取材協力/プロト 文/野岸 “ねぎ” 泰之 写真/河合 宏介 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
2013年7月31日
1995年にオランダで誕生して以来、優れた機能とスタイリッシュなデザインを両立させたライディングウェアを数多く世に送り出してきた
レブイット。このたび世界中のライダーに支持されたツーリングモデル『SAND』がブラッシュアップされ、『SAND2』として登場した。
その魅力を徹底的に探ってみよう。
BMW Motorradの GS シリーズを筆頭に、最近では KTM のアドベンチャーやトライアンフのタイガー、ヤマハのスーパーテネレなど、いわゆる “アドベンチャーモデル” が世界的に人気を博している。その魅力は長距離・長時間のライディングも楽にこなせる快適性と、少々荒れた路面でもものともせずに走れるタフさ、冒険心を満たしてくれるところにあるだろう。
レブイットの豊富なウェアラインナップのなかで、そんなアドベンチャーモデルでのライディングにベストマッチするのが ニューモデル『SAND2』だ。動きやすさとデザイン性の良さに加え、プロテクション性能の高さが、ヨーロッパをはじめ、北米、そして日本のライダーから高い評価を得ている。
前モデルからもっとも進化を感じさせてくれるのが開口部が2倍になったベンチレーションだ。胸の正面と両腕に設けられたインテークと背中に設けられたアウトレットは、それぞれファスナーで開閉、調節できる仕組みだが、その開口部が大きくなったことでエアーがよりスムーズに流れ、換気効果が向上している。これにより、激しいライディングでも内部にこもった熱気を効率よく排出でき、快適性がグンとアップしたのだ。ジャケットのベンチレーションというと、受けた風をそのまま通すという、どちらかといえば受動的な印象が強かったが、これは積極的・能動的にエアーをコントロールしていくイメージだ。
ほかにも、ネックブレースの取り付けに対応したり、被視認性の高いネオンカラーをラインナップに加えるなど、安全性に配慮したヨーロッパでのトレンドを取り入れ、細かい部分の使い勝手も向上している。
従来から好評だったレイヤードシステムがそのまま踏襲されているのも見逃せない。アウター表面の生地には摩擦に強い PWR shell 500D を使用、それにオリジナルの Hydratex 3‐layer を使用した着脱自在の防水透湿ライナー、さらに thermal liner を使った防寒ライナーを備え、気温や天候の変化に柔軟に対応できるしくみだ。防水透湿性能の低下を心配することなく、埃をかぶったアウターだけをガンガン洗えるという、便利で実用的なところも変わらない。それでいて、前モデルよりもかなり手ごろな価格設定となったのは、嬉しいかぎりだ。
これだけ高機能なジャケットだが、袖を通すと着用感はあくまで軽く、要所に配されたストレッチパネルのおかげで動きやすくなっている。それでいて、プロテクターが体にしっかりとフィット。このあたりの味付けは、MotoGP ライダーへのサポートで培った技術が生きているのだろう。ジャケットと同様の機能を持つトラウザーズも揃えて着れば、さらにきっちりと “守られている感” が増し、ライディングへのモチベーションを高めてくれる。
ヨーロッパでは、地中海沿いやオランダのような海抜0m地帯から、アルプスを越える標高 2,500m 以上の峠道、あるいはアウトバーンのようなアベレージスピードの高いハイウェイまで、天候や気温など環境の変化がとてもダイナミックだ。そんなヨーロッパで鍛え抜かれ、世界で認められた SAND2 は、日本のツーリングシーンにおいても、きっと頼もしい相棒になること間違いなしだ。
国内最大級の2輪・4輪用パーツメーカー&ディストリビューター。世界各国からさまざまな特色あるアイテムを輸入すると共に、同社の手によって開発されたオリジナルパーツも多数展開している。
着脱式の防寒ライナー、防水透湿ライナーを装備し、快適性と安全性を両立させたハイパフォーマンスライディングウェア。
SAND2 JACKETと同様、着脱式の防寒ライナーと防水透湿ライナーを装備するライディングパンツ。摩擦に強い素材や滑り止めを要所に配し、運動性を高めている。
柔軟性と耐久性を兼ね備えた軽量グローブ。独自に開発した六角形の熱可塑性ラバーを貼ることで、抜群の衝撃吸収力と通気性を確保。
HVとは「High Visibility」の意味で、SAND2に高度な被視認性を持たせたモデル。安全性を高める意味で、近年ヨーロッパを中心に増えてきた、ネオンカラー(ヨーロッパ規格EN471)を採用している。
着脱式の防寒ライナー、防水透湿ライナーを備えるオールマイティなジャケット。シンプルなデザインはマシンを選ばず、通勤からツーリングまでO.K.という使い勝手の良さが魅力。