからもオリジナリティの高い製品を

F.R.P. やカーボンを用いたボディパーツを中心とするメーカーが才谷屋ファクトリーであった。以前にも同ブランドが手掛けた CBR250RR 用の 600RR レプリカカウルを紹介 している。それは旧いレーサーレプリカに新たな息吹を与えるプロダクトとして、CBR250RR が新車販売されていた頃を知っている人は元より、知らない世代にもインパクトを与えて迎えられていた。

 

過去形で記したのは、その事業組織としての才谷屋ファクトリーは諸般の事情により、2013年9月いっぱいをもって解散となったためである。だが、『ブランドとしての才谷屋ファクトリー』は残った。旧才谷屋ファクトリーのスタッフとして商品の企画や開発、製造に腕を奮っていた金田哲幸さんが新会社 EIGHT(エイト)を立ち上げ、製品の生産を継続したのだ。

 

「旧才谷屋ファクトリーのポリシーだった “他メーカーにはない、オリジナリティを発揮したものを送り出す” をこれからも持ち続けていきます」と金田代表。そしてさらに「自分たちよりも、もっと若い世代の人にもバイクの楽しさを知ってもらえるようなパーツを提案していきたいですね」 そのひとつが 2012年までのカワサキ ニンジャ 250R を ZX-6R の顔つきに変更するアッパーカウルだ。スクリーンとサイドカウルから下の部分はノーマルを使用することでユーザーの負担する金額を抑え、比較的安価にフェイスチェンジが楽しめるのである。と、記すと簡単なようだが、ノーマルのサイドカウルを活かしつつ、その他諸々をクリアするにはノウハウが必要。それが蓄積されているのも、才谷屋ファクトリーブランドを引き継ぐ EIGHT の強みだろう。

 

EIGHT 代表の金田哲幸さん。1996年に旧才谷屋ファクトリーへ入社し、製品の企画や開発、製造に携わってきた。現在の愛車はミニガーレと VTR250。社名の由来は金田さんの御子息の名前からで、発展性を込めた末広がりの意味も持つ。

「“ナンバーワンよりもオンリーワン” そんな存在であり続けたいと考えています」 その答えが、ドゥカティ 1199 パニガーレをホンダ NSF100 で再現した “ミニガーレカウル” だ。それは、単にダウンサイジングすればよいというものではない。それらしいアピアランスを構成するためにはバランスが重要であり、ハンドルなどの干渉にも留意しなければならず、そこが EIGHT の腕の見せどころなのである。このミニガーレカウルは NSR50/80 用もレース仕様をすでにラインナップしているが、発売が待たれるのは前モデル1098 typeでも好評だった公道走行可能なストリート仕様。2014年3月発売予定だ。

 

2014年1月現在、ミニガーレはレース仕様のみだが、公道走行が楽しめるストリート仕様も発売を控えている。NSR50/80 用として開発中だ。保安部品をどう収めるか? にもぜひ注目したい。

ヤマハから登場予定の YZF-R25 用パーツの構想をすでに温め始めるなど、今後は 250cc クラスを中心にラインナップを拡充させていく。その一方で、ノジマエンジニアリングとのコラボでカワサキ ニンジャ 1000 や ZRX1200 ダエグなどのパーツも展開しており、ニンジャ 1000 の各カウリングに関しては 2014年モデルにもフィッティング確認済み。ビッグバイク用も注目といえるだろう。

 

「将来的にはコンプリート車両の販売も手掛けていけたらと思っています」と金田代表。才谷屋ファクトリーブランドとしてのオリジナリティやクオリティを変えることなく、それをさらに進化させ、深化していくのが EIGHT のテーマでもあるのだ。

 

EIGHT は4人体制。向かって左から金田代表、旧才谷屋ファクトリー時代から開発および製造を担当する小寺さん、製造担当の松本さん。この日はお休みだったが、池田さんも製造を担当する。

