
ライダー同士のコミュニケーションツールとして装着する人が増えているインカムで、他社製品とも接続できるという便利な機能で人気を博しているのがMIDLANDのインターカムだ。そのMIDLANDのラインナップに「BT PRO」シリーズが加わった。世界で初めて距離・人数無制限の通話を実現したという進化形インカムの魅力に迫ってみよう。
グループツーリングで仲間と気軽にコミュニケーションができる、あるいはタンデム時にライダーとパッセンジャーとの間で簡単に意思疎通ができるツールとして、近年ライダーの間ですっかり定着した感があるのがBluetoothを利用したインカムだ。アマチュア無線などと違って免許も不要で、購入すればすぐに使えるとあって、近年急速に人気が高まっている。多くのメーカーが参入する中、独自の機能でライダーの支持を得ているのが「MIDLAND」のインターカムだ。
MIDLANDはイタリアに本社を置く無線通信機器メーカで、世界40ヵ国以上の市場において50万台以上のインカムを世に送り出してきた実績を持ち、信頼性は保証つき。そのMIDLANDのインターカムを一躍有名にしたのが、他社製のインカムとも通話できるという機能。それまでは友人や同じツーリングクラブの仲間が、それぞれメーカーの違うインカムを所有していたら通話ができないのが普通だった。それを解消し、他メーカーとも通話できるようにしたMIDLANDのインターカムは、画期的な商品だったのだ。そして今、画期的を超え、革新的ともいえる機能を搭載した新シリーズが新登場した。それが、BT PROシリーズだ。
では新登場のBT PROシリーズはいったいどこが革新的なのだろうか。その答えを、MIDLANDの日本総代理店である株式会社LINKSの代表取締役、澤田大祐氏に尋ねてみた。
「従来のインカムは多かれ少なかれ、通話距離や人数に制限がありました。BT PROシリーズにはそれらの制限が全くない。極端に言えば世界中の人と何人でも通話できるんですよ」
これが本当なら、まさにライダーの通話、通信が劇的に変化するに違いない。すでにインカムを持っている人もきっと買い替えたくなる、というその仕組みを澤田氏が解説してくれた。
「BT PROシリーズはこれまでのBluetoothによる通信だけでなく、スマートフォンと専用の通信アプリ“BT TALK”に対応したモデルです。従来のインカムとスマホのデータ通信による通話を融合させた、いわばハイブリッドインカムなのです。アプリをインストールしたスマホとBT PROシリーズのインターカムを接続することで、近くにいる相手とは従来のBluetooth接続で話せますし、スマホがインターネットに接続できる環境なら、世界中どこでも、距離無制限、人数無制限で通信が可能になりました」
BT TALKというアプリは、読者も良くご存じの無料通信アプリ“LINE”を思い浮かべるとわかりやすい。BT TALKの画面には、スマホの電話帳と連携し同じアプリをインストールした友達がズラリ表示され、その中からオンラインの友達を選ぶと通話が可能になる。もちろん、任意の友人同士でグループを作ることも可能だ。
この機能を使うと、たとえば名古屋と東京に住む友達同士が静岡で落ち合うなんて場合も、自宅を出発する時から通話が可能で、落ち合う時間や場所を決めるのもリアルタイムでできてしまう。また、出発点が同じグループ内ではBluetoothで話し、同時に遠くのグループとはBT TALKで話すこともできるのだ。まさに夢のインカムといっていいだろう。ちなみにBT TALKで通話する際にはトランシーバーのように交互通話になる。また、BTTボタンという別売りの専用スイッチが必要になることと、スマホのデータ通信料が必要なことは覚えておきたい。
BT PROシリーズには従来の機種にあった他社のインカムとの接続やFMラジオなどの機能も搭載。また、センサーを利用したブレーキライト機能を装備するなど、安全面にも配慮している。これら先進の機能は、ライディングやツーリングの楽しみと可能性を大きく広げてくれるに違いない。※距離・人数無制限の件は特許出願中。ブレーキライトの件は意匠登録申請中。
MIDLANDのインターカムは他社のインカムと接続できるという独自の便利機能でライダーの絶大なる支持を得ているが、走行中の操作を容易にする専用スイッチがきちんと用意されているのも人気の秘密だ。今回ラインナップに加わったBT PROシリーズはいずれもFMラジオやブレーキライトを装備、IPX6相当の防水を実現している。また、BT TALKを使うための専用機器であるBTTボタンも発売された。MIDLANDにはこのほか、バイクライフをより楽しく充実させてくれる機器が揃っている。