
MC16からスタートしたホンダ・NSR250Rは、MC18からMC21、そしてMC28へと進化した。シリーズで最も完成度が高く、最も長く続き、現在でもレーサーレプリカファンに人気のモデルがMC21だ。その多くのファンが注目するのが、この『K2tec』(ケイツー・テック)が作るMC21用ストリートチャンバーだ。
90年代を代表するレーサーレプリカマシン、ヤマハ・TZR250/3MA(後方排気)やTZR250R/3XV(V型2気筒)のストリートチャンバーをリリースする『K2tec』(ケイツー・テック)が開発した、90年代に世間を席巻したホンダ・NSR250R/MC21用のストリートチャンバーに注目しよう。
撮影のためにアンダーカウルは取り外してある。大きな膨張室でも純正カウルを取り付けられる仕様。熱はカウル内側に断熱材を貼ることで対応。一枚一枚ロール成形した筒を繋ぎ合わせたテーパーエキゾーストがとにかく美しい!!
MC16からスタートしたNSRシリーズは、毎年のようにモデルチェンジを繰り返し、MC18から1990年にMC21へと進化した。そのパフォーマンスはレーサーレプリカファンを魅了し、レースシーンでは数々の栄光を勝ち得てきた。MC21は今もなお当時の輝きを放ちつづけ、ファンを引きつけてやまないマシンなのだ。
K2tecからリリースされた輪切りタイプの新チャンバーは、その輝きでMC21の魅力をさらにアップさせる逸品だ。開発に関しては、国際ライダーで世界GPへの出場経験もあるK2tec代表の久保氏が、自らそのMC21と共にサーキットで活躍してきた実績と経験が活かされている。
チャンバーのシルエットは、MC21のシャープなデザイン、当時の流れをくむスタイリングと良くマッチしている。V型2気筒エンジンはパラレル(並列)2気筒エンジンとは膨張室の位置が異なるので、アンダーカウルとの干渉やバンク角の確保などの制限もあるが、そこは見事にクリアしている。
そしてパワー特性は、ストリートに求められる乗りやすさと心地良いパワーフィーリングを両立。このあたりが、世界GPでの久保氏の経験が活かされているところだと感じさせる。
そのフィリーングを生み出すチャンバーは、K2tecのラインナップでもハイエンドなTYPE-2シリーズとなっており、1枚の板(素材はステンレスとスチールがある)から職人の手により切り出され、機械ではなく丁寧な手作業により丸められた、様々な形や大きさのピースから構成されている。
エキゾーストパイプ部分はとくに、細かな数多くのピースが職人の手によりTig溶接で繋がれている。そのエキゾーストパイプとエンジンのシリンダーを連結するフランジと呼ばれるパーツには、レーシングマシンなどに用いられるフローティングタイプを採用。さらに耐熱性に優れた特殊なOリング仕様で機密性も確保し、排気漏れなどを軽減している。
そして大きく膨らんだ大迫力のチャンバー(膨張室)は、美しく丸められたピースで構成されている。チャンバーならではの、テールにかけて細く絞られていく形状を構成するピースの流れも美しい仕上がりだ。
サイレンサーはTYPE-2シリーズ専用のブロンズアルマイト仕上げ。テールピースもカールエンド仕様となり、こだわりを感じさせる。今回取材したMC21用TYPE-2チャンバーは鏡面ステンレスだが、そのほかに少し艶を押さえたSTDステンレスやスチールタイプもラインナップされている。愛車への関わり方や様々なシーンに合わせて選択する事ができるのが嬉しいところだ。
このチャンバー装着にはバックステップが必要(チャンバー容量確保の為のレイアウトによる)となるが、純正ステップのマウントを変更するステップアップキット(6,000円・税別)が用意されているので安心だ。
NSR250R(MC21)鏡面ステンレスチャンバー TYPE-2価格◎13万5,000円(税別)NSR250R(MC21)STDステンレスチャンバー TYPE-2価格◎12万5,000円(税別)NSR250R(MC21)K2チャンバー TYPE-2(スチール製)価格◎10万0,000円(税別)
レーシング仕様と同じフローティングタイプのエキパイマウントを採用したMC21 用フランジ。チャンバー本体の美しい仕上がりに負けない輝きを放っている。