PICKUP PRODUCTS

ノーマルとは違うアピアランスを
純正ライクで構築する

外装パーツの変更はバイクのイメージチェンジに大きく貢献する一方で、車体デザインのバランスを崩してしまうことがあるが、才谷屋ファクトリーブランドの製品は純正かと思わせるような自然なマッチングを見せている。しかも、カワサキ ニンジャ 250R を ZX-6R の顔つきに変更するアッパーカウルは、サイドから下にはノーマルを使用することでリーズナブルなものとしている。また、ミニガーレのようなフルレプリカでは、サイズも形も大きく異なるものを巧みな技で再現しているのがポイントだ。

 

2008?2012 ニンジャ 250R 用 ZX-6R レプリカアッパー / 2012年までのニンジャ 250R をZX-6R ルックの顔つきに変更するアッパーカウル。スクリーンやサイドカウルなどはノーマルを使用する。ヘッドライトまわりは 2013年以降のニンジャ 250 純正品が必要。

2008?2012 ニンジャ 250R 用 ZX-6R レプリカアッパー / 正面から見ても、サイドカウルとのつながりに不自然さはない。

2008?2012 ニンジャ 250R 用 ZX-6R レプリカアッパー / アッパーカウル部分のアップ。ここだけを見ると、ニンジャ 250R であることを忘れてしまいそうだ。

2013? ニンジャ 250 用パーツ / 才谷屋ファクトリーパーツがすべて装着されており、純正ライクながらもノーマルとは異なった迫力を与えられている。

2013? ニンジャ 250 用 フロントフェンダー / オリジナル形状のフロントフェンダー。

2013? ニンジャ 250 用 フルカウル(ストリート) / アッパー、左右センター、アンダーのカウルセット。アンダーはトレー形状となっており、万が一ブローした時のオイルキャッチ構造になっている。ウインカーはボルトオンで装着可能。

2013? ニンジャ 250 用 タンクパッド / 付属の両面テープで固定。タンクエンドが延長されることでニーグリップしやすくなり、積極的なコーナリングを楽しめる。コールドプレス製法により密着性が高く、裏面も滑らかなゲルコートでタンクも痛めない。

2013? ニンジャ 250 用 シートカウル(ストリート) / シートカウル、シート台、シートベース、タンデムシートカバーの4ピース構成。写真はタンデムシートカバー非装着の状態。

2013? ニンジャ 250 用 リアフェンダー / チェーンガードと一体化されたリアフェンダー。優れた機能性とデザイン性を両立させた形状だ。

102013? ニンジャ 250 用 フェンダーレスキット / リアまわりをスッキリと見せるフェンダーレスキット。ナンバー灯やリフレクター、ウインカーはノーマルを使用。

11ミニガーレ / ドゥカティのスーパースポーツである 1199 パニガーレを小排気量クラスで再現したのがこのミニガーレだ。写真は NSF100 に装着されたもので、ほかに NSR50/80 用も設定されている。

12ミニガーレ フルカウル(レース) / ハーフアッパー、アンダーのセット。写真のカーボンとゲルコート仕上げの F.R.P. を設定する。スクリーンはノーマルを使用し、取り付け位置は 30mm アップ。ビス止めとクイックファスナーの2バージョンあり。

13CBR250RR 用 600RR フルカウル type-2 / ラインナップから消えて久しい 250cc クラスのマルチエンジン。中でも CBR250RR は、異彩を放つ存在であった。今となってはややクラシカルなそのルックスを現代的なものにするセットだ。

14CBR250RR 用 600RR フルカウル type-2 / タンクやフレームには手が加えられておらず、それらを活かしつつも現代的なテイストのルックに変貌している。

LINE UP

BRAND INFORMATION

才谷屋ファクトリー(EIGHT)

住所/大阪府泉南市信達市場1014-1
定休/第2・4土曜、日曜、祝日
営業/9:00?18:00
Tel/072-485-2130

F.R.P. やカーボンを用いたボディパーツを中心にリリースするメーカー。企画から開発、製造までを一貫して行う。ストリートユースのみならず、レース用の製品も多数手掛けている。また旧才谷屋ファクトリー時代の製品に関しても、リペアなどのアフターサービスを受け付けている。