
大人気のプレミアムスーパースポーツバイク、カワサキニンジャH2用のバックステップがモリワキからリリースされた。開発を担当したのは同社のレースグループ。motoGPや全日本ロードレース選手権など、世界のトップカテゴリーのレースを戦ってきた“世界のモリワキ”の技術と魂が、最速マシン、ニンジャH2にインストールされている。
スーパーチャージャーを装備し、常識を覆す新しいコンセプトのスポーツバイクとして誕生したカワサキ『ニンジャ H2』。ハイパフォーマンスマシンでありながら、レース出場を考慮しないことでレギュレーションに囚われない自由な発想を手に入れ、レーシングマシンを頂点とする従来のスポーツバイクの概念を打ち壊し、新時代のスポーツバイクの姿を提示して見せた。
H2を構成するパーツは世界の一流品で固められている。それ故に車両価格も高価で、プレミアムバイクにカテゴライズされるモデル。だからと言ってガレージに飾っているのではなく、実際に走りを楽しむユーザーが多いのはH2の特色かもしれない。そんなアクティブなH2オーナーにこそ薦めたいパーツが、モリワキエンジニアリングから発売された。ニンジャH2用バックステップがそれだ。
モリワキと言えば、日本を代表するレーシングコンストラクターだ。古くからオリジナルフレームのレーシングマシンを手がけ、独自開発したmotoGPマシンMD211VFで大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。moto2クラスのスタートに合わせて開発された専用フレームMD600は、同クラスの初代チャンピオンマシンに輝いている。現在は高橋裕紀選手をエースライダーに迎え、オリジナルマシンMD600で全日本J-GP2クラスやアジア選手権を席巻。数々のチャンピオンを獲得している。2016年、満を持しての全日本ロードレースの最高峰クラス、JSB1000復帰は大ニュースとなっている。
今回紹介しているH2用のバックステップは、そのモリワキのレースグループが開発を担当している。世界の最高峰で戦ってきた、現役のレーシングエンジニアが、モリワキのクオリティ、モリワキのフィロソフィをリアルに反映させて作り上げたステップなのだ。
たとえばステップバーを見ると、滑り止めのローレット加工が施されているが、このローレット加工は部材を型に押し当てて凹凸を付ける転造式が一般的。だが、モリワキのH2用ステップのバーは、全て削り出し加工で形作られている。手間とコストのかかる削り出し加工を選んでいることには、当然理由がある。凹凸部分のエッジを鋭く立てているため、ステップバー自体がブーツのソールに食い込み、ホールド性を向上させているのだ。
また、ローレットのパターンにも工夫が凝らされている。一般的なローレットはパターンが均一だが、このH2用バックステップでは、バーの根元のブロックは大きく、先端に行くに従いブロックが小さくなる変則パターンを採用。これはモリワキMD600にも採用されているデザインで、操作性とホールド性を追求した形なのだ。
シフトペダルの軸受けにはボールベアリングを装備。フリクションの少なさで操作性に優れるボールベアリングだが、塵芥や水分が侵入すると逆に抵抗が増えるというデメリットもある。本来持つ高い性能を発揮させるためには、メンテナンスが必須なためレース用パーツと考えるべきだが、モリワキではストリート対応品のH2用バックステップに、あえて採用した。ハイエンドモーターサイクルたるH2には、考え得る最高のパーツを用意すべきだ、との考えによるものだ。
構造から細部の意匠に至るまで、モリワキのレーシングテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれたバックステップ。世界レベルの性能と品質を市販パーツとして入手できる幸運。その走りを体感できる喜び。H2オーナーは幸福と言う他ない。
モリワキのニンジャH2用バックステップは、多くのライダーが楽しめるように設計されたカスタムパーツだが、細部に渡りモリワキのレーシングテクノロジーが息づいている。ポジション設定は、純正ステップのライディングポジションを大きく崩すことはないが、ライダー個々に合わせた微妙なアジャストが可能な4ポジション可変タイプ。構成パーツのほとんどは、CNCマシニング削り出しで製作されており、精度は非常に高い。また、全体的に高剛性化が図られているため、ライダーの操作を確実に、繊細にマシンへ伝える。そのコントロール性の高さこそ、モリワキのニンジャH2用ステップの本領なのだ。さらにモリワキでは、ステップだけでなくニンジャH2用パーツもラインナップ。スリップオンマフラーもそのひとつ。エキゾーストパイプ部は軽量なチタン製で、スタイリッシュな専用カーボンヒートガードも付属する